表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/4

プロローグ 「理系教科が出来るクズ」

世の中には「〜が出来るクズ」が存在する。


有名なのは「国語が出来るクズ」だ。

「世界史が出来るクズ」も多い。


要するに人並みの努力をしなくてもなんか出来ちゃう奴ってのが存在するわけで……。



〇〇大学入学試験結果


センター傾斜:90/200


2次試験 

国語: 13/100

数学: 238/250

英語: 20/200

理科: 250/250


 計: 611/1000 結果:合格



ーーこんにちは。「理系教科が出来るクズ」です。


第一何が面白くて国語やら英語やらを学ばないといけないんだ?

何でもかんでもヤバイで済ませる国語力を放置して、

役に立たない受験英語を叩き込まれた結果僕みたいな奴が生まれたんだ。

愉しさを追い求めるのが学問の本質なのにさ。


閑話休題。


中学生の頃から目指していた大学に入れた喜びは思ったより大きかった。


何せ日本でも指折りの有名大学で、量子力学の分野に名を連ねる先生方がひしめいている。

現代物理学を愛してやまない僕にとっては最高の環境といっても過言じゃない。


オラ、ワクワクすっぞ!



「ねぇパパ!富士山が見えるよ!」


前に座る親子が窓の外を見てはしゃいでいる。


今、僕は下宿探しの為に大学へ新幹線で向かっているところだ。


極限まで勉強をしなかった自分が大学に受かるとは誰一人思っていなかったらしく、

合格前予約賃貸を取っていなかったとか。


だから大丈夫って言ったじゃん。

「理系教科が出来るクズ」だって……。


早く行かないと自転車で30分とかいうヤバイ()物件しか残らなくなる。

理系には死活問題……ん?


なんだか前の方が騒がしくなってきた。



「死にたくなければ座ってろ!」


テンプレセリフを撒き散らす若い男が、

胴体に巻き付けた爆弾らしきモノを見せびらかす。


色とりどりの大量の線が見える、いかにも「爆弾」って感じの奴だ。


因みに爆発物関係の罪は結構重く、ドラマでよく見る

「赤い線を切るか青い線を切るか……俺たちの運命はこのペンチに託されている!」

みたいな爆弾は存在しない。


どうせ処罰されるなら確実に役目を果たしてもらわないと困るからな。


つまり目の前でプルプルしてる男は劇団俳優の卵か、

誰かに騙されて玩具の爆弾を本物だと思っているかのどちらかだと判断出来るんだ。

知識ってスゲー(棒)。


僕はおもむろに立ち上がり男の方に向かう。


「どうしたんですか?最近嫌な事でも?」


「お前!俺の言った事が聞こえなかったのか!?」


「まぁまぁ、落ち着いて下さいよ。ほら、左に富士山が見えますよ?」


どうせ持ってるボタンを押したところで爆発しないんだ。


煽り癖に身を任せたって良いじゃないか。


「黙れェ!!死にたいのか!」


「新幹線に富士山。 貴方なら何を思い浮かべますか?因みに僕が思い付くのは『決算』ですね。 ハハッ……笑ってもいいんですよ?」


「死ね死ね死ね死ね死ねェェ!!!」


渾身の「因みに僕は」構文は刺さらなかったらしい。

男は狂った眼で手元のボタンを押す。


どうやら誰かに騙されて……




目の前の男が四散する。


本物の爆弾だったらしい。

誰だ爆発しないって言った奴。

僕か。


目の前が白に染まる。


大学受かった直後に死ぬ奴が居るってマジ?




「ヤバイ」




読者諸君覚えとけ。


国語力が無いと最期の言葉もまともに喋れないらしい。



配点は実際に存在する大学に準じてます。

さぁ、何大学でしょーか(唐突な問題)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ