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推しがダサくてツラい  作者: 森山水月
私が彼を好きになった理由
4/4

現実はそう上手く行かない。


教室に入ると、私の席の周りには人集りが出来ていた。正確に言うと私の隣の式部くんの席だけど。


「あちゃー出遅れたね・・・美和どうする?」

「式部くんすごい人気じゃん・・・とりあえずカバン置きたい・・・あの状態じゃちーちゃんも席座れなくない?」

「カバンだけさっと置いて私の席のとこおいでよ。作戦会議しよ!」

「そうだね~置いてくる!」


SHRまであと10分はあるし。始業式の後はHRをやって今日は終わりだったはず。

自分の席にバックを置いたとき、式部くんに声を掛けられた。


「なんか悪い。席座れないよな。えーっと」

「ううん、気にしないで。高野です。よろしくね。」

「式部です。よろしくね高野さん」


ニコッと挨拶をして席を離れ、りんちゃんの所に行く。


「で、どうすればいいと思う?」

「ちーちゃんの情報網を駆使して今年の図書委員は大変らしいって聞いたって噂を流す・・・?そしたら誰もやりたがらないんじゃない?」

「でもりんちゃん、それだと安藤くんも図書委員やらないんじゃない?」

「ああそっか・・・!ダメだ・・・!」

「委員会っていつ決めるんだっけ?1年の時はオリエンテーションの後のHRで決めた気がするけど・・・各委員会2名ずつだよね?」

「そうそう。体育館でオリエンテーション見た後に決めたよね。各委員会2名だったはず!クラス委員だけ半年で交代だったけど他の委員会は通年だったから同じ図書委員になれれば絶対仲良くなれるよ!」

「そうだね・・・!図書委員になってみせる!」




━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


HR後、体育館で始業式を済ませ、教室に戻ってきた。


「今年、来年と皆さんの担任を任されました、世界史担当の岡村(おかむら) 智宏(ともひろ)です。2年間どうぞよろしくお願い致します。皆さんもわかっているかと思いますが、この2年は皆さんの将来を大きく左右する大事な2年となります。将来どんな自分に成りたいか、どういう人でいたいか、その為には何をすればいいか、どのような進路に進めば理想へ近付けるか、一緒に考えていきましょう。」

「副担任の笹原(ささはら) 翔子(しょうこ)です。美術担当です。岡村先生のお休みの火曜日は私がSHRを行います。岡村先生には相談し難い事や悩み事があったら美術準備室へ来て下さいね。よろしくお願い致します。」

「皆さん40人と笹原先生、私の42人で良い2年間にしましょう。ということで自己紹介を始めましょうか。じゃあ端から順に。」


早速自己紹介タイム!トップバッター安藤くんだ・・・!メモ取りたい~!


「あ、はい。安藤(あんどう) 奏多(かなた)です。去年はC組でした。部活には入っておりません。趣味は読書で、小学生の頃から飼っているフレンチブルドッグのおもちの散歩が日課です。本はわりと何でも読む雑食なので、何か面白い本やオススメの本があったらおしえてくれると嬉しいです。よろしくお願いします」


安藤くん犬飼ってるんだ・・・趣味は読書ね。私もわりと本読む方だし、何か話題になりそうな本無いかなぁ・・・この前読んだ本は主人公の飼ってる犬が大活躍してて面白かったな、犬好きっぽいしチャンスがあったらオススメしてみよう。


っと考えてる内に次私の番だ。


「高野 美和です。去年はB組でした。家庭科部所属です。趣味は読書と料理、お菓子作りなどです。本に出てくる料理やお菓子の味を想像して再現したりしています。どうぞよろしくお願い致します。」


ま、こんなかんじでしょ。わざわざソシャゲが趣味でそのためにバイトしてます。ブラデイの奏くんが最推しです。なんて言わない。私、同担拒否だから。同担が居るのはしょうがないけど、近づきたくないし知りたくない。ネット上ならまだしもリアルで同担はキツい・・・!

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