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地下牢で。

檻から脱出した僕らは、地上に出るために地下牢をぐるぐる回っていた。


「ここデカすぎだろ…」

「なかなか上に行く道が見つかりませんね。」


なかなか上に行く道を見つけられずにいた。何故なら、こんなとこがあるとは知らなかったからだ。にしても人が全く居ない。牢屋の中にも人は入っていなかった。どういうことだ?


「誰もいないなー」

「何故だろうな…」


看守もいないのは流石におかしくないのか?


「リズ、リズのスキルで上に上がる道見つけたりできないのか?」

「やってみます。」



「どう?」

「出来ませんでした。」

「ちなみに何を思い浮かべた?」

「『地上に出る道を見つける魔法』です」


…魔法は使えないって言ったじゃないか。


「じゃー、今度は、『道を示す光』って思い浮かべてみて」

「はい!」


なんで魔法が使えないんだろうな。結界張ってるのか? 城壁周辺にも魔除けの結界張ってるならどこかに巨大な装置があるはずだけどな。


そんなことを考えていると、リズの体から一筋の光が発せられた。


「おっ! できたじゃん!」

「はい!」

「おそらくこの光を辿れば地上に出られる!」

「やったな!」


リズを転写し、暗い牢の中を光の射す方へ走り出した。


「あれ? ここで終わってる」


ある程度走ったところで光の終わりが見えた。その光は何の変哲もない周りと同じ壁をさしている。


どういうことだ…? 幻覚魔法? ここに何かがあるようには見えないが…


「ちょっとこの壁に何かないか探ってみる」

「はい。」


リズの背中に当たる部分から触手を伸ばす。


「うわっ…」

「…。」

「仕方ないだろ!? これが一番マシなんだよ!」


そうだ。仕方ないんだ。背中から出すのが1番キモくないんだ。けどやっぱ、その反応は傷つくな…


獣神の、スキルを上回る程のスキルを人間が持つはずがないと考え、光を信じてその壁に触手を張り巡らせてみる。


ーーカチッ


「あっ、」

「なんの音だ?」


大丈夫だよな…?


ーーゴゴゴゴゴ


重たい物を引きずるような音を立てながらその壁が動き出した。その先に上へと続く階段がある。


「おぉ! やったな! スゲーなリズ!」

「そんなことありませんよ。スラオさんのおかげですよ!」

「僕はスイッチ押しただけだし…スラスケの言う通りリズがすごいよ」

「とりあえず登ろうぜ!」

「あんまり急ぎすぎるなよ…今は魔法使えないんだから」

「わかってるって! 無事帰ったら魔王討伐の続きしような!」


なんか…フラグじゃね? いや、まぁ…大丈夫だろう。


3匹は段差が自分の体高程ある階段をスイスイと登った。


「スラスケ! 急ぎすぎだ! この先何があるか分からないんだぞ!」

「あ、すまん。」


やけに素直だな…魔法使えないから僕の方が上とか思ってんのかな?


「やっと上まで登りきったな…けど。」

「また牢かよー」

「私がまたさっきのやつしましょうか?」

「あぁ、頼む。」


階段を登りきったはいいものの、そこに広がっていたのは下と同じ光景だった。どこまで続くんだ? と思いながらもちょっとだけワクワクしていた。


「よし、また光に向かって進もう。僕が先頭行くから2人は後ろから着いてきて」

「おう!」

「はい!」


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