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四話
私はどこにでもいる女の子である。
ただ独りぼっちなだけで。
薄いフレームの眼鏡にちょっと低めのポニーテール。
全く飾らない外見の、長いスカートの高校生。
変わっていることといえば、教会に通っていることぐらい。
それが私だ。
成績はいいが、運動は出来ない。
極度の運動音痴であり、一メートル先のゴミ箱にティッシュが入らない。
なんとも残念な運動神経だ。
「山仲さん、電気消してってね」
「はーい」
学級委員長が私に声をかけていった。
そろそろ本を読むのをやめた方が良さそうだ。
体育に遅刻してさらに成績を下げるわけにはいかない。
私は本にしおりをはさんで立ち上がる。
そして教室を出た。
もちろん、電気を消すのを忘れずに。