始まりは間違いなく12月15日 曇り
今日の二話目、投稿~
キーンコーンカーンコーン~
キーンコーンカーンコーン~
「ああ…かくて運命の鐘がなる」
ばったりと机に上半身を伏せ、私はシャーペンを投げ出した。
一番後ろに座ってる生徒が、解答用紙を集めて先生に渡す。
とりあえず、全部埋めました、解答欄。
私、頑張ったよ!!
にーちゃん、カテキョー、ありがとーです。
期末テスト終了、とにかく終了。
明日からは楽しい冬休みです。
成績表とテストの結果が私の手元に戻って来るのは。
…12月24日のクリスマスイブ。
なんで終業式とイブがいっしょの日なんだろうね。
って、考えるとちょっとくらくらするんですけどね。
でも、でも、でもなのです。
それまでは、何もかも忘れてゲームするもんね。
積読してた、ラノベと漫画、読むもんね。
録画したアニメ、視るもんね~。
…なあに、そこの君。
それって、オタクじゃねーの、って言いたい?
「So What?」
某銀河伝説アニメの、最強セリフをお返しします。
あ、これ教えてくれたの、とーさんです。
私はイジメも受けてないし、勉強はそこそこだし。
運動神経だって普通で、友達もいます。
そりゃ、彼氏いない歴イコール年齢だけどさ。
でも、人生、別に困ってないよ。
好きなものが二次元方面ってだけですよ。
同じ趣味の子は男女とも学校にいるし。
ほんと、それがどーしたなんだよね。
とか、ぐるぐる考えてたら、幼馴染のカナミが声をかけてきました。
「サツキ、お昼、どーする?」
「うん、お腹、へったー。ドルメンのワッフルセット、みんなで食べたい~」
ドルメンは、うちの学校の生徒たちがごひいきにしてる可愛いカフェです。
メガネの似合う二枚目マスターお手製の、自家製ワッフルが名物。
ワッフルに添えたいろんなジャムと甘さ控えめのホイップクリームが、すご~~く、すご~~く。
オ・イ・シ・イ。
考えただけでお腹の虫が元気に鳴いてます。
脳が働くと、糖分を必要とするのだよ、諸君。
ダイエット、ナニ,ソレオイシイノ?
甘いものひゃっは~ですよ!
「じゃ、みんなでドルメンでテスト終わった祭だね~」
カナミは笑顔でサムアップ。
同じく私もサムアップ。
最速で目指せドルメン。
攻略対象は、ジャムとクリームのワッフルセット☆
でないと、うちの生徒であふれてしまうのですよ、店内が!!
※※※
打上祭に参加したのは、私とカナミ。
あと、隣のクラスの同好の士。エリとユウキの4人です。
カナミと私は幼馴染で、エリとユウキとは、高校で出会いました。
エリとユウキは、中学から付合ってるカップルです。
二人が知り合ったきっかけは、とあるMMORPGでのチャット。
オフ会で同じ街に住み、同じ年齢だとわかってすぐに仲良くなったそうです。
それから付き合いだしたんだって。
入学式で私とカナミは。そのMMORPGの話をしてたんだけど。
…はい、そこ、オタク言わない~。
で、いきなり話にまざってきたのがこの二人。
とあるダンジョンの中ボスモンスター攻略に苦労してるってのを聞いて、ついつい割り込んじゃったんだって。
で、いろいろ話して、同じくらいのレベルとバランスのとれた職業なんで、パーティを組みました。
以来、仲のいい友達として今にいたるってワケ。
「でさ、夜中の12時にアップデートするっしょ?ログインして冒険しねえ?」
ユウキは開口一番、そう誘ってきました。
「ん~、でも、テスト終わったし、私はぐっすり寝たいよ、ユウキ」
ジャムの種類が違うワッフルセットを注文して、エリとユウキは半分取替えっこ。
二人で二倍おいしい~ですね。
エリの口元についたジャム。
さりげなく指でとって、そっとなめるユウキ。
ウウッ、リア獣め…。
エリ、そんなケダモノの誘いはふってよ~し。
「あたしも今日は予定があるから駄目だなあ、ごめんね、ユウキ」
幸せそうに苺ジャムのワッフルを食べながら、カナミもそう告げます。
「私はいいけど、ユウキとじゃ攻撃しかいないっしょ。
今夜はパスでいいんじゃない?」
ユウキは騎士、私は侍。
回復職、魔法職のいないパーティの冒険って、悲惨ですよ。
「そっか、まあ、アップデートした直後って、人多すぎだし、
また今度ってことでいっか」
ユウキも強くは誘ってきません。
「アップデート直後にログインしたら、抽選で特典が当たるって噂だけどね。
俺達、ラック高くねえしな」
って、ぼそりとつぶやいたきり、話は他の話題に流れていきました。
冬休みにどこか遊びにいこうとか、初詣はどうするとか、ね。
もちろん、カップルフラグなクリスマスとか、初詣とかのイベントはね。
私もカナミも、都合が悪いってことにしましたよ~。
ただ…。
アップデート直後にログインしたら、特典が当たる。
ユウキのこの言葉が、妙に私の耳に残ったのは。
…魔がさしたのか。
それとも運命だったのかなって。
あとになって思いました。