間話 かくもささやかな界渡り
今日のお話です。
公式忘年会の余波でふらふらです^^:
短くてすみません。
明日は二話、投稿いたしますのでお許しを。
親友で幼馴染の熊谷五月がいなくなって、もう五日がすぎました。
ケータイもメールも、サツキの家電話にも何十回も連絡してます。
返事はまったくありません。
けれど、どうしてもどうしても辞められません。
サツキのお父さん、お母さん、お兄さんも、同じみたいです。
警察は、何かの事件に巻き込まれたと判断して、捜査本部を立ち上げました。
サツキと会ったのが、私とエリとユウキの三人だから。
それはしつこく、最後にあった日のこと聞かれてます。
答えはいつも同じ、変わるはずありませんけどね。
マンションの10階にあるサツキの家ごと誰にも知られずに消え失せるって、どんな事件なんだって思いますけど。
ワイドショーのかっこうのネタになってます。
インターネットでも、いろんな怪情報が乱れとんでます。
誰が流したのか、サツキの顔写真の目だけ黒線はいった画像まであります。
…酷いよね。
サツキのこと、何もしらない人たちが、勝手に決め付けて騒いでるんだもの。
私達は、私とエリとユウキの三人は。
なんとなくサツキが無事なんだって思ってます。
根拠はまったくありません。
ありませんが、何故か、そう思っています。
なんとなくですが、サツキは別の世界にいるんじゃないかと思えるんです。
勝手な私達の願望だと、笑ってもいいです。
そう信じてたら、いつかサツキと、また会えると信じてます。
ううん、そう信じたいのかもしれません。
サツキ、どこにいるのかな。
元気にしてるのかな。
笑っているかな。
だから、真夜中に3人で集まりました。
キープアウトの黄色いテープの無効にある場所。
もとはサツキの家だった場所にこっそり忍び込むために。
私達、予感がしてたのかもしれません。
サツキが大好きなお菓子や飲み物といっしょに、手紙を添えて彼女の部屋だった場所に置きました。
私は、私達はサツキが大好きだよ。
今も元気にしてるって信じてる。
ほんとに魔法とか。奇跡とかあるのなら。
どうか、サツキに届けて下さい。
どうかお願いします。
翌日、私達は知りました。
贈り物は無くなっていました。
跡形もなく。
かくもささやかな願いがかなえられた事を。




