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推しがダサくてツラい  作者: 森山水月
私が彼を好きになった理由
2/4

美和が安藤くんと付き合うまでです。

ちょっと長くなりそうですがお付き合い下さい!

遡る事およそ3ヶ月


私、高野たかの 美和みわは高校2年生になった。

4月10日始業式の日、あくびをこらえながら幼なじみのちーちゃんこと佐藤(さとう) ちひろと校門をくぐる。


「美和今日も寝不足?今イベント中だっけ?」

「そうなの~3時間おきに起きてるから寝不足・・・ブラデイは他のゲームと比べたらまだ優しい方だけど、今やってるイベントはランキング方式だから・・・5000位はキープしたい~」

「今何位なの?」

「昨日頑張ったから2000位くらいをウロウロしてるとこ」


去年の夏にリリースされた学園もののスマホのソシャゲ、Brand(ブラン) new(ニュー) Daysデイズ略してブラデイにドハマリしている。中でも最推しの須藤(すどう) (かなで)くんがとにかく好きで、奏くん(のグッズとゲーム課金)の為にカフェでバイトも始めた。バイトを始める条件としてテストで全教科85点以上をキープする事という厳しい条件を親から言われたけれど、愛の力を持ってすればなんて事はない。ゲームの合間に勉強とバイトの忙しい毎日を過ごしている。でも奏くんのためだもん!いくらでも頑張れるよ!


「ねーちーちゃん、クラス替えの発表の紙ってどこに張ってあるんだっけー?」

「下駄箱前の掲示板じゃなかった?でも人だかりで見えなさそうだよねぇ

グループトークで誰か画像載せてくれないかな」

「あ、それいいね聞いてみよ」


みわ『だれかクラス替えの紙撮って載せて(笑)』

りん『自分で見なよ(笑)載せてあげるけど♡私とみわとちーちゃんは今年も同じクラスA組だよー!』

みわ『りんちゃん愛してる♡♡』

桜『私とりえと美香がC組でゆっきーがB組砂羽はごめんみつかんなかった(笑)』

砂羽『えっっっ私の扱いひどくない!?あきらめないで!?』


「りんちゃんが載せてくれた!ちーちゃんとりんちゃんと私はA組だって~!担任誰だろ・・・あーおかむーだ~副担はやった!翔子先生だ!」

「おお!おかむーとしょーこ先生はアタリだね~!ラッキー!あとA組誰がいる?」

「んーっと安藤くん、伊藤さん、井上くん、江藤さん、大原くん・・・知らない人ばっかだ・・・」

「上から準に読まなくていいよ(笑)どれどれ・・・元1-Bだった子は5分の1くらい?かな。吹奏楽部とバスケ部が多いね。」

「さっすがちーちゃん!よく名簿見ただけで解るねぇ。私なんか知ってる子10人位しかいないや~」

「まぁこれでも報道部の端くれですから☆同じ学年の子の名前と所属は大体把握してるよ~!」


ちーちゃんは報道部で同学年に限らず、顔見知りが多い。報道部に入った理由はお昼休みに好きな曲が流せるからって言ってたけど・・・本当は報道部にいればいろんな情報が入ってくるからだと私は思ってる。その情報を何に使うのかは知らないけど。


「おっ!ちーじゃんおっはよー!今年は同じクラスだな!よろしく~!」


早速ちーちゃんの顔見知りに声を掛けられた。


「っはよー!次期生徒会長と同クラか~!2-Aは安泰だね☆」

「安泰ってなんだよ(笑)また後でな~!」

「ねぇちーちゃん今の人は?」


顔は見たことがある気がするけど・・・


「生徒会書記の式部しきぶくんだよ。どうも次の生徒会選挙で会長に立候補するらしいよ。まぁウチの高校の生徒会なんて興味ある人少ないから順調にいけば当選するでしょ。」


ウチの高校の生徒会はゆるいらしい。何をやってるのかなんて知ってる人はまぁいない。


「ふうんそうなんだ~」

「美和興味無さ過ぎでしょ(笑)式部くん結構カッコイいから人気なんだよ?背も高いし、頭もそこそこ良いし。」

「・・・?そうなんだ?」

「・・・美和せっかく可愛い顔してんのに2次元にしか興味無いんだもんなぁ・・・あっという間に高校生活終わっちゃうよ?来年は受験あるし彼氏作るなら今年がチャンスだよ?」


彼氏・・・ねぇ・・・正直今は2次元でお腹いっぱいだからな・・・


(かなで)くんよりカッコイい人がいればねぇ・・・

そういうちーちゃんはどうなの?ちーちゃん美人だし友達いっぱいいるじゃない?いいなって思う人いないの?」

「んー知り合いはいっぱいいるけど、なかなかねぇ・・・あ、あそこに張り紙してあるよ。すごい人だかりだけど見に行く?」

「面倒だからいい~どうせHRで名簿貰うし。」

「そうだね。教室いこっか。」


2-Aの下駄箱まで行き、室内履きに履き替える。

下駄箱から2-Aの教室はそんなに遠くない。ウチの高校はそんなに大きくないから移動が楽ちんだ。




2-Aの教室に入り、黒板に張り出された表を見て自分の席を探す。


「あ、あった。美和の斜め前だ~!美和の隣、式部くんじゃん。良かったね?」

「えっ別に興味ないんだけど(笑)りんちゃんは・・・一番前の席だ(笑)かわいそ~」

「誰が可哀想だって?それならみわ席変わってよ!やだよ一番前なんて~!」


いつの間にか後ろにりんちゃんが立ってて、抱きつかれた。


「びっっっくりした~!りんちゃんおはよう~さっきはありがとうね!」

「いいじゃん、一番前で。りん後ろの方の席になるといつも黒板見にくいって言ってるし。」


ちーちゃんがりんちゃんの頭をわしわし撫でながら言う。


「どうせ私はちびですよーっ!あと10センチで良いから背伸びないかなぁ・・・」

「牛乳いっぱい飲んだら良いんじゃない?」

「毎朝飲んでるよ!165センチのちーちゃんは牛乳キライなんでしょ?牛乳なんて飲んでも効果ないんじゃないかって最近思うんだ・・・」

「確かに・・・ちーちゃん牛乳キライだよね少なくとも小学校の時から私が給食の牛乳代わりに飲んでたよねぇ」

「そうそう。美和のこのFカップは私の牛乳のおかげと言っても過言じゃないね!」

「ちょっっっっっとちーちゃん!こんなとこでそんな話しないで!」

「あははごめーーん(笑)」


とりあえず席にスクバを置こうと席の方を見ると、運命の人がそこにいた。現実に存在するはずのない彼、奏くんがいた。

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