表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

掲載日:2026/03/14

短編です

 長年かかってようやくたどり着いたダンジョンの最深部。

[途中の宝箱やモンスターを倒して得られる鍵を集めろ]と入り口に書いてあった通り、最深部のでかいドラゴンを倒したら、そこに大きな宝箱が現れた。

「ようやく・・・ようやくだっ」

 俺は感動に打ち震えた。

 初めはパーティーを組んで、仲間たちと探索していたんだけど、鍵を持っているモンスターがどのくらいいるのか、宝箱がどのくらいあるのか、まったく未知数だったため、細心の注意をはらいつつ、目に入ったモンスターを片っ端から倒して、分かれ道があれば、先が行き止まりだろうと、俺たちは迷わずに寄り道をした。

 そのおかげで、鍵は順調に集まったけど、仲間たちは、牛歩並みのダンジョン侵攻に耐え切れなくて、俺の元を離れていった。

 一人だってやってやる。そう決意して、ようやくたどり着いた最深部。まさか最後にドラゴンがいるなんて思っていなかったけど、様々なモンスターを倒すことで、俺は結構強くなっていたようだ。おかげで一人でも何とかドラゴンを倒すことはできた。

 こんな大きな宝箱の中身、いったい何が入っているんだろう。この中身が、全部俺の、俺だけのもの。そう思うと、頬が勝手に緩んでいく。

「さて」

 とバッグの中の鍵を取り出した。ざっと数えて十五本はある。

 ・・・・。どれだ?

 いや、うん、薄々わかってはいたんだけど、コレ、どれがこの箱を開ける鍵なんだろう。いや、普通に考えたら、ドアを開けたりするのに使うだろうけど、まじでここのダンジョンは、一切鍵を使用しなかった。

 ドアは押せば開いたし、道中の宝箱は触れたら開いた。だから、この鍵をどこで使うのか全く見当もつかないまま、まぁ入り口の石碑には[集めろ]と書いてあったし、と俺は深く考えずに手に入れた鍵すべてを持ってきたんだけど・・・。宝箱はこの一つ・・・。十五本を試すしかないのか?

 げんなりした気持ちを押し込んで、俺はとりあえず同じ色の宝石のハマった鍵を押し込んでみた。案の定開かない。

 5種類ほど試したあたりでようやく開いた。なんだ、存外簡単だな、なんて思っていた俺をぶん殴りたい。宝箱の中には、もう一つ、宝箱が入っていた。これ、もしかして・・・十五個分あるってこと?

 次の箱に合う鍵を見つけるのにまた一本ずつ試す。今度は十本分かかった。俺は何をやらされてるんだろう。

 次の箱も、次の箱も、開けたら次の箱が出てくるだけ。だんだんイライラが募る。

 十個目の箱は、もうだいぶ小さくなっていた。

 最初の箱は、人が三人くらい入っても問題なさそうなサイズ感だったのに・・・ここまで来るともう普通の宝箱よりも小さいんじゃないだろうか。

 イライラしつつも、残りの五本の鍵を試していくしかない。

 まあ試すのはあと五本だ、長い戦いもようやく終わりが見えてくる。

 箱を開けると、[あともう少し!]と書かれた紙が入っていた。

「うるせえな・・・」

 そんな言葉をかけられたとて、何の喜びも感じない。でもこんなメモは今までなかったことだ。俺は終わりが近いことを悟った。

 4、3、2、1・・・。ようやく最後の箱を開けると、婚約指輪を入れるようなサイズ感の箱が現れた。

「やっと、やっとだ!!」

 そう思って箱をじっくり見回すと、小さな鍵穴があった。

「え・・・」

 コレ開けるのにも鍵必要なの?



——ふざけんなよぉ——

何だよぉ!ばかぁ!( ノД`)シクシク…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ