12月20日 そしてやってきたポロロッカ
本日二話目です。
ハリィさん、うにゃうにゃいいながらサンドイッチ完食。
あ、私もいっしょに食べましたよ。
ハリィさん、とくにビーフジャーキーは、念入りに味わってたみたい。
「なぜにゃ、ただの黒パンがなぜここまで魔力をもつのにゃ」
と、時折、首をひねってます。
食べ終えたあと、はっと我にかえって、きまり悪そうに視線を明後日の方向へ。
あはは、尻尾がまたもやぱんぱんに膨らんでます。
わかりやすくていいなあ、ハリィさん。
「サツキさん、たいへん興味深いものでした。ありがとうございます」
って、丁寧語にもどって、優雅にお辞儀。
にゃにゃにゃ言葉でも、ううん、そっちのほうがむしろ楽しいのにな。
それにしても、魔力って誰でもわかるものなのかな。
私には、まったくわかんないですけど。
「ギンさん、魔力って、誰にでも感じたり見えるものなの?」
「うむ、魔力を有するものは、みな感じておろう。世界は魔力、つまりはマナで成り立っておるゆえ」
ギン先生から、マナ、いただきました~、テンプレその何番目かな?
別名「魔素」とかですね、わかります。
「なんじゃ、サツキには判らぬか? それほどの魔力を持っておるのに」
「うん、ぜんぜんわかんないです」
「ふうむ、いかがしたものか」
ギンさんは目をつぶって考え中。
「サツキさん、貴重なものをいただいたお礼がしたいのですが」
と、ハリィさんがなにやら綺麗な石をだしてきました。
透明なまんまるの石です。
「これをどうぞ」
「ありがとーございます」
その石のまんなかに、小さな、魔方陣がかかれてます。
おおぅ、マジックアイテムですね、これ。
よしきた、鑑定だ♪
このスキルもだいぶ使い方、覚えました。
もう、○ブリ悪役にはならないもんね~。
…と、思ってたときもありました。
ええ、またもやきやがりました、情報氾濫。
『ヴァルノーラのなんちゃら』
の大洪水です。
目が目が~状態です。
なんなの?このマジックアイテム。
小さな石のなかに、情報詰め込みすぎ。
膨大な情報量で、頭の中がオーバーヒートしてるよ。
鑑定やめ、もうやめ。
あれ、だめだ、とまんない。
スキル暴走してるみたい。
意識が膨大な情報量に飲み込まれるよ。
異世界二度目の、意識喪失するみたいです。
「サツキ、しっかりせよ、サツキ」
「サツキさん、どうしたんですか、サツキさん」
「客人、どうした、しっかりせよ、メスよ」
村長さん、メスじゃなく名前でよんでください。
ギンさんや、ハリィさん、村長さんの声を聞きながら意識をもってかれました。
気絶とかに夢をもっていたのは、遠い昔の中二病です。
おやすみなさい、というべきか、いわないべきか。
や、問題はそこじゃないですよねえ。
視界真っ白けのけです。