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1月3日 平和な一日です


 おはよーございます。


 お正月三が日も今日で終わりです。

留守電にとーさんがメッセージを吹き込んでました。


「銘酒コレクションが飲めなくて、父は悲しい」


と、寂しそうな呟きです。

背後に「何、馬鹿いってるんです?」とかーさんの突っ込みつきです。

変わらず仲がいいんですね、とーさん、かーさん。

私がヴァルノーラへトリップした当時の焦燥感、だいぶ薄れたみたいです。

心配はしてるけど私が元気にしてること、親の勘で察してるのかな。

私は元気だけど、銘酒コレクションは既に危機に直面してます。

守りきれる自信ナッシングな自信があります。

諦めてね、とーさん。


 朝食に私から魔力を補給したギンさんは、森の見回りに出かけました。

その間に、私は家中のお掃除ナウ。

宴会大魔王兼ヨッパ大王が光臨したので、家の中が散らかってます。

陛下があけたビールの空き缶、ウィスキー、ブランデーの空き瓶。

全部中身をキレイにして分別しなきゃいけません。

や、しなくてもいいんですよね。

ここは異世界ヴァルノーラ。

日本の東京じゃないですから。


 空き缶はわかんないけど、空き瓶は売れるかもです。

ハリィさんとトルナさん、ブランデーのガラス瓶を見てすごく感心してまし。

そういえば、去年渡したワインのガラス瓶にもめっちゃ反応してましたね。

中を水で洗って、猫の街に行くときに持っていきますか。

掃除機をかけつつ、洗濯開始。

今日は天気もいいから、お布団も干しましょう。

ついでだから、とーさんたちのとにーちゃんのも干してあげましょう。

日本に帰ったら感謝してね。

異世界のお日様の香りつきにしたんですから♪


 ベランダから見える森は、鮮やかな緑の濃淡が心地いいです。

東京ではできない自宅で森林浴、癒されます。

時々、よく解らない動物の鳴き声は聞こえるのはあれですけど。

お昼ごはん食べたら、日光浴もかねてクローバーの採取でもしましょうか。

怪我が治った猫さんたちは、滋養強壮効果のあるこの薬草が必要だし。

春まっさかりの今が、一番薬効が強いのです。

もともと、この森の空き地はクローバーの群生地だそうです。

そのど真ん中に、私の家はトリップしてますからね。

さてっと、お昼はなににしましょうか?

陛下は食べ残したハムを焼いて、黒パンにはさみますか。

粒マスタードを塗って作った黒パンハムサンド、ピリ辛で美味しいです。

今日はホットミルクティー。

昼下がりのまったりした午後です。


 久しぶりに一人っきりです。

ギンさんとほぼずっと一緒だったから、なんだか変な感じです。

もふもふ探しに森の探索に出かけて、ギンさんと出会ったんだよね。

で、リザードマンさんや、ハリィさん達、竜王陛下達とかに会って。

異世界トリップして、一ヶ月にもならないけど。

ほんといろいろありました。

私はまだ純粋な人族をみてません。

ファンタジーに必須な、エルフさんやドワーフさんも見てません。

それどころじゃなくて、すっかり忘れてました。

ギンさんにとって「人」は、竜王陛下の庇護する領域の獣人さんたちだし。

人に会わなくても、困らないといえば困らないですけども。

猫の街の復興も、一段落ついたことだし。

一度、ハリィさんに相談してみようかな。

ヴァルノーラの人族にあうには、どうしたらいいのかって。

そそ。すっかり忘れてたけど。

魔力鑑定で同じ無限大の印をだした人がいました。

「界渡りの大魔道師」ってのも気にかかります。

私と同じ日本からトリップしたのかもしれません。

一度、会って話してみたいですね。

これからの目標も決まったかな。

ではでは、クローバーの採取を始めましょうか。

ふっふっふっ。

玄関あけたら二分で依頼完了の、簡単なお仕事なのですよ♪


 夕暮れ時にギンさんが戻ってきました。

同じ幻獣のシグムンさんを連れてます。

ギンさんより小柄で、ほっそりした灰色のもふもふさんです。

色合いの違うもふもふさんが、いつもの二倍ですよ、やったね!


「森を見回り中に出合った吾と同じ竜王陛下の眷属ぞ。

 サツキに挨拶をしたいと申すゆえ、連れて参った」


「お初に御目にかかります、異界の人の仔よ」


「初めまして、えと、お名前は?」


「トキと申します。まことに見事な魔力をされておりますな」


「ありがとうございます。どうぞ中へはいってください」


「いたみいります、人の仔よ」


なんだかとっても丁寧なシグムンさんです。

しなやかな身のこなしで、玄関のドアをくぐります。

ギンさんの動きが狼だとしたら、このシグムンさんは狐のような印象です。


「サツキ、森の中にもほとんど魔物の姿は見えぬ。

 しばらくは誰もが安心して暮らせそうじゃ」


「ほんにギン殿の申すとおり、影もみえませぬよ」


「なれど油断はできぬぞ」


「そうですね」


ゆったりと座って、頷きあうギンさんとトキさん。

色違いの三本尻尾をゆらめかせ、まったりとした様子です。

元旦と二日は竜王陛下にふりまわされたけど。

最後の三日は、念願のもふもふさんを眺めつつ終わろうとしてます。

うん、明日からまた頑張りましょう。


……今晩は。

ゴッドハンドマッサージスキルで、トキさんをゲットするが目標ですね。


本日の更新です。


ブックマーク、ありがとうございます^^

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