間話 界渡りの大魔道師はエルフ様がお好き
緑の髪のほっそりしたエルフ様は、エルフ様は…。
…男だったよ、チックショーメ。
エルフ様爆裂バスト伝説は、伝説のままなのかよ!
いや、希望捨てるのはまだはえーよな。
異世界生活、二日目なんだからよ。
俺は東竜司。
名字の読みはアズマじゃなくヒガシな。
来年は成人式にでる年だ。
実家暮らしで。両親と弟の四人家族だ。
ただいま趣味に勉学にアルバイトと、大学生活満喫中。
長い受験戦争を現役で突破済み。
氷河期よりましになった就職戦線は、もう少し先なお年頃だ。
…でだ。
俺は今、異世界にいる。
や、マジよ、マジ。
別に厨二病を発病したわけじゃねえ。
怪しいゲーム画面をクリックして、寝落ちして。
気がついたら異世界トリップしてたんだ。
両親が法事で留守、弟は部活の合宿中ってわけで。
俺は一人で留守番していた。
まきこまれたのが俺だけで、まあよかったなと思ったね、
自宅ごとトリップってのも、昨今のラノベじゃよくあるパターンだ。
ライフラインが使えて、ネットもTVも見れるってのは新しいかな?
電話やメールだけアウトってのは、痛すぎる。
日本じゃ、家ごと消えたってんで大騒ぎになってる。
似た様な事件があって、そっちは女子高生が行方不明になってるそうだ。
マスコミはそっちメインで騒いでるな。
むさい男子大学生より、かわいい女子高生のほうが視聴率もあがるんだろう。
とにかくだ。
バイトに行こうと玄関あけたら外が砂漠だったわけで。
不貞寝した翌朝、異世界の冒険者ご一行様が俺の家をご訪問なさったってわけだ。
その中に性別不明の「エルフ様」がいてよ。
浮かれた俺は爆裂バスト伝説にワクテ…げふんげふんで冒頭に続くなんだが。
エルフ様はともかく、行き倒れ寸前だった冒険者ご一行様は、水を欲しがった。
水道繋がってるし、水なんぞいくらでもってんで、分けてあげた。
飢えてるみたいだから、カップ麺を食べさせた。
ついでに汚れまくってたから、風呂にも入らせた。
着てた服も全部洗濯だ…臭いのはカンベンしてほしい。
日本じゃ当たり前な生活は、彼らにとってすげえ魔法に見えたらしい。
「いろいろと助けていただき、ありがとうございます。
あなたは上位魔法世界から界渡りされた魔道師様ですね」
って、パーティ代表の戦士アルフレッドに言われちまった。
や、俺はただのオタク系大学生なんだが。
彼らがいうには、ここはヴァルノーラっていう世界らしい。
冒険者達は全員男で名前は、盗賊がリック、神官がロベルト、残念な男エルフがシャーマイン。
急激に砂漠化が進むリフレって国の冒険者なんだって。
怪しい発光現象がみられた砂漠地帯の調査中、激しい砂嵐にあって遭難。
彷徨ってる最中に、緑豊かな庭付きの家、つまり俺の家を発見したんだと。
「このような砂漠の真ん中に、樹木に囲まれた強力な結界のある家があるとは。
ご馳走していただいたかっぷめんなるものも魔力にあふれてました。
弱りきってた私達も、魔力、体力、気力、すべて回復して元気いっぱいです。
リュージ殿はまちがいなく、上位世界の魔道師ですよ」
と、目をきらきらさせて俺をみるアルフレッドたち。
あれか、異世界トリップものにありがちなチートか?
そういえば、まりょく、たいりょく ∞とかだったな。
つまり、俺はこの世界の勇者になるってことなのか?
いやいやいや、よくあるラノベじゃあるまいし、考えろ、俺。
浮かれて暴走したら、ろくな目にあわねえぞ。
と、あれこれ考えてたら。
「リュージ殿、そのお力をみこんでお願いがあります」
アルフレッド達が、居住まいを正して頭下げてた。
「どうか、俺たちの国をあなたの魔力で救ってください」
をい、救世主依頼、きちゃったよ、これ。
俺はただの学生だってばよ。
原因不明の病気が蔓延するリフレ国を、救ってほしいんだと。
病を癒すには、、魔力あふれる食べ物、飲み物が必要なんだと。
俺は全身から魔力があふれてるらしい。
そのあふれる魔力を、食べ物、飲み物に注いで病人に食べさせればオッケーなんだと。
これも何かの縁なのかもしれないな。
俺がトリップした翌日に、アルフレッドたちに会ってさ。
たまたま彼らの国が困っててさ。
俺のあふれてる(らしい)魔力があればオッケーでさ。
…いっちょ、救世主、やってみるか。
どうせ、年末のオタク祭典にもいけそうにないしな。
「わかったよ、俺で役にたつなら」
「リュージ殿!」
「ところでさ、シャーマインさん」
俺のTシャツきて、感動してるエルフ様に俺は聞いてみる。
とっても重要な質問だ、俺のやる気にかかわる大事な質問なんだぜ。
「なんでしょうか?」
「君には姉妹はいるのかな?」
「はい?」
爆裂バストエルフ様の伝説は、あきらめてないんだぜ。
昨日、投稿したはずが、投稿されてなかってばよorz
私の投稿操作ミスです、ごめんなさい。
夜にまた一話投稿します。




