12月19日 初めての外泊みたい
今日の投稿です。
ブックマーク、感想、ほんとにありがとうございます^^
「お客さん、えらくこってますね~。仕事のしすぎですよ~」
くつろぎモードで寝そべるギンさん。
首筋から背骨にそって、両手でゆっくり撫でていきます。
マッサージのおねいさんになりきってマッサージナウです。
キツネ色のつやつやの毛が、お日様の光で金色です。
とっても素敵な手触りです。
幸せだなあ~。
「そこだ、サツキ、そこをもっと撫でてほしいのだ」
ギンさんのいうそことは、尻尾の付け根…人間でいうと腰からお尻のあたりです。
さわさわと触ると、3本の尻尾がぴんって伸びます。
さわさわさわ、ぴんぴんぴん。
さわ、ぴん、さわ、ぴん、さわ、ぴんぴん♪
なんか、楽しいなっと。
「うむ、これで魔力が完全に満ち足りた。感謝するぞ、サツキよ」
寝そべっていたギンさんが、すちゃっと起き上がりました。
大きく伸びをして、前後の足を一本ずつストレッチ。
その様子はわんこじゃなく、にゃんこみたいです。
「おかげで飛ぶことができるであろう。
約束どおり近くの集落へ連れて行ってやろう」
「ふえ?」
ナニをして、ドコに行くって?
とか考えてる間に、首の後ろ、ギンさんがくわえてなにげにぽんと空へ!
「え? ギンさん、なにすっ、ちょ、ぎゃああああぁぁ~~!!」
まわる、まわるよ、き~らきら☆
驚きのあまり、目から星がでたよ、イヤ、マジで。
完全に、意識をもってかれました。
※※※
次に気がついたのは、空の上。
日が暮れようとしています。
風が冷たいし、寒いです。
キツネ色の綺麗なもふもふにうもれるとあったかです。
って、ここ、ギンさんの背中の上じゃないですか!
「ギンさん、ギンさん、飛んでるの?飛べたの?どうしてなの?
それに、なんか大きくなってませんか~?ねえ、ギンさんってば~~」
「姦しい、人の仔よ。吾は竜王の眷属、飛べるに決まっておろう」
そんな異世界法則、知りませんってば。
「今まで魔力不足でこの姿になれず困っておった。サツキの魔力のおかげぞ。
それゆえ、近くの集落まで飛んで案内してやろうぞ」
ちょ、近くの集落ってリザードマンさんの村なんじゃ?
それにいろんな小道具やおやつを詰めたディバッグは、おきっぱですか?
「心配ない、お主の持ち物は、吾が持っておる」
「や、私が行きたいのは、人間の集落ですってば~~~」
と、叫んでる間に、モヒカンリザードマンさんの村あたりに到着。
ギンさんはゆっくりと地上に降りていきました。
出発の乱暴さと、えらい差がありませんか?
もうマッサージなんが、してあげないんだからねっ!
「リザードマンの里には、サツキと同じ人も商いとやらにやってくる」
元の大きさに戻ったギンさんが、さりげなく重要な情報をくれました。
人…人間ってことだよね。
ちゃんと、言葉の壁やニュアンスが低い人ってことでいいんだよね。
あ、リザードマン村につきました。
木でできた柵にかこまれ、入り口が一ヶ所。
栗色モヒカンなリザードマンさんが、槍もって立ってます。
「おお、シグムンのギン、久しぶり、元気か?」
「息災じゃ、長はおるか?」
「いる、入れ、シグムン」
ギンさんはゆっくり村の入り口をくぐりました。
続いて私も。
「お前、メスか?」
またですか、こいつもですか~~~。
リザードマンは、女って言葉しらんのかいorz
脱力しながら、無言でギンさんについていきました。
ギンさん、知り合いらしいリザードマン達と挨拶しながら村の中央へ向かいます。
そろそろ辺りが暗くなって、見分けがつきにくくなってきたなあ。
今日中に、我が家に帰れるのかな。
…まさか、ここに泊まることになるんでしょうか。
その予感は、的中でした。
ギンさん、リザードマンの村長さんと旧交をあたためて一言。
「すまぬが、今日は吾とこの人の仔と、世話になる」
「歓迎する、我が友、シグムン。客人のメスよ」
あああ。
また、メスですよ。
もういいですよ、メスで(白目)
教訓
異種族間の言葉の壁は、異世界でもやはり高いです。
そそ、リザードマンさんの長。
それは見事な銀髪と紅い目でした。
中二病的ななにかなのに、ぜんぜん嬉しくないです。
で、夜ご飯、生の魚的な何かでした…。
せめて、醤油を我が手にな夜でした。
おやすみなさい、くすん。
ギンさんの馬鹿~~~。




