元 雷鳴+女顔男子=勘違い
更新速度が亀以下で本当にすいません(´・ω・`)
「ようこそお越しくださいました、勇者様、方……」
光が収まり目を開けると、魔法陣の目の前にこの国の王女っぽい金髪碧瞳の女子がいた。そして一目惚れでもしたのか、光に熱い眼差しを送り始めた。
おぉう、何というテンプレ。そして我らの主人公、光はその意味に気付かず不思議そうな顔だ。
………ないわー。流石の紫闇も顔が引き攣ってるよ。三枝が目でいつもこうなのかと聞いてくる。そうか、三枝は噂で知っていても直接見たことは無かったし、噂も誇張が入っていると思ったのか。
…………ん?光の噂ってどんななのか?
……ああ、うん。それはな、高校の中庭で空から落ちてきた女子(何故か天使っぽい)を偶然キャッチしたり、クラス全員の女子(私除く)からバレンタインチョコを貰ったり、四人揃って遅刻しそうになって(光だけ食パンを咥え)走っていたら曲がり角で女子と衝突したりした、等々沢山の噂がある。因みに全て事実だ。
というか、何故お前が食パン咥えてんだよ。
普通咥えてるのは女子だ。急に立場逆転するな。
閑話休題。
奥の方から同じ金髪碧瞳をした王子が出てきた。多分女子を誑し込む為に出てきたんだろうな。
ん?どうして下條の方に……?
「勇者のお嬢さん、お手を」
「えっ?えっ?」
「「「ブフッ!!」」」
転生者組が吹き出した。私もだ。
「アッハハハハ!腹いてーwww!!」
「クッ…来空……とうとうッ、間違われて…www」
「し、下條wwwドンマ、ッハハハハ!」
上からネル、ルイ、私の台詞だ。
「ちょっ、そんな笑わないで下さいよ先輩方!
僕だって好きでこの顔に生まれた訳じゃないです!」
「諦めろ、下條」
「黒峰先輩!?それはどういう……」
「霙弥君は知らないけど、雷輝と祢琉は暫く同じネタでからかって来るからね」
「白鷺会長まで!?」
「……どういう事なんだい?」
未だに自分の勘違いを理解出来ていない王子様(笑)。しょうがない、私が説明しようじゃないか。
「要するに、貴方が話しかけた彼は男って事ですよ」
「なっ!……それなら女性は誰なんです?
神託では6人の男性と1人の女性がいるはずです」
「私です」
「「「……えっ!?」」」
その場にいた護衛の騎士達も驚いて声をあげる。
……別に、男らしいは誉め言葉ですから。
因みに今の私達の服装は生徒会用の黒いシャツに白いブレザー、学年別の色のネクタイを着けている。
私は男子用制服を着て髪をポニーテールにしていて、勿論、下條も男子用制服を着ている。
「し、失礼レディ。貴女が魅力的過ぎてつまらぬ真似を」
「ハハ、ご冗談を」
流石に無理のある言い訳だろ。
まぁ、仕方がなくエスコートされてやるよ。