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五話
最近、少し困ったことがある。
あの男が死んで少しした頃からの話だ。
私にはストーカーがいる。
しかもそこら辺にいるような生半可なストーカーではない。
ストーカーに生半可もないかもしれないが、ストーカーはストーカーでも少し異常なストーカーなのだ。
まず、私とコミュニケーションを図るため、この学校に転校してきた。
しかも、たまたま交通事故にあって退学した同じクラスの少年の代わりのように、たまたまあいた定員に滑り込んできた。
そして、あろうことか私の家の隣のアパートに引っ越してきた。
さらに私と同じ部活に入り、どこで仕入れた情報なのか知らないが、同じ場所で同じ時間帯にバイトをしている。
ストーカーなんてドラマやニュースの中だけかと思ったが、本当にいるのだなぁと思う。
地味な私がその被害にあろうとは夢にも思わなかったが。