ep.5 事件
フレンが...世界を救う...?
ドンッッ!
「おい!誰でもいい!手を貸せ!」
いきなり入って来たのはヨルムの兵士だった。とりあえず何があったか聞いてみないと
「な、何があったんですか?」
「こっちに向かってモンスターが大量に向かって来ていやがる!」
「な、何だって?!...くそっ、分かった!お前らいくぞっ!」
「くっ...俺も...」
不味い、今動いたら余計に傷が広がってしまう。
「貴方はここで待っていてください!」
「あ、あぁ...すまねえな...」
「いくよソラ!」
「ああ分かったぜ!」
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「あいつらか?」
「パッと見100...いやもっと居るぞ!」
目線の先を見てみると大きいモンスターから小さいモンスターまで様々なモンスターがこちらに向かって走って来ている。
「本当に勝てんのかよ」
「やべえぞ...」
「やるしかないんだぞっ!」
「魔物が到達するまでに準備を進めろ!遺書でも書いとけ!」
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「フレア?準備はいいか?」
「あぁ、大丈夫だよ」
そろそろだ...僕なんかの力でどうにかなる問題じゃない...僕は本当に役に立つのか?居るだけで邪魔なんじゃ「おいまさか邪魔なんじゃないかとか思ってないか?」
「俺はお前が居ると頼もしい、安心できるんだ、だから....死ぬなよ」
「あぁ、任せて」
そう言ってフレンは離れていった。絶対に生き残ってみせる...この街には沢山の人が居るんだ...その人達の悲鳴は聞きたくはない。だからっ....やってみせる!
「なぁ、君?」
自分の持ち場に着こうとすると後ろから声をかけられた、誰かと振り向くとヴァーリと呼ばれていた人が立っていた。
「何ですか?」
「おかしいとは思わないか?何故王国で一番大事な戦力となるここに王都から何も来ないのか」
確かにそうだ...何故伝令の一つも来ないんだ?時間的にも間に合いそうなはずなのに...
「確かにそうですね」
「この事件、僕は今の王政が犯人と見ている」
「今の王政が?何のためにですか?」
「今年は凶作だろう?そうなると地方貴族達が米を買い占める。だから地方の貴族達を狙っているんだろう」
「じゃあ何故ここが狙われるんですか?」
「恐らく、奴らは魔王と手を組んでいる、だから冒険者なんかは邪魔な存在なんだろうね」
「...何故それを僕に?」
「君を見ていると何か感じるんだ、とても凄い何かを...ただそれだけのことさ」
そう言って彼は去っていった。王国が敵となるなんて考えただけでまずい...とりあえずこのモンスターの大群を倒す事だけを考えないと!
「よし...やるぞ!」