1月15日 魚の街でドワーフさんと接近遭遇
すっかりおなじみになった浮遊感、それに続く落下感。
この感覚を真似っこしたら、私も転移魔法つかえるかもですね。
さて、魚人の街についたようです。
空気に潮の香りがします。
潮の香りといえば海です。
久しぶりの海、新鮮な刺身にサザエの壷焼きです。
蟹や海老の舞い踊りに、イカとタコの踊り食いですよ。
海産物どんとこいな日本人でよかったな♪
「サツキ、よだれじゃ」
とっても冷静なギンさんの指摘に、ちょっと赤面する私。
妄想がリピドーに成長して、脳が活性化してあれなのですよ、あれ。
自分でなにいってるのか、意味がわかりません。
「お腹すいたのにゃ」
シーリスさんがナイスフォローです。
ところでここは魚人の街のどこなんでしょうか?
「ここは魚人の街冒険者ギルドの地下ですよ、サツキさん」
そう声をかけてきたのは、転移魔法陣のそばにいた魚の人です。
穏やかな雰囲気で、きっとポンペイモスさんより年上って感じかな。
ところで、どちらさまでしょうか?
魚の人たちって、どうにも見分けづらいのです、人族としては…。
「評議会以来ですね、人族のお嬢さん」
ああ、獣人領域冒険者ギルド評議会で、冷静な対応してた半漁人さんですね。
「ようこそ魚人の街へ。私は冒険者ギルドの長、プリペイモスです。
リフレ王国に向かう船の手配はできていますよ。
一休みしたら、案内しましょう。それまではギルドでお過ごしを。
昼食をいっしょにいかがですか」
「「にゃあ、よろこんで!」」
見事に私とシーリスさんの声がはもりました。
ギンさんが小さく首をふってたのと、プリペイモスさんがにやっとしてたの。
見なかったことにしときます。
魚の街の冒険者ギルドには、いろんな種族の冒険者がいました。
いろんな獣人の見本市会場のようです。
ドワーフ、きっとドワーフな人までいます。
モサモサ髭に大きな斧を担いだ、樽みたいにずんぐりした背の低い人ですもの。
初めての獣人以外の種族、ガン見しちゃいました。
そのドワーフさんも、私をガン見してますけどね。
視線がばっちり合いましたから。
「ほほぅ、魚の街で人族に出会うとは珍しいぞい」
「こんにちは~」
と、日本人秘奥義、愛想笑い発動です。
「嬢ちゃんも冒険者か?気をつけて依頼をこなすんじゃぞい」
「ありがとうです」
先輩冒険者としてのアドバイス、初ドワーフさんにいただきました。
異世界にきて良かったなあ。
そのドワーフさん。
私の周りに魚人のギルド長と、シグムンのギンさんがいるのを見て目を剥いてましたけど。
ランチはギルドに併設の食堂でいただきました。
そこは海に面したオープンカフェ仕様で、港に停泊してる何十隻もの帆船が見渡せます。
海からの潮風が、とっても気持ちいいですね。
ランチメニューは新鮮な魚のカルパッチョと、焼きたのパンにブイヤベースです。
二度の転移をしてきたせいか、私もシーリスさんも空腹マックス。
並んだお料理は、全部お腹に移動していきます。
「ふむ、サツキの魔力は旨い者を食すと美味になりおる」
私の魔力で食事してるギンさんの感想です。
私が美味しいって満足したら、ギンさんも満足してるんですね。
やはり異世界グルメははずせませんよね、ギンさん?
船の旅は七日間です。
その旅を楽しくするためにもね。
魚の街でも、お買い物しなきゃです。
出航の時間まで、グルメツアー決定ですよ。
「シーリスにゃん、腹ごなしにおか…さんぽ行きましょ」
「にゃ、賛成にゃ。出航までまだまだ時間ありますよね」
「ありますよ。お若い方は元気がありますね。シグムン殿」
「しかり。吾は行かぬぞ、気をつけよ」
「解ってますって」
「主が解っていたためしはないわ」
ぼそりと呟くギンさんの声、聞こえなかったことにして外出です。
魚の街の名産は何かな?
今日の更新、間に合いました^^:




