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1月5日 猿の人の召喚状

 猫の街冒険者ギルド長にして我が友。

その名をハリィケルンといいます。

白地に黒の斑模様、きれいなグリーンアイズにふさふさの黒くて長い尻尾。

誠実でとても優しいハンサムな猫さんです。


 そのハリィケルンさんは、ギルド長執務室で書類に埋もれてました。

開いたままの執務室のドア、そこから彼の姿は丸見えです。

魔物襲来で多くの犠牲をだした猫の街は、復興への歩みを始めたばかり。

仕事は山積み、問題も山積みです。

昨日のフィリップ氏魔物堕ち事件だって、解決したわけじゃありません。

そこに届いたのが、冒険者ギルド評議会の召喚状です。

まだ初級冒険者にしかすぎない私を召還してるそうですよ。

召還理由は、まだわかりません。

ヴァルノーラにトリップしてから、事件ばかりに出会ってますけども。

猫の街で登録した冒険者としての依頼達成は、滋養強壮効果のあるクローバー採取ぐらいなんだけどなあ。

執務室のドアをノックして、中へ入ります。

トルナ嬢とギンさんもいっしょです。


「おはです、ハリィさん」


「サツキさん、昨日はほんとにありがとにゃ」


「お礼はもういいよ。それよりも召喚状ってなんでしょうか?」


「にゃ、これにゃ」


ハリィさんが手にしてるのは、きれいなブルーの八面体のクリスタル。


「これは、簡単に言えばトラベリングストーンみたいなものにゃ。

 映像と伝言を記録して、相手に届ける魔道具にゃ。

 今朝、獣人領域冒険者ギルドの評議会から届いたにゃ。

 トルナ、ドアを閉めてくれにゃかな?」


「にゃ」


トルナ嬢がドアを閉めてから、ハリィさんは執務室に防音結界をはりました。

その後、ブルーの八面体に魔力を通して記録を再生させます。

ハリィさんの座る机と、私とギンさのいる空間に3次元映像が現れます。

青みがかった見事な毛並みの、年をとった(…と思う)お猿さん登場です。


おおぅ、リアルプラネット○イプです。


「猿の街冒険者ギルド長シルバから、猫の街の新たなる冒険者ギルド長ハリィケルン殿へ挨拶を送る』


シルバさんの映像、ここで優雅に礼をします。

風格のある猿の人ですね、ダンディなロマンスグレイでしょうか。

ところで、ロマンスグレイの意味、誰かわかりますか?


『こたびの猫の街の災厄、まことにお見舞い申し上げる。

 心より犠牲になった猫族の勇者たちに哀悼の意を…永久に安らげるように。

 さて、ここからはギルド評議会の代表として話をいたす。

 先の災厄で活躍した人族の初級冒険者サツキ・クマガイを猿の街へ召還したい。

 この召喚状が届いてより四日の後、この青い転移石を使って我が街へ来られたし。

 その時はハリィケルン殿、竜王陛下の眷属、シグムンのギン殿もご一緒に。

 それではご来訪をお待ちしている』


再び猿の人が礼をした後、映像は流量しました。


「…体育館の裏庭に呼び出しじゃない、残念、テンプレシチュだと思ったのになあ」


「てんぷらしちゅー、とは?」


「いえ、なんでもありません。ハリィさんもギンさんも召還されてるんですねー」


「そうなのにゃ、ギルド評議会の召還は避けられないにゃ」


ハリィさんは私とギンさんを見つめ、懇願するように言いました。


「竜王陛下の眷属であるギン殿まで召還とは思わなかったにゃ。

 無理を承知でお願いなのにゃ、ギン殿も…」


「弟子の行くところ、吾も行く。案ずるな、長よ」


弟子と師匠は一心同体。

友と私も一心同体。

ハリィさんと私とギンさんは一蓮托生です。

泥舟に乗った気持ちで、どんと構えてくださいませ。


あれ?

熟語の使い方、まちがってるような気がしないでもないような。


とにかく四日後は、猿の街へいくようです。

リアルプラネットエ○プな世界です。

希望としては、小さなリスザルなお猿さんをみたいですねえ。

北国のふさふさもふもふな日本猿さんとかもいいなあ。

温泉でもふもふとか…。

夢は新たなもふもふへ。レッツゴーですね。

今日の更新です。


日本猿の温泉映像に癒され中w

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