1月17日 見蕩れるだけの簡単な仕事です
黄色い無数の点が、展開中の左別画面から接近しています。
中央の画面の下に、黄色い数字がでてきました。
その数、数百。
増えたり減ったりしてるのは、ギンさんが奮戦中のせいでしょう。
「サツキ、来たにゃ!あっちに黒い影が見えるにゃ!」
尻尾を膨らませたシーリスさんが指す方向は、ギンさんの向かった方向です。。
青いはずの海が、真っ黒になってます。
その黒い海面が、蠢きながらプリンセス号に向かって直進してます。
黒鮫さんとやらがご登場ですね。
「腕がなるぞい♪」
ドワーフさんが嬉しそうに戦斧を構えなおしました。
「我が体内に宿りしマナよ。我が刃に宿りて力となせ!」
ドワーフさんが叫ぶと、全身から魔力が湧き上がって戦斧に吸収。
『ヴァルノーラの付与魔法エンチャント 体内の魔力を活性化させ、武器に宿らせて魔法の武器とする』
と鑑定君の文字情報が視界の隅で点滅ナウです。
おおぅ、これが武器への魔力付与『えんちゃんとうえぽん』ですか!
魚な船員さんたちも、それぞれの武器にエンチャントをちゃんとかけてます。
…えっと、戦いのさなかにだじゃれごめんなさいです。
「黒鮫の大群だ!気をつけろ!」
景気づけに一発、大きな魔力弾をお見せしましょうか。
「無属性攻撃魔法 魔力バズーカ砲!」
練って、溜めた巨大な魔力の塊を、黒い海面に向かって発射です。
よーし、命中、拡散だあ。
通常の魔力弾の、数十倍の魔力の塊が黒い海面で爆発し、司法に拡散していきました。
黒い水面が、命中した部分だけ青に戻りました。
「戦闘開始ぞい!」
ドワーフさんの雄叫びをかわきりに、それぞれ得意の技や魔法で黒い海面に攻撃開始です。
「斧旋風!」
ずんぐりした体を回転させ戦斧を振り回し、魔力を帯びた衝撃波で魔物を攻撃。
さすが怪力ドワーフさん、見事に魔物を消滅させてますね。
思わず見蕩れちゃいました。
遠距離攻撃で数を減らしてるけど、魔物の群れはどんどんプリンセス号に接近してきます。
ギンさんが黒鮫と言ってた魔物は、ほんとに鮫そっくり。
体は真っ黒で目が金色だけどね。
金色の目は魔物に共通なんだそうです。
黒鮫は脅威のジャンプで、プリンセスの上空を飛び越えていきます。
もちろん対魔結界の中には侵入させてませんけどね。
接近戦になると、ガチバトルです。
シーリスさんは両手にカトラスを装備して、八面六臂の大活躍です。
素早い動きと魔力をのせた刃の一撃で、結界外の黒鮫を四散させてます。
彼女の戦う姿は剣舞のようで、ついつい見蕩れちゃいます。
。
戦斧のドワーフさんも負けていません。
自由自在に戦斧を操つり、斧旋風で黒鮫を屠っています。
そのあまりな見事さに、ついつい見蕩れちゃいます。
半魚人さんも、カトラスやトライデントで確実に黒鮫の数を減らしてます。
リグリアス船長さんは、ビューティフルなレイピアで優雅に戦闘中。
一撃必殺の突きで、結界外の黒鮫を消滅させてます。
優雅な戦い方に、ついつい見蕩れちゃいます。
見蕩れすぎて、仕事してないんじゃ疑惑かけられそうね。
私は大仏スタイルマシンガン、やってるんですよ。
プリンセス号の周りを旋回しながら、黒鮫を殲滅してたんです。
…さぼってたんじゃないからね。
黒かった海面が、青い海面に戻って来たころ。
ギンさんがプリンセス号に戻ってきました。
「サツキ、黒鮫の群れは滅したようぞ」
オートスキルマップの画面で、黄色の数字がゼロになってるのを確かめてっと。
「うん、もう殲滅したよ」
「大事ないか?」
「もちろん」
結界中のプリンセス号のみなさんは、たいした怪我もしてません。
足を滑らせたり、誤って海に落ちたりした怪我人はいるけどね。
「魔物が活性化しておるの。やはり獣人領域外でも同じぞ」
「その調査のための指名依頼なんだろうね」
「竜王陛下も吾にそう申しておったぞ」
目的地のリフレまで、あと5日の船旅です。
気を引き締めていかないとね、ギンさん。
お待たせしました。
更新が滞り気味ですみません。
PC不調の波高し^^:
買い替えを検討すべきでしょうか…><




