12月22日 ゲットしたのかされたのか解りません
今日のお話です。
PVが伸びてます。ありがとうございます^^
竜王陛下が去ったダイニングルームは、それはみごとな大惨事。
4人がけのダイニングテーブルも、32インチの液晶TVも、飾り棚も全壊です。
飾り棚にあったとーさんの銘酒コレクションもパー。
そりゃそうですよね。
私もギンさんも、龍化してみっしりつまった陛下に押しつぶされかけたもの。
家具だって無事なわけあるかい、です。
床が抜けなかっただけ、幸いなのかもしれません。
「部屋がめちゃくちゃだよ。どうしようか、ギンさん」
「ふむ、我が君の不手際は、吾の不手際と同じ。吾がなんとかしようぞ」
「なんとかなるの?」
「大事無い、まかせるがよいぞ」
ギンさんは、大惨事なダイニングルームの中心に陣取りました。
しばらく目を閉じて集中。
おおぅ、ギンさんの全身を光の粒子が飛び交ってるのが見えます。
とっても綺麗です。
これが魔力が視えるってことなのですね。
魔力を練りまくったから、視えるようになったみたい。
「サツキよ、これが時戻しの魔法ぞ。よくみておけ」
「はい」
時戻しの魔法ですか。
なんかすごい魔法みたいです。
よーく見て覚えますよ、ギンさん!
光の粒子は、ギンさんの3本の尻尾の先まで行き渡りました。
全身が光るシグムンとなったギンさん、まさしく幻獣です。
なんともファンタジーですね。
「形あるものよ、魔力を宿せし形あるものよ、しばし時を戻せ。
吾の求めに答えよ。時を戻し、吾の声に応えよ」
ギンさんが言葉を紡ぎ、全身にまとった光の粒子を部屋中に放出。
まばゆい光が視界を充たし、眩しさで目がくらみました。
ようやく光がおさまったころ、私の目がみえるようになりました。
ダイニングテーブルの上に鎮座するギンさん。
両前足をそろえて、まるでお座りしたお稲荷さんのようです。
3本の尻尾を揺らして得意げです。
すこし疲れたみたいだけど。
おあげさん、お供えしたほうがいいのかな?
ああっ、ダイニングテーブルは巨大化陛下に壊された筈です。
液晶TVも、とーさんの銘酒コレクション入り飾り棚も大惨事でした。
すごい、全部、元通りになってます。
…そうですか、これが「時戻し」なんですね。
「ギンさん、すごい、すごいよ!ありがとう」
と、大絶賛な私の様子に、ギンさんは尻尾を振って応えました。
そしてテーブルの上でごろりん。
期待に満ちた視線を投げかけてきます。
両耳をぴくぴくさせて、とてもお可愛いらしいご様子にございます。
ギンせんせ、ゴッドハンドマッサージ、御所望なのですね。
ついでに私から、魔力補給する気なのですね。
仰せのままに、我が君。
私がギンさんをゲットしたのか。
私がギンさんにゲットされたのか。
どうにも判別のつかない日となりました。
ちょっと早いけど、お休みなさいませ。