番外編 ep.10の別案
10話の別案です。
「..い...おいっ!あんた!」
「.....何」
「そこ邪魔だよ!退けよさっさと!」
「ったく、ガキが」
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いつもなら話しかけてくれる人が居ない。いつもなら笑って話せる人が居ない。
僕が無くしたんだ。
襲撃から1週間が経った。あの日以来フレンとは会っていない、フレンなりの心遣いなんだろう。彼は優しいな、僕なんかと出会わければ良かったのに。
死にたい、僕が二人を殺したんだ。もう...何もしたくない。
もう...死のう....思い残す事なんて..
『俺の...引き出しを開けてくれ』
....!
俺の...引き出し、そう言えばどうしてオーデさんはあんな事を言っていたんだ?死ぬ直前に...それに妹さんもいるって聞いていたし...
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「確かこの辺りのはず...」
そこはヨルムの街にある小さな家だった。
とりあえず誰か居ないか確かめてみよう。
「あの...すみません、誰か居ますか?」
そう言ってドアを軽くノックする。
しかし暫くしても返事が返ってこない、どうやら留守のようだ。
それにしてもこの家、薄汚れているな...掃除していないのかな?
「おいあんた、そんなところでどうした?」
「あ、実はここの家にいる女性の方に用があるんですけど」
「あぁ...そういうことか...くそ」
「またオーデのくだらねえ妄想話に付き合わされてたのかよ」
「え?」
妄想...なんのことだろう。
ドアノブに手をかけると開いた。鍵はかかっていないのか?...まさか...
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オーデさんの妹さんは3年前に亡くなっていた。孤独というものに耐えきれなくなった彼は、現実から逃げ、妹がいるという妄想をしていたのだろう。
いつも一人ぶつぶつと、誰もいない場所で。
家に入ってすぐ気付いたんだ。だって
もう...
折れてるから




