表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/63

皇帝

総合PT600越えありがとうございます!

『皇帝獅子』


HP: 8002/8581 MP: 2543/2543



 よし!! さっきの撃進も少しは効いたのか…? 分からないがダメージは通っている。


「いいぞスラスケ! ダメージは通ってる!!」


 第3のボスを倒す上で一番心配していたのはダメージだったが、全然問題ないようだ。順調に削れている。序盤だと言うこともあり、ステータスが高い分小細工はしてこない。あとは地道に削っていくだけだ。にしても、まだMPを使っていないな、問題は………


「スラスケ!! いつでも『王者の咆哮』がきてもいいように構えておくんだ!! あれをまともに食らえばデバフを食らってしまう!!」

「ほう、ワシに関する知識も豊富なようだな」

「…死にたくないんでね!!」


 HPが全回復した頃合いを見て、柔軟な身体を活かし、攻撃をかわしながらトゲ付き触手でボスを殴る。一撃で大体50くらいは与えられているんじゃないか? 冒険者時代であれば一撃50なんて攻撃じゃ、絶対にボスには挑まないが、それはスライムの特権だ、スライムは疲労もしないしストックのおかげで長時間戦えるから一撃が低くても問題ない。


 チラッとスラスケの方を見ると、魔法の準備をしていた。なにをするかは分からないが、きっとどでかい魔法を使うんだろう。それを視界に入れた皇帝獅子が、僕との交戦をやめ、そちらに注意を向けた。


 「スラスケ! 攻撃をくらえばかなり痛いぞ!! 気を付けろ!」

 「そっちのスライムの魔法は放ってはおけないな」


 先ほどの一撃でかなり警戒を強めてしまったようだ。

 皇帝獅子の目が光る。『火炎魔法』を使う前触れだ!!


 「スラスケ!! 魔法がくるぞ!!」


 撃ち合いしても、おそらくスラスケが勝つ。魔力は圧倒的にスラスケの方が高いからな、ただ、一撃に込められるMPが低いのが少し心配だ。


 ボスの周りに数個の直径1メートルほどある火球が浮かぶ。


「ガアアアア!!!」


 咆哮を上げてそれをスラスケに向けた。


『皇帝獅子』


HP: 6839/8581 MP: 2103/2543


消費MPは500程度か、大丈夫だろう。しかし、火球が迫っていると言うのに一向に回避行動に入らない、それどころか魔法発動のタメをし続けるスラスケ。


「避けろ!!! 大ダメージをくらうぞ!!」

「心配すんなよスラオ………ふぅ、バンッッ!!!」

「グオ………ッ!!」


その声と共に、目の前まで迫っていた火球が消滅し、皇帝獅子が声を上げて何かに弾かれたようにステージの端まで吹き飛ぶ。どうやら心配は要らなかったようだ。


「………す、凄まじいな。」

 風魔法か? 空気砲のようなものだろう……

「当たり前だ!!」

「………これほどの魔法を食らったのは初めてだ」


 四足歩行の皇帝獅子がその巨大な身体をゆっくりと起こす。それはそうだよな、人間じゃ限られたMPで戦わないといけないからどうしても小出しになるし。

 スライムならではのチート級の特性だ。

 そのほとんどがこのレベルに至るまでには死ぬからそれほどの脅威はないけど。しかし、改めてスラスケの強さに気づかされた。


 「………ガハ………ッ!! 」


 今の一撃がかなり効いている様子だ、そろそろ来るか……? 息を呑んで警戒を強める。しばらくして、皇帝獅子がふう、と一息つき、体が黄金の輝きを纏い出した。たてがみが黄金の輝きを強め、逆立つ。血管が浮き出て、白目を向く。


「………さあ、続きをやろうか」


 さらに威厳を増した声で、そう呟いた。全身に電流が走ったような衝撃を感じ、ビリビリと僕の体を威圧する……。


「………な、なんかやばくないか…?! さっきとはまるでちげえ。」

「ああ………あれがスキル『皇帝』だ、第二ラウンドが始まるぞ……ストック変換を素早さに全振りするんだ……MPが尽きるまで逃げ回る、これを乗り切れば俺たちの勝ちだぞ………!!」


 知ってはいたが、やはり実際に「それ」を目の当たりにすると、全身の震えが止まらなかった。凄まじいほどの圧力だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ