スライムの新たな特技!
10,000PV超えたことと、総合評価300ptを超えたことをTwitterにて報告致しました⭐️
@SABUMARUshosetu
ーーでな、先日猪王討伐しに行った剣士集団があと少しのところで教会に帰ってきたって言っててな、近くにいたやつが巨大な隕石が落ちてくるのが見えたらしい。
ーー隕石?!
ーーあぁ、丁度ボスステージのど真ん中に落ちたらしく、それで『仲間を呼ぶ』で集まった奴ら諸共消し飛んだらしいぞ。
ーー隕石なんか降るんだな…
ーーその目撃した王国魔道士によれば、その隕石おかしかったらしいな。なんでも、衝撃波が全くなかったみたいなんだ。巨大な隕石だったにもかかわらず被害もボスステージのみで周辺の森なんかは一切傷ついてないらしい。
ーーそれは確かに変だな? それがそのスライムの魔法だったりしてな
ーー馬鹿言え。『最弱の魔物』だぞ? 魔法なんか使えんだろ
ーーいや、王女助けたっつうスライムは超小さいが火球で怯ませたって聞いたぞ?
ーーなんかの見間違いだろ
この胸の高鳴り…高揚感…人に褒められるってこんなに気持ちいものなのか!? 僕達一気に有名人だな〜いや、有名スライムか。里から出て1週間経ってないくらいじゃないか? 電撃デビューしゃないか!
「スラスケ、あの猪王倒した時の隕石が噂になってるぞ!」
「マジでか!? 俺たち一気に有名スライムだな〜」
「王国の魔道士が見てたらしい」
「魔道士?ってなんだ?」
「んー、魔法がめちゃくちゃ強いひと?」
「そうなのかすごいな」
難しいとこ行ってもわかんないだろうからね。
それより人間の情報網すごいな…つい先日のことがもうこんなに噂になって広まってるんだからーー
ーーでな、捜索隊を森に放ったらしいぞ
…森から出てよかった。捕まったらたまったもんじゃない。リズのこともあるし捕まるわけにはいかない。そう思いながらリズの方を向くとリズの足元に水たまりができていた。
「えっ?! どうしたの?」
「は…っこれは! あの…先程から肉の匂いが漂ってきて…」
「あぁ、そういう事か」
犬だもんな…狼か。
「肉が食いたいのか?」
「は、はい。」
「今は難しいな、寝静まったら僕が確認するよ」
「本当ですか!? ありがとうございますっ!」
寝静まっても見張りがいるから難しいんだけどね…。ここ森のど真ん中だし。冒険者の警戒もかなりのものだと思う。やれるだけのことはやってみるか。スライムって吸収したもの出せたりするのか?
「スラスケ、出さなくていいから、もしかして吸収したもの外に出したりできる?」
「できるぞ? お前スライムなのにそんなことも知らないのか?」
知るわけないだろ…そういう機会なかったし。
「どうやって出すんだ? あ、出さなくていいぞ」
「出さずに説明するって出来るわけないだろ」
そうだった…お前バカだったな。
「そうだな…じゃあ小さいの出してみてくれ」
「おう」
そういうと、スラスケの体がモゾモゾと動き出し、何かを吐き出した。
「こんな感じだ」
「いや、それで分かったらお前の説明いらないんだが」
「贅沢言うなよ」
贅沢…? そんなことは無くないか…
「なんかな、中にあるものをぶわーって感じにして、んで、ふっ!ってやって、外に出す感じ」
「ほとんどを擬音語でわかるかよ…」
「感覚だな」
多分これ以上聞いても収穫がないな。ていうか何を出したんだ?こいつ。丸くてなんか濡れてるけど暗くて見えねーな。
「何出したんだ?」
「鬼獅子の目ん玉」
そんなもの出すなよ…