1月18日 イルカショーの見学です
おはようございます!
夜明けの海は綺麗ですね~、朝焼けで金色ですよ。
今日も追い風を受けて、プリンセス号は快調に航行中。
魔物の来襲から一夜明け、船員さんたちは交代で見張りを立ててます。
何らかの戦うスキルを持った乗客も、進んで協力しています。
もちろん私達もね。
オートマップをずっと起動させて、警戒に当たってます。
私が寝てる間も使ってるんだけど、何か異変があったら緊急警報がなる仕組みです。
この警報、聞こえるのは私だけなんだけど。
真夜中になったら、心臓に悪そう…。
私は、メインマスト天辺の見張り台の、そのとなりを飛行中。
もはや空飛ぶ女子高生大仏は、プリンセス号のテッパンです。
見張りをしてる魚の人、見ないふりしてるの、あれですけどねえ。
あ、プリンセス号の周りにイルカ的な何かの群れ出現。
海面をジャンプしながら、気持ちよさげに泳いでますね。
地球のイルカさんはとっても遊びスキーなのだそうです。
ヴァルノーラのイルカさんもそうみたい。
快調にとばしてるプリンセス号に速度をあわせて、楽しげに泳いでますね。
急降下でその群れに近づいてみました。
なんだっけ、バンドウイルカだったかな?
あれにそっくりです。
『ヴァルノーラの幻獣バンドルカ 異世界より界渡りしたバンドウイルカの子孫、魔力が高く遊び好き』
最近、渋い仕事ぶりの鑑定君が、意外な情報を教えてくれました。
チキュウって、地球のことですよね。
なんと、界渡りしたバンドウイルカの子孫だそうですよ!
そっくりさんなはずです。
幻獣ってことは、ギンさんみたいに話せるのかな。
「やほ~、バンドルカさん。お話できるのかな?」
「キュキュィ、話できるキュイ。オレたち、お礼言いに来たキュイ」
「オレたち、海竜王陛下の眷属キュイ。海に溢れた魔物、退治しにきたキュイ」
「魔物、もう消えてたキュイ。大きな魔力おっかけてこの船見つけたキュイ」
「魔物消してくれたキュイ。ありがとキュイ」
「船と泳ぐの、楽しいキュイ♪」
「キュルキュルキューキュイ!」
ざばざばざばざば。
同時にジャンプし始めたバンドルカさんたち。
そのせいで海面が沸き立ってます。
うん、結界まとってなかったら、全身ずぶ濡れ状態ですね。
楽しげにジャンプして泳ぐバンドルカさんの様子は、喜んではねる子供みたい。
船のへりから船員さんが、その様子を覗きこんでますね。
それにバンドルカさんは、私のしってる幻獣と違って話し方が幼い気がする。
地球出身のご先祖様のせいかなあ。
地球からきたバンドウイルカの子孫たち。
どんな経過をたどって、海竜王さんの眷属になったんだろう。
そんな事を考えてたら、一際大きなバンドルカさんが目の前にやってきました。
「人の仔、受け取るキュイ」
大きなバンドルカさんが、器用に尾鰭の先になにかのせてます。
「魔物退治のお礼キュイ。船の主、渡せキュイ」
お礼の品は、数個の水晶球です。
透明な球の中で、なにやら渦巻いてるような。
「気をつけて旅するキュイ」
大きなバンドルカさんは、きれいなドルフィンジャンプをしてから海中に潜っていきました。
他の群れもそれに続いて海中イン。
騒がしかったのが嘘みたいに、静かになりました。
それにしてもこの水晶なにかな?
『風の水晶球 地面にぶつけて割ると、風を呼ぶことができる魔道具』
視界の隅に流れる鑑定君情報で、内容確認、ほんと便利だね。
使いこなせるようになって、良かったと思う今日このごろです。
たいへんお待たせしました。
それにもかかわらず、ブックマーク、評価していただきありがとうございます。
やっと仕事に片をつけました…俺シカ状態をリアルに体験するとは。




