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20年ぶりの無視は身に染みる・・・スライムだけに。



魔物でも蘇生できることがわかった事だし、次の魔王倒すのにレベル上げる必要もないし、真っ直ぐ行くか。


「蘇生できることも確認できたし、レベル上げる必要もないから真っ直ぐ魔王討伐に向かうよ」

「おう!」

「人間の道通るから、冒険者に合うと思うけど出来るだけ目立たないようにね!」


もしあったら話してみたいな。20年ぶりの人間と。


「わかりました!」

「それでは…レッツゴー!」


…シーン。


「なんだそれ?」

「なんですかその言葉は?」


人間の言葉だもんな…。


「どこかへ行く時の景気づけだよ。」

「そうか、レッツゴー!」

「レッツゴー!」


連呼されると恥ずかしいんだが…。

僕とスラスケはリズを転写し直し、色違い3匹で駆け出した。転写し直したことで新たなことに気づいた。1回転写したものは2度は思い浮かべるだけで転写できるのだ。これはどこかで使えるかもしれない…


3匹はものすごいスピードで森を駆け抜ける。しばらく走ると装備を施した人間の行列が見えてきた。


「あれがお前が言ってた人間の通る道か?」

 「あぁそうだ。道の脇で一旦隠れるぞ」

 「おう」

「わかりました」


なんの行列だ?こんなのゲームではなかったが…。ゲームでなかったからこんなのありえないということは無い。リズの事もそうだ。獣神が人間に捕まるなど普通ならありえない。この世界はもしかしたら似ているだけの別世界なのかもしれないな。


3匹は道の脇に隠れて人間たちが通り過ぎていくのを眺めていた。


「人間って近くで見るとでかいんだな」

 「そうだな。スライムからしてみればそう見えるだろう」

 「怖いです。」


大丈夫…君が本気出せば一瞬で消えるから。

久しぶりの人間だから少し話しかけてみようかな…。話しかけてみるか。


『ねぇ君。そこの君だよ』


すると1人の兵士が周りをキョロキョロしだした。厳つい男戦士だ。返信あるかな…


なかった。1人目は失敗だ。うっ。なんだ…慣れてる事じゃないか…無視くらい。でも。20年ぶりの無視は身にこたえるな…。はぁ、気を取り直して今度はあのロープを身に纏う男に話けてみよう。


『もしもーし。これってなんの行列なの?』


答えてくれるかな…。


『誰だ。』


おぉー!!!! 人間と…会話ができる…。20年ぶりに…。


『スライムです。』


いきなりスライムですはまずかったかな?


『スライムだ? 何をふざけたこと言っている。魔物が人の言葉を理解出来るわけがないだろ。貴様私をおちょくっているのか』


本当のこと言っただけなのに…元人間なんです。


『本当なのに…』

 『おい。いい加減にしろ。貴様どこの隊の人間だ』


20年ぶりの人間との会話が喧嘩なんて。へこむんだが。


『だからスライムなんだってば。』


 ・・・


 返事が返って来なかった。ひどくないですか。あと1人くらい話しかけてみるか。


 今度はいかにも僧侶と言った感じの人間に話しかけた。


 『もしもし。』

  『はい?』


 女の人の声だ。


 『この行列はなんなんですか?』

 『知らずに参加してるの? パレードに行くのよ』


 パレード? そんなものあったっけ? ゲームの世界には無かったはず。


 『なんのパレードなの?』

 『王国親衛隊が獣神を仕留めたのよ』


 王国親衛隊・・・? 聞いたことないぞ。獣神を仕留めたって・・・もしかして。


 「リズ、親はいるか?」

 「…母が…いました。」


 過去形? 今の間、もしかしたらやられたのはリズの母親なのか? もしそうだとすれば、リズがここに居たことも説明がつかなくはない。


『その獣神の種類はなんだ?』

 『狼だって言ってたわ』

『そうか…わかった。ありがとう』

 『どういたしまして』


獣神が人間に捕まるなんてありえないが、実際そうなってしまっている。20年の間にもう俺の知るゲームの世界ではなくなったのか…? そして、何故か無性に腹が立った。


「リズ、母親を取り戻そう。」

「え…人間は強いですよ。母も…」

「大丈夫だ。僕がついてる」

「なんの話ししてるんだよ」

「スラスケ、魔王討伐は一時中断だ。これから王都へと向かう。」

「おう、お前が言うなら」


頭の中に様々な疑問がよぎった。ここはゲームの世界じゃないのか…?

最後まで読んでいただきありがとうございます!

実は今日で10000PVを超えたんですよ。いくつもある作品の中からこの作品を選んでいただいた読者の皆様には本当に感謝しております!

これからもよろしくお願いいたします!

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