1月2日 源を見てみたいです
すねてどよよんな竜王陛下の存在があれなので。
問答無用の、魔力を全力解放いたします。
もってけドロボー、な状態です。
陛下のお住まいあそばす洞窟の中、私の魔力が溢れ渦をまいてます。
ギンさんとの修行の成果で、魔力の流れが見えるようになりました。
全力解放したうねり渦まく魔力の波に、私自身が圧倒されそう。
「サツキ!」
巨大化したギンさんが。私を支えてくれました。
「怖いよ、ギンさん」
「まったくお主は無茶をする」
魔力の密度の濃さに、負けそうです。。
魔力が無限大ってのは、こんなにも凄いことなのかって。
私はこの時、初めて自覚したのです。
どよよんととぐろをまいてた陛下ですが。
解放された魔力の渦を見て歓喜してます。
色あせてた鬣が勢いを取り戻し、紅い鱗にも金色の艶が現れました。
すねてたどよよん陛下、どこいった?
「嗚呼、嗚呼、これは源と同じぞ。皆も食すがよい。源の力、始原の炎ぞ」
長い体をくねらせ、魔力の渦に突進してます。
恐怖とかそんなの、一切感じてないようです。
渦の中心部で、長い体をくねらせ8の字を描いています。
その姿は無限大の印のようで、なんとも複雑だなあ。
「「「陛下に続け!」」」
赤毛連盟の皆様も、見事な結団力をみせ陛下に続きます。
いくら広い洞窟とはいえ、さすがにドラゴンの体に戻ったりはしませんけどね。
マッチョな赤毛のイケメン集団が魔力の渦と戯れる図ってね。
凄まじい自分の魔力に、恐れを抱いてたシリアスな私。
全部ふっとばすのに、効果抜群です。
うん、怖がってもしかたないのです。
これが今の私なんだから。
私の魔力を吸収して狂喜乱舞する東洋の紅い龍と、赤毛連盟のイケメンドラさんたち。
とりあえず彼らに向かってさけんどきましょう。
解放した魔力の主としては、聞く権利あると思いますから。
「私の魔力は美味しいですか~~?」
「美味ぞ、誇るが良い、人の仔よ」
「「「是」」」
さいですか、よれはようございました。
※※※
今、私は火炎山の源を見ています。
全力解放した魔力をお食べあそばし、人の姿になった陛下は超ハッピーなご様子でした。
魔力のお礼は何がいいかと、陛下に聞かれたので。
「源が見たいです」
と応えてました。
言葉がするりとでてきました。
なんでだろう?
源が陛下で、陛下が源とか。そんな話聞いたせいかな?
「よかろう、吾についてこい。ギンも同道せよ」
陛下は立ち上がって、洞窟の奥へと歩きだしました。
波打つ長い髪が、まさしく炎のように輝いています。
灯りいらずな、便利な髪ですね。
洞窟は奥にいくに従って、魔力が強くなるようです。
その魔力の印象は白熱する高温の炎。
画像検索でみた、太陽のプロミネンスみたいな…。
「この奥に、火炎山の源に通じる深い穴がある。
そこから源が見えるぞ。吾はそこで生まれ、吾として在った。
吾は火炎山に最初に在りし龍であり、最後の龍ぞ。
火炎山の源が消えるとき、吾も滅す」
「我が君、不吉な言の葉は災いを招きますぞ」
「ギン、細かきことを気にするな。禿げるぞ」
陛下、ギンさん以外の眷属って、ほんとはいないんじゃないかって。
そんな疑いが生まれても、しかたないと思いませんか?
「ついだぞ、人の仔よ。源ぞ」
立ち止まった陛下が示したのは、洞窟の床部分です。
そこには穴があいてました。
深い深い穴です。
穴の底にあるのが、源。
陛下や火炎竜種のドラゴンさんを生み出した源です。
それは白熱し、全てを焼き尽くす、始原の炎。
強大な魔力を帯びた、炎そのものです。
「…綺麗」
「うむ、源の始原の炎は美しかろう」
「陛下、でも、ほんのすこし、陰りがあるような…」
「ふむ、見えるか、人の仔よ」
「はい、なんでかな?」
「それはな」
竜王陛下が、にやりと笑ってみせました。
「始原の炎、源が変化しはじめておるからぞ」
遅くなりました、今日の更新です。
立春…いよいよ春らしいですが、どこが春なんでしょうね^^:?
風邪には気をつけましょう。




