むらさきいろ
私は自分が嫌いだ
子供のころから自分が嫌いだった
ごめんなさいが言えない子だった
大人をいつもバカにしていた
薄ら笑いが得意だった
自分の機嫌で友達を無視して振り回した
人の話しを真面目に聞かない
いつも上から目線で信じられないような
冷たい口調で人を罵る
親でも友達でも彼氏でも
それが日常茶飯事
誰の注意も聞かない
自分でもわかっていた
直さなきゃいけない
でも直せない自分が嫌いで嫌いで大嫌いで
それは大人になっても変わらなかった
まるでこども
だからもうお前は分からないと言われる
見放される
どうにもならない
最初だけ必死に猫を被る
すぐに剥がれる
それでも自分をなんとかコントロールして
誤魔化して日々を送るようになった
たくさんの人を悲しみに陥れてきた
わたしは人を好きになる資格はない
もうこれ以上罪をつくりたくない
それなのに罪深い私はあなたが好きだ
あなたのことを何も知りやしないのに
顔も声も背格好も笑い方も怒り方も
あなたの哀しみも辛さも寂しさも渇いてしまった涙のことも
それなのに私はあなたを好きだといってしまう
あなたの紡ぐ言葉が好きでたまらないから
その語りを出来るのはあなたしかいないから
その言葉たちを生んでくれるあなたがまるごと好きだ
そして私はあなたが好きと言える自分が唯一好きだ