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種族と人

水流先生の種族講座~。


「  」:石動水流いするぎみずる

『  』:加藤薫かとうかおり


すみません、ノリと勢いだけですw

「ここでは、“種族”の定義についてまとめていきたいと思います」

『ん。がんばって』

「あの、薫さんも説明役ですよ?」

『ん? そうなの?』


「えっと、それでは種族についてですが、基本的に文化面こっちでは大枠での“種”と、特質や性質での細分としての“族”になります。

 動物とか魔獣、人、精霊、神。こういった大枠が種ですね。

 そして例えば、動物の中で猫とか狐、狼と言った分類が族になります」

『ん、私の人魔族とか、ベイセルの小神エルフ族って、どういう分類?』

「薫さんはハーフですが、魔族の特質や性質が多く残っているので、精霊種の中の人魔族になりますね。

 ベイセルさんのエルフも精霊種の中の一つです」

『ん~、人とか精霊とかって何?』

「では、種について説明しますね」


   ***種の分類について***


「上位の存在から順に神、精霊、人、魔獣、動物と植物という種別になります。

 神と精霊は、この世の物質が物質としての性質を保った状態で身体が構成されていて、人等とは違って、身体や生命を維持する為の物質に変化していません。

 例えば人の身体は、タンパク質やアミノ酸と言った様々な物で構成されていますね?」

『ん。分子のレベルで見ればそうらしい。

 それらで出来た細胞が組織に纏まって、器官が作られて、って聞いてる』

「科学的な分類は詳しく無いんですけれど、そうらしいですね。

 それで、このタンパク質やアミノ酸って言うのは、更に細かな物で構成されているらしいですが・・・」

『ん。炭素とか窒素、カルシウム等の原子』

「原子ですか。まぁ、そういう根源的なもので構成された物質で形作られているのが人や魔獣、動物、植物になります。

 そして、神や精霊は構成する原子が同じでも、細胞等ではなく、根源的な力そのままの状態で構成されています」

『ん? 原子のままって事?』

「原子というのがそのまま該当するのかは分かりませんが、とりあえずそう考えて良いと思います。

 身体の構成的には根本的に同じですが、そこに至る道筋が異なるという事になります」

『ん~、つまり酸素、炭素、水素、窒素、カルシウム、リン、硫黄、カリウム、ナトリウム、・・・』

「あ、えっと、まあ。そういうもので細胞が作られてというのが人等ですね。

 ですが神や精霊には細胞に至らず、そのまま身体が構成されて、各部位が機能している形ですね。

 その為、神や精霊という種は、欠けたり劣化した構成物を周囲から補充する事で補えますし、当然それら構成物質の特質や性質も十全に機能させる事が出来ます」

『ん? 不老不死?』

「それに極めて近い状態ではあるらしいですが、完全では無い様ですね。

 怪我や病気等で構成物質を補充した場合、不純物が混ざる場合も有りますし、元々あった構成物質の劣化物が完全に除かれて置き換わる訳でも無いらしいので、全体的に見れば寿命はある様です。

 ただ、その期間が恐ろしく長いので、不老不死と言っても良いのかも知れませんが」

『ん、神や精霊じゃ無いのに不老不死っていうのも居る』

「そう言われているだけですよ。

 若い姿、これは身体の最盛期状態の期間が長いというだけで、実際には老いるのですけれど、最盛期の時期が平均で千年以上だと不老、平均寿命が千年を越えると不死と言われる傾向が強い様です。

 ただこれは、あくまでも人間族の様な平均寿命百年程で、時間に応じて老化する存在による認識で、当然ですが不老や不死とされる種族同士だと、その判断基準も変わります」

『ん、不老はずるい』

「いえ、あの、おそらく人魔族の薫さんも不老型になると思いますよ?」

『ん? そうなの?』

「人魔族の平均寿命は、血の混ざり方で幅がある様ですが、薫さんの状態だと百五十から二百歳くらいかと。そういう方は、二十歳前後の姿のままの期間が長く、寿命の五年程度前から一気に老いると言われていますね。

 千歳に至らないので、不老とは言われませんけど」

『ん~。一気に老いるのも、何か嫌』

「同じ女性としては、その気持ちは分かりますけど、完全な不老不死が無いのと同じで、老いない事も有り得ないですよ。

 ただ、多くの場合は老いるまでに亡くなる場合が多い様ですが」

『ん、そうなの?』

「結局は様々な状況等で、平均寿命は百歳、千歳単位で平均化される様です。

 身体の強度、と言いますか、抵抗力等々の絡みがあるのでしょうね」

『ん~、エルフの寿命ってどのくらい?』

「平均寿命は三百歳程と言われていますね。

 実際には百五十歳までに病気や怪我等々で亡くなる方が多い様ですが」

『・・・ベイセルは百二十歳。

 おじさん?』

「エルフも不老型ですから、おじさんでは無いかと・・・」


   ***族の分類について***


「薫さんは精霊種なので、人魔族とは言っても、分類上は人では無いですね」

『ん。人外』

「そう言われてしまうと、神も人外なんですけどね」

『水流は?』

「はい?」

『ん、狐って人? 動物?』

「そういう事ですか。

 狐と言っても、私達獣人は人の括りです。

 人以外の動物が、環境などに合わせて様々に進化した様に、同じ様な環境に適応した形として、私達の様な獣人が生じたとされています。

 実際のところ、文化面では人間族も猿人族から進化した、獣人と同じ扱いですけどね。

 文化面では獣人という分類は正確には無くて、人の括りですけど、文明面あっちからの来訪者の方々には分かり難い様なので、人間族以外の人を獣人族と称している感じです。

 文明面では妖怪という分類でもある様ですが、余計な説明が増えるらしく、獣人となったと聞いています」

『ん~、獣だけ?』

「そう言えば、獣の認識も違うんでしたね。

 文化面では人以外の動物の中で、野生のものを獣としていますので、魚や虫、微生物も獣になります。流石に微生物的な特徴を持った人は、私は知らないですし、小さな動物よりも、大きな動物の特徴を持った人の方が多い様ですけれどね」

『ん、魔獣って何?』

「生物は全て、存在情報を持つと言われています。その情報量は、体の作りや寿命の長さ等によって大きくなる様です。

 平均情報量によって人、魔獣、動植物に分かれる訳ですね。

 本来の動植物と、人との間には、情報量に大きな差が有って、明確に分けられる様なのですが、中にはその中間の情報量を有する存在が生じます。それを魔獣と分類していますね。

 相応に知能が有り、特殊な能力を持つという分類でも良いでしょう」

『ん? 獣の跳躍力とか、五感とかは特殊な能力外?』

「そういうのは能力と言うより、性質や特徴ですね。ここで言う特殊な能力とは、人と同じく五行の能力を指します。

 人や精霊、神の様に、術を行使出来る能力を有した獣、それが魔獣になります」

『ん、そもそも“魔”って何?』

「魔は、多数に反するという意味だと聞いた事があります。

 例えば人を食べる鬼、負の感情を好む神等が魔に属します」

『魔は悪者?』

「一概には言えないですね。

 人を食べる鬼は、人が食料であるというだけですし、負の感情を好むのも、そうした習性で生まれついているわけですから。

 ただ、近代ではそうした性質や嗜好の代替え品もありますから、余計に魔に属する存在を悪とは言い切れません」

『ん~、でも、居ない方が良さそう』

「そうでもないですよ。

 それこそ魔人という存在は、魔に属するとは言え神ですから、その一柱が滅びただけでも大きな影響が生じます。その影響の方が、結果的には問題が大きくなりますし、被害も大きくなる様です」

『ん、それだと、魔獣は何で魔が付くの?』

「魔獣は、能力を持ちますが、人と比べて理解力や理性等は無いので、そうしても被害が生じます。だから魔に属する扱いな訳です」

『ん~。意識的じゃないのに被害が出るのが魔?』

「そうとも言えますね。

 例えば黒死病の原因であるペスト菌は、魔の扱いになります。

 その存在、その力が、神々の域に及ぶものを魔として扱いますね。魔法や魔術もそういう括りですから」

『ん。それだと私は半分くらい魔だから、危険?』

「そもそも精霊種ですから、人より力、この場合も術を行使するという意味での力ですけれど、それは強いですからね。

 正当に怒って、感情のままに術を行使してしまった場合、大きな被害が生じますから、人や、魔に属さない精霊種よりも危険性は高いとは言えます。

 ただ、魔は悪では無いので、そう言う見方をすれば危険性は低いとも言えます」

『ん。大人しくしとく』

「あまり気にしなくても良いかと」

『ん。そう言えば、魔じゃないのに、出会い頭に最大出力の狐火を・・・』

「さあ、何の事でしょうか?」

『・・・・・・』


   ***人という枠***


『ん? 人が動物と分けられてる理由は?』

「魔獣や動植物は一括り、神と精霊と人が一括りなんです」

『ん?』

「人は、神や精霊に近い様で、交配可能な訳です。なので混血が生じます。

 魔獣や動植物は、それが出来ません」

『ん、成る程』

「動物でも、狼と犬等、近い種類だと可能ですけれど、それこそ私共狐族であっても、動物の狐を相手とは、子は出来ません。同じく“狐”と称されていても、そこには大きな違いが有りますから。そもそも対象に選ばないですけどね。

 ただ、神と人との間に生まれた子も居ますので、そう言う意味で人は動物という枠とは別になっている訳です。

 その結果、中間的な魔獣という扱いが必要になったとも言えますね」

『ん? 神と人との子は、神? 人?』

「引き継いだ力によりますね。

 上位の神々との間に生まれれば、おそらくほとんどが精霊種になると思いますが、下位の神々だと、人としての傾向が強く出る場合も少なくないので、神人族という分類となっている方々も居ますし」

『ん~、その場合、細胞とかは?』

「受け継いだ力の傾向が弱いと、人間種、つまりは細胞や器官で構成された身体で生まれてきます。母体が神であっても、そういう傾向になる様です」

『ん。生命の神秘』


「以上が、種族に関してのまとめですね」

『ん。定義は何となく。何でそうなるかは不明』

「そういうもの、としか言えませんね」

『迫害されないなら、どうでもいい』

「ここ、日之本にはほとんど無いですけれども、国外には純血主義で、混血を嫌う者も居るらしいですよ。

 とは言っても、そういう一族の多くは滅びたり、衰退している様ですけれど」

『ん。混血天国』

「実際には、文明面でも純粋な人間というのはほぼ居ないみたいですけれどね。

 身体的特徴が平均化されるくらい薄まっているので、自覚が無いだけで」

『文明面は、視野が狭い』

「違う部分では、文化面も狭いんですよ」

『実害無ければどうでも良い』

「確かに、それが一番重要ですね」

薫の『ん、』『ん。』『ん~、』『ん?』等は、感情対応で変えているつもりですw

まぁ、読んだ人の受け取り次第なので、詳細は一々説明押し付けしませんが、一応どうでも良いこだわりはあるという事で。

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