12月16日 いせかいとりゃっぷしたようです。
明日はお外に散歩にいかせなきゃねえ。
玄関でうずくまってたら、心臓の音がすごく早くなってます。
それに合わせて呼吸も荒くなってきました。
眩暈と吐き気と、なんか嫌な汗もでてきたし。
おおぅ、パニック、キタコレ~~~~!
よし、よし、よおし、私!
落ち着け、私。
まずは深呼吸ですよ、深呼吸。
せーので、深呼吸です。
すってー、はいてー。
すってー、はいてー。
すってー、はいてー。
うむ、心臓音がゆっくりになってきました。
深呼吸、すごいな、効果抜群。
パニックから立ち直ったところで、ゆっくり立ち上がりました。
目をつむって、ドアノブに手をかけます。
もう一度、ドアをあけて。
外が森になってるの、確かめました。
目の前をうさぎが一羽、横切っていきました。
ちょっと離れたとこで立ち止まって、じっと私を見つめています。
「…!!」
小首をかしげて、つぶらな瞳がうるうるしてます。
ひげの生えたお鼻、ぴくぴくしてます。
まあるい尻尾はふわふわのもふもふです。
めっちゃカワイイです。
カワイイは正義、正義はカワイイなのですよ。
たとえ、ウサギの毛が「水色」でもね。
いせかいとりゃっぷって。
…異世界トリップの事だなと。
去っていくカワイイ正義を見送りながら、悟りました。
怪しいメッセージは、異世界へようこそってことなんですね。
アップデートの特典…異世界トリップのことなんですね。
「…テンプレすぎ~」
そして、私の朝マッ○は、当分お預けなのですね。
※※※
腹が減っては戦ができぬ。
偉大な先人の言葉に従って、まずは朝ごはんです。
カップスープ、トーストとヨーグルトにあったかいカフェオレ。
いただきま~す。
そうなんです。
電気もガスも水道も、使えるんですよ。
それだけでもラッキー♪
ほら、よくある異世界トリップのラノベだと、たった一人で森の中とか。
ダンジョンにワープアウトとかでしょ。
お城の地下や神殿に召還されて、魔王を倒せって旅にいかされたりね。
自分の家ごと異世界トリップって、どんだけラッキーか。
衣食住がとりあえずは安心って、すごいじゃないですか。
そだ、ご飯食べたら、ケータイと電話がつながるか確認してみよう。
確認結果です。
通信、全部アウトでしたorz
ケータイは圏外。
電話はどこにかけても、ツーツー音しかしません。
PCでネットは見れるのに、メール送信できません。
受信できるのに、ひどくない、これ?
ネット掲示板にも書き込みできないんだよ。
どんな基準なんでしょうね。
あっち側になにか知らせる手段、今はないみたいです。
さすが異世界法則、理不尽です。
まあ、いいです。
いつまでこっち側で過ごすのかわかりません。
次は食べ物がどれだけあるか、確認しなきゃ。
お米とお味噌とお茶の葉がないのは…ほんとに残念。
そういえば。白いご飯、昨日から食べてないよぉ。
冷蔵庫、キッチンの調査結果です。
結局、まる一日かかりました。
お米、三合くらい。佐○のご飯パックが一個。
お味噌、少しだけ。
醤油、少しだけ。
お茶の葉…無し。
紅茶と珈琲はたくさんあります。
その他、塩とかコショウみたいな調味料、野菜は大丈夫。
二週間ぐらいは、余裕で暮らせます。
冷凍食品もけっこうあります。
びっくりしたのがお砂糖です。
1キロの上白糖が10個もありました。
かーさん、どっかで買い占めたのかな?
後は、お歳暮が山になってるけど。
中身の確認は明日にします。
それじゃ、おやすみなさ~~い。