魔法使いの陰謀2
「いたか?」
「いや、こちらにはいなかった」
「そっちはどうだ?」
「こちらも見当たない」
「なら、どこへ逃げた?」
「国の外に出ることはないはずだ。門は閉じられている」
「誰かが匿っている可能性もある」
「見つかるのも時間の問題…か」
慌ただしく兵士たちが数人がかりで陣を組んで誰かを探していました。兵士たちは険しい表情を浮かべ、ひそひそと耳に語り掛け、身内意外に聞かれないようにと声を潜めていました。
兵士たちの首や顔には何かに巻き付かれたような跡が残り、噛みつかれた痕やひもなどで縛られた痕が残っていました。
これは非常に危険な状況だと、国民でもわかりました。
兵士たちが上官へ通告する前に、国民たちは兵士たちの慌ただしさに気づき、皆で一同に国を守るという結束しました。
国民は冒険者たちを雇い、兵士たちへ少しでも情報を向けるようにと対策しました。兵士から情報交換ができるニュースキャスターや新聞業者に頼んで、このことを国全体に知らせようと働きかけました。
そのおかげもあって、兵士たちは冒険者から情報交換し、逃げたと思われる少年の手配書を国全体に張り巡らせることに成功しました。
そのよからぬ光景に影を潜ませながら、アジトに潜伏し、このことを報告するかのようにカレンさんは、少年を連れてある人物の元へ出向いていました。
「いやー非常に危険な状況に陥ってしまったわ」
頭をくしゃくしゃとかきむしりながら、上着を脱ぎ捨てた。
大々的に窓が開かれ、ガラスという透明の壁は取り外されていました。窓の下には本棚がたくさんしまっており、どれも難しそうな本ばかりでした。
窓辺に座り、本を眺めながら一人の少女の目とすれ違いました。
少女の背後には壁にもたれかかるかのように大剣が置かれていました。少女よりも背が高く重そうな剣でした。装飾からして魔法剣のようにも見えます。
「騒がしい風を吹かせたようだな」
「いやーごめん。まかさ、ここまで手を広げられるとは思いもしなかったからさ。敵の行動半端ないよー」
「問題事はごめんだが……――この子がそうなのか」
「はい、そうです師匠!」
師匠と名を呼んだ相手は小さい女の子だった。
姿はカレンさんと瓜二つだった。双子なのかもしれない。
「まずは、その変な格好を解いてからだ」
「えー、これでも結構気に入っているんですけど……」
「髪の毛ごと切って、その頭部を茹でてやってもいいだぞ」
「勘弁してくださいよ、ししょうぉー」
カレンさんは魔法を唱えた。
自分に向けるかのように大きな鏡に全身が写るようにして呪文を唱えた。すると、銀色だった髪の色は鮮血のような紅い髪へと変え、腰まで長く髪の毛が伸び、銀色の耳や尻尾は赤毛へと変えていった。
背は少年よりも高く、少年の眼先がちょうど胸のあたりまで届くほどの高さ、すらりとした体系は美形と思えるほどのしなやかさを持っていた。
「うぃひー、気に入っていたんですけどねー」
「吾輩のマネか? 冗談はほどほどにしておくといい。その赤毛を今まさに燃やし尽くしてやっても構わんぞ」
「いやいや、冗談という目ではありませんぞ、師匠!」
師匠と呼ばれる少女の目は本気だった。黄色く黄金のように光り輝く目は鋭く、相手を殺すかのような獰猛な目を放っていた。
「さて、元に戻ったことだし、自己紹介しなくちゃなー」
カレンさんは、師匠と呼ぶのも誤解しやすいと言った。
少年の師匠もカレンさんの師匠も別人だからだ。師匠と呼んでいれば、読者から見てもわかりづらくなってしまうのは容易に判断できた。
「吾輩、名乗りたくはないのだが」
「そんなこと言わんでくださいよ、わたしだって名乗ったんだし」
「お前は別格だろ? それに、吾輩はお前の師匠だ。気安く名前で呼ばれたくない」
二人の仲は気が合っているようでそうではない。そんな関係だった。
「ねえ、シク。この国、変だよ」
不安そうに少年に呼びかけた。少年の名はシク。魔法使いだ。
シクの腕に取り付けられた腕輪だ。シクは相棒と呼んでいる。
「相棒、実はぼくも同意見なんだ」
「確実に言葉では伝えきれないけど、ヤバいと一言でまとまっちゃうぐらいだ」
相棒がこのような発言するときは決まって、悪いことが起きる予感のようなものだ。相棒の“ヤバい”、“嫌な予感”という言葉を発するたびに、それは現実に起きてしまう。
時間がないのに、目の前であーだこーだと言い争っている二人を見かねて、シクは声を掛けました。
「時間がないのでしょう。なら、早いとこ、教えてください」
シクがなぜかこの国に入ってから変なことばかり起きる。
門番の兵士から怪しまれ、手配書だと国全体でお祭り騒ぎになる、兵士全員が殺す気でシクを狙っていた、カレンさんはシクを助けてくれた。師匠を知る友人だという理由で、相棒の安全という言葉を聞いて、着いてきたわけだ。
捕まる理由がカレンさんは知っている風な口ぶりだった。この人が知っている。もしくは師匠と呼ぶ彼女が知っている。
「そ、そうね。ほら、師匠!」
「仕方がない…」
折れたようで師匠はしぶしぶ名乗った。
「吾輩の名は、ゼロ・ヴィヌギス」
ひらりと窓辺から降り、その姿を改めて確認した。
銀色の髪に、狐の耳と尻尾をもつ人獣族。身長はシクとそう変わらないが、若干ゼロの方が大人だ。黄色く黄金のように輝く目をしており、その目を見つめれば恐怖を仰いだ。
「原初の魔道書を復元するために旅をしている。――いまは、この地で調べもののために学校という場所で隠れ暮らしているがな」
ゼロはそういうと窓辺に再び座り、窓の外を見上げた。
「どうだ、美しいだろ」
シクも空を見上げ、その美しさに目を大きく広げた。
白い雲が流されるまま風に乗って優雅に泳いでいる。
一面、青一色に染まっている。洗濯ものを干すにはうってつけの天気日和だ。
空にはうっすらとだが、線が引かれていた。
「この国は、地図を浮かべていて、空を見上げばどこにいるのか一目でわかる。地図なしの国という別名で呼ばれているのだ」
この国を一体化したかのような地図が空一面に描かれ、建物の構造から大きさまで正確に測られ、その形そのものを復元という形で描かれていた。
芸術に匹敵するその美しさは、旅人は目を引かれ、その幻想に魅入られされ、この国に移り住むようになると言われている。
「さて、吾輩たちは非常に危険な状況である」
ゼロは真剣な顔をしてこう言った。
「少年よ、吾輩たちと“魔道書”を探す手助けをしてくれまいか、この国の地図はその魔導書によって発動しているという情報を得たのだが、その魔導書がどこにあるのか見当がつかない。ましてや、吾輩たちと同じ目的を持つ者たちが先日、事件を起こしたおかげで吾輩たちは、自由に動き回ることができないのだ。吾輩たちと協力すれば、この事件の真相も魔道書のありかも知ることができる」
ゼロはそう告げ、少年の回答を待った。
すぐに返事が来ると思っていたのだが、少年よりも先にカレンが口に出した。
「師匠、少年じゃなくて、シクです。ちゃんと名前を呼んであげてくださいよ!」
「ふ、ふむ…そうだったな…少――シクよ、これは吾輩たちとシクたちのことでもある。シクの師匠から話しは聞いておる。魔道書を探していると――」
シクの眼の色が変わった。
「――選択肢はひとつだろう。吾輩は期待をしておるのだ。吾輩が協力を求めようとしているあたりで察しているだろう。吾輩たちだけではこの事件を解決できぬのだ。吾輩はシク、君が必要なのだ。別に強制はしない。君が決定したことに吾輩は従おう」
シクは少し、考えさせてとゼロから立ち去った。
「ふむ。あの様子だと難しいそうだな」
「師匠、あの子を誘うなんて、あの子の才能は確かに認めますが…私はなんだか怖いのです。あの子が…巨人を…」
震える手をゼロがそっとやさしく抱いた。
「大丈夫だ。吾輩たちはあの少年の師匠から話しを聞いている。彼が言ったのだ。吾輩は信じている。それに、吾輩たちであの大勢を相手にできない。一人でも多く仲間がいれば少しは安心だ」
ゼロは顎に手のひらを置き、空を見上げながら「今日の風はどこに吹くのやら」と告げていた。
隣の部屋に駆け込む。
そこは寝室で、大きなベッドがひとつと壁にハンモックが吊るされていた。大きな窓辺の前で大きなベッドはお日様のおかげか、暖かくて気持ちよかった。
大きなベッドに腰を掛け、心を落ち着かせる。
「落ち着いた?」
「…多分ね」
シクは相棒に協力するかどうか尋ねました。
「ぼくは賛成だね」
「どうして?」
「シクは、この国、好きだよね」
「ん…まあね」
傾げながら答えました。
「シク、あの人たちなら、大丈夫だと思う。同じ魔法使いだし、それに師匠と同じ匂いがするんだ」
「匂い…って加齢臭?」
冗談めかしに言った。
相棒は返すことなく、話しをつづけた。
「人間の感性はわからない。けれど、わかるんだ。師匠と同じだって」
「だから、協力しろと?」
「シクが嫌なら、強制はしないよ。でもね、協力しておいた方がいい」
前、ヤバいといったことと関係があるのかもしれない。こうまで協力した方がいいと強調することはなかった。
「相棒、わかった協力するよ」
そう言って部屋から出て、ゼロに報告しました。
「良く決断してくれた」
とゼロは感心してくれました。
カレンさんもやったーと喜んでいました。
場所を変え、部屋から出てゼロが気に入る図書館へ移動しました。
外に出ると意外と、兵士には見つかりませんでした。
その理由は後でわかるとゼロは言っていましたが、これも魔法の一種だと分かっていましたが、どんな魔法なのか見当がつきませんでした。
魔法は多様多種で言語や呪文が違えば、同じ魔法でも構造が変わってきます。
例えば、炎の魔法では、詠唱と呪文、言葉、陣を描く、歌など様々な方法で呼び出すことができます。
言葉では「ファイア」、「炎よ」、「燃え尽きろ」と、炎というイメージが付いた状態で口に唱えれば、炎の魔法として発動します。
詠唱は「紅き染まる炎の魂よ――」、「火の精霊が呼び覚ます――」、「火の灯火が集結しひとつなる――」など、イメージするだけでなく形としてさらに具現化させることで発動します。
言い方は様々ですが、ほとんどは同じ状態で具現化されます。
歌は特殊なもので、詠唱するのと同じですが、音程や組み合わせ次第で変わるため、威力や魔力の消耗を抑えたり増やしたりと用途を変えながら使用できます。
一種の才能者が扱える魔法として、魔法使いの中でも扱えるものは少ないと聞きます。
「紅き炎の魂よ、蒼き炎の魂よ、その者の行く先はどこにあるのか、空をさ迷い、その炎の道先を示してみよ――」、「烈火のごとく、古から伝わる炎の主よ、今こそ、我の手のひらにて、踊り狂え、そして我の言葉に答え――」といくつかの詠唱の時に使った言葉を重ねることで発揮する。
陣を描くは炎という燃える絵を描いたり、松明のように棒の上に赤い印を書いたり、炎という文字を描いたりと用途は様々だが、炎というものは必ずというほど姿を現す。
国の文化や言語が違っても、イメージが同じであれば、使うものも同じということになる。けど、大方の魔法を知っていたとしても、やり方が違えば、その魔法の本質を探るのは難しくなる。
相棒は大丈夫だと言っていた。ゼロたちもいる。
協力関係になった。なら、心配することは少なくからず減ってはいる。けど、胸のあたりがどうも熱く感じている。
町の中で歩きながら、ある場所を目指して先頭切ってゼロが歩いていた。
途中途中で兵士とすれ違う。
兵士がこちらに警戒することなく、誰かを探すかのように走って通り過ぎていく。兵士はシクという似顔絵――手配書を壁一面隙間なく張っていく。シクが通り過ぎても警戒するどころか他人のように聞く耳も答える気もないようだった。
ゼロたちが使う魔法はシクが知っているような魔法でも言語も違う。
シクが知っている魔法のなかではカレンさんが使う魔法は頭の記憶にない。同じ用途として呼び出すことはできるが、発動の違いはあるようである。
そこは魔法使いが作ったとされる魔法で作られた図書館で、鳥のように羽ばたく本、飲み水に触れても染みにならない空間、壁にスライドをさせながら移動する本棚、天地ひっくり返したかのような人々が地上と天井と歩いていました。
「吾輩が二番目にくつろげる場所だ」
ゼロは誇らしげにそう語り、今から特等席へと案内してあげるとある場所へ向かっていきました。シクやカレンさんは黙って、ゼロの後を追いました。
「師匠のテンションが変わるのは、学校と駅と図書館ぐらいです。私、テンションが高い師匠は苦手で…」
と嫌気な表情で言いました。
ゼロが気に入る場所に出向くと、そこは四角いテーブルを中央に、左右上下(天井・地上)が本棚で密集され、隙間なく本がぎっしりと詰まった不思議で不気味な空間でした。
「吾輩が唯一、わざわざ歩かなくても読むことができる場所だ」
誇らしげにそう言いますと、試しに本棚から数冊取り出し、四角いテーブルに本を横にして丁寧に並べました。
「さて、本題に移ろう」
パチンと指を鳴らしました。
すると椅子がどこともなく現れました。
まるで先ほどまで隠れていたかのように突然、具現化して目の前のテーブルに囲むように現れました。数はみっつ。ちょうどゼロ、カレンさん、シクが座れる数でした。
「では、事の発端から説明しよう」
ゼロは話した。
それはこの国に来て2か月経過した、昨日の出来事の話だ。
「ひとつの警報から周知へと切り替わった」
「何があったのです」
「殺されたのだ。惨殺だ。――しかも、ひとりふたりとはいかず、十五人殺害されていた。形状からして内側から爆発されたかのような酷い殺され方をしていた」
一冊の本を宙に浮かせ、ページをめくって見せた。
そこには昨日の記事が大々的に書かれていた。
“先日、夕刻。
十五人の死体が発見された。殺され方は様々で腕がない者、足がない者、挽肉だった者、目をくりぬかれた者と。外傷は異なるが、第一発見者である冒険者がこう発言していたことに、捜査をその少年を追うことにした。
特徴は、小柄で十代半。男の子。黒い髪に、紺色もしくは黒色のローブを身に包んでいる。魔法使いであることだと指摘される。鳥の胸を射抜くような矢が描かれた刻印を腕にはめているのを目撃している。逃走先は門がある東側へ。
今日、犯人と思しき人物を発見するが、一度逃げられてしまう。
再度、発見したとき、再び逃げ出される。犯人は仲間がおり、その仲間によって兵士たちは足止めされた。結果、犯人はこの国のどこかで待機している。
門と施設を重点的に見張り、目撃した者には、金一封を差し上げる。”
一通り見終えたあと、ゼロに言った。
「ぼくはやっていない。それに、今日、この国に来たばかりだ」
ゼロは頷き「分かっている。それは、お主を見てすでに判別している」と返した。判別? それは記事に書かれたある一行が示していた。
“鳥の胸を射抜くような矢が描かれた刻印を腕にはめている”。
シクの腕には腕輪をはめており、それを決して外すことができない魔法具であることは知っていた。
そんな事実も知らず、兵士たちが一斉にシクを狙ったのはその腕輪のことを知らないからだ。
「その腕輪は外せない。そうだな?」
「ええ、この腕輪は相棒です。それに、鳥の刻印はぼくの出身ではありません。ぼくは“鍵穴に鍵をさすような刻印”です」
シクは真剣な顔をして言った。
「知っている。シクの師匠も同じだ。刻印は一度でも刻まれたら、二度と上書きも外すこともできない。それに、鳥の刻印を見て分かったのだ」
ゼロはもう一冊の本を取り、ページを開いた。
そこには、各魔法使いが身体のどこかに刻んでいる刻印について書かれた本だった。
「いち早く、保管したんですよ。どうやら、この国はこの本を探していたようです。犯人を絞るため、本から情報を得ようとしていたのです」
それがなぜ、ゼロたちの手にあるのか、それにここは図書館だ、他のひとにも見る権利はあるはずだ。
「部外者である同じ“鳥の刻印”を持ったある男が来て、この本を処分するように申告していたのをたまたま図書館にいたときに知ったのだ。その男は小柄であるが、体系は少し大きくて太りがちだった。髪は茶色でボサボサ頭だ。その男は、どうやら、その本を早く処分したかったようだ。吾輩は、その本を利用してなにか企んでいると睨んだ。そこで、吾輩の力で本を抜き、吾輩のコレクションとして支柱に収めたのだ」
ゼロはページをめくり、ある場所を指した。
そこには“鳥の刻印”が書かれたページだった。
「討伐ギルドに指定されている。鳥を慕う者ミカヅキ」
そのギルドは聞いたことがある。
なんでも、数は多くてとても人手が足りない仕事に優先して駆けつけてくれるギルドだと。
「そんなギルドが、関係あるのですか? それに、表記がなんか…薄暗く見えるのですが…」
インクの色が抜け落ちたかのようにそのページだけ色が褪せていた。日が経ちすぎてすっかりと茶色に染まり、元あった刻印の色もすっかり抜け、黒と茶色だけになってしまっている。
「これは、当に解散しているという目印だ。つまり、このギルドは今は存在していないということになる」
ゼロは真剣にそう言い、カレンさんに視線を向けた。
「ギルドや魔法境界から契約されている刻印は、刻印を作った本人であるギルドマスターか長が解散、もしくは亡くなると刻印は消えていくのです。例外で、刻印に込められた魔力源が削られ、刻印として契約も少しずつ消えていくのです」
「結果として、刻印は消え、新たに刻印を上書きすることができる。しかし、今回の発端はこれだけではない」
ゼロはもう一冊の本を広げた。
そこには、この国に関することが書かれていた。
「“鳥を慕う者ミカヅキ”によって、魔道書を封印すると――」
この記事はこの国ができて数年後に書かれたものだった。
魔道書とは、シクもゼロたちも探している魔道書で間違いはない。
魔道書に秘められているものはどんな魔法使いでも一目は見ておきたいものである。その本を封じるという形で提供され、その日から、この国の空には地図が書かれるようになったとされている。
この魔導書がなぜ封印され、地図が浮かび上がったのかは詳細に書かれていない。ただ、その魔導書は国を揺るがすほどの力を秘められているとだけ書かれていた。
「この魔導書とこの事件とかかわりは何でしょうか?」
「この魔導書を提供したのは“鳥を慕う者ミカヅキ”ギルドマスターのミカギという小柄の女の子だ。このギルドは小柄な体系で身長も体系も成長しないという不治の病に侵された者たちが作ったギルドだ。吾輩も、当初、1か月だったが、そのギルドに所属していた」
昔話を語るかのようにゼロは本を元の位置に戻して語りだした。
このギルドとの関係性とこの事件の発端を。