ep.9 再会
ここまでくれば大丈夫かと思い腰を下ろす。もう頭が限界だ。オーデさんが...殺されるなんて....。
『レイさん!逃げて下さい!ここは僕たちに任せて!』
フレアさん...あんなに小さくて、弱弱しかったのに.....
彼とは初めて会ったような気がしなかった。とても懐かしく感じた。そして思い出した。どうして忘れて居たんだろう。私はずっと近くに居たはずじゃない...いや、ずっとじゃなかった。あの時から......フレアさん...いや、フレア王子と合流したらちゃんと伝えないと、この気持ちを
「あれは...フレンさん?」
「レイさんは大丈夫かな...」
たしかこっちへ走っていった気がする。
「あっ!レイさん!」
壁に背をつけて座っているレイさんが居た。
「もうどうしちゃったんですか?」
その目は閉じており、身体に力が入ってない様に見える。
「まさか寝ちゃったんですか?起きてくださいよー」
肩に手を置いて起こそうとした。
しかしその身体は
灯火が消えたかの様に冷たかった。
「あ、あははは、じょ、冗談ならやめてくださいよ....」
その服には傷から出たと思われる血液が大量に付いていた。
最初から気づいていたのかも知れない。
でも認めたくなかった、死というものを正面から見たくなかったのかも知れない。
「そ、そんな....
うっ.....」
さっき無くなる程流したはずの涙が雨のように流れてくる。
その内、涙は砂漠のように枯れてしまった。
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僕に最後まで味方してくれた彼女に、ありがとうと言いたかった。
「フレア王子、私は何があっても貴方の味方ですから...」
「貴方が.......だからって、嫌ったりしませんよ」
「だって...私は貴方のことが...」
「え?いえ...何でも」




