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間話 リフレ王国王都冒険者ギルド長はエルフ様だった

「着きましたよ、リュージ殿。我らの国リフレにようこそ」


シャーマインの声で、俺は目をあけた。

正面に中性的なエルフのシャーマイン。

左右を盗賊のリックと戦士のアルフレッドが、俺の背後は神官のロベルトが固めてる。

がっちりガードされてるのか、逃亡防止されてるのかわかんねえな。


「ここはリフレの王都の冒険者ギルドなのか?」


「そうです。ギルドの地下にある転移魔法陣の間です」


「転移ゲート、ね」


あるある設定だな。

ゲームを進行させると、世界の拠点を瞬時に移動できるデフォルトシステムっての。


「まずはギルド長へ帰還報告をしにゆこう。リュージ殿も紹介しなければいけないし」


「そうですね。リュージ殿もそれでよろしいですか?」


「ああ、構わない」


いや、俺、救世主とやらだそうだけどよ。

リフレ王国のこと…てか世界のこと、右も左も解らないってばよ。


 リーダーのアルフレッドを先頭に、俺、リック、ロベルト、シャーマインの順で、魔法陣の部屋を後にする。

古びた石の階段を上り重い鉄の扉を開けた先は、吹き抜けの天井と大きなガラス窓の明るくて広い部屋だ。

三方の壁には何枚もの肖像画と、立派な装丁の本が並ぶ本棚がある。

その壁を背景にして大きな机に向かい、書類に埋もれて座る人物がいた。

ぁあ、この人が、いや、この方がだ。

冒険者ギルドのギルド長だと直感した。


そして、そして、そして、だ。


(爆裂バストエルフ様、キターーーーーーーッ!!!)


と、心の中でガッツポーズだ。


白金の髪、碧玉の瞳、象牙色の肌、とがったエルフ耳。

そしてゆさゆさ揺れる豊かな胸のふくらみ。


完璧だ、女性のエルフ様だ。

ワンダホー、ビューティホー、グレイト、マーベラス。

俺の脳内は、キターーーの叫びが吹き荒れていた。


「…して、私達『蒼き流星』は、リュージ殿の不思議な家を見出したのです」


俺が脳内エルフ祭りをやっている間、アルフレッドはエルフ様に報告をすませていた。

あー、まったく聞こえてなかったな。

全て黙って聞いていたエルフ様が、改めて俺を見た。

視線がばっちり合いやがった…吸い込まれそうな碧い瞳だな。


「リュージ殿と申されるか。界渡りをされし異界の人よ。

 私はリフレ王都マルクトの冒険者ギルドの長を務めるデアドリ・エリ・リフレ、よしなに頼む」


「リュージ・アズマです」


「長距離を転移してお疲れであろう。お座りあれ、アルフたちも座るがよいぞ」


このエルフ様、名前に国名が入ってるし、話し方も浮世離れしてるな。

ってことは、王族なんだろうか。

少なくとも、王家と関わりが有りそうだな。

それにしても、綺麗なエルフ様だ。

このエルフ様と出会えただけでも、異世界トリップしたかいがある。

胸のときめきと、エルフ様の胸のゆさゆさが止まらん!

体は勝手に応接セットのソファに腰掛けてる。

報告はアルフが全部やってくれてる。


俺はだまってエルフ様鑑賞会だ。


「…て、このリュージ殿がふるまってくれた食事で、枯渇していた私達の魔力が全て回復したのです」


「ふむ、確かにリュージ殿の魔力は尋常ではないのう」


「砂漠周辺の村からここまで一気に転移できたのも、リュージ殿の魔力のおかげです」


「リュージ殿のご助力があれば、マルクトの都を悩ます謎の奇病もきっと退けられます」


「ふむ、話はよく解った。『蒼き流星』の皆もリュージ殿も疲れておろう。今日はゆっくり休め。

 詳しい話は明日、ギルド評議気の前で再度聞くとしようか」


「解りました。それではまた明日、伺います」


へっ?

移動するの、ここから?

俺はこのままエルフ様、鑑賞してたいんだけど。

…だめっすか?


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