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第7話 「就労移行支援(ワーク・トレード)と新たな職業」

共同生活援助グループホーム『悠悠自適』は、設立からひと月が経ち、順調に運営されていた。ガルドは建物と備品の管理、リーファは集団生活の規律維持、ジンは警備と情報収集を担当し、互いに支え合っていた。


そんな中、悠斗は新たな課題をメンバーに提示した。


「次は、皆の『経済的な自立』を支援する」


「経済的な自立?」リーファが訊ねた。


「今はギルドからの委託費で生活できているが、それは『支援』の対価だ。最終目標は、皆が自分の力で生活し、ギルドの評価に左右されない『職業』を持つこと」


悠斗は立ち上がり、黒板に大きく書き出した。


『次期目標:就労移行支援の実施』


「『就労移行支援』とは、君たちが持つ能力を、異世界の市場で通用する『商品』や『サービス』に転換する訓練だ」


悠斗はガルドを見た。


「ガルド、あなたは元A級冒険者だが、今は足に後遺症がある。前衛の職は難しい。だが、あなたの経験と、【身体介護】でブーストされた洞察力は、他に替えがたい『財産』だ」


悠斗は、ガルドの才能を活かす新たな職業を提案する。


「あなたは今後、ギルドの『新人冒険者向けのリハビリ指導員』、つまり『機能訓練専門のトレーナー』として契約を結ぶ。あなたの報酬は、ギルドではなく、新人冒険者自身から支払われるべきだ」


「俺が、トレーナー……?」ガルドは戸惑いつつも、興奮した。


次に、悠斗はリーファに向き直った。


「リーファ、君の呪術師としての才能は、非常に危険視されている。だが、それは逆に、『鑑定』の分野で極めて高い信頼性を生む」


悠斗は、リーファの【行動援護】による「情緒安定化」が、鑑定スキルを極限まで高めることを知っていた。


「君の魔力は、『呪いの解析』や『贋作の鑑定』という、高リスクだが高報酬な『特殊鑑定サービス』に特化させる。これは、裕福な貴族や商人から直接依頼が来る、最も高額な職種だ」


「呪いではなく、鑑定に……。私が、人から感謝される仕事ができる?」リーファの目に、期待の光が灯る。


そして、最後にジン。


「ジン、あなたの【同行援護】で得た超感覚は、戦闘以外でも極めて有用だ。特に、『地図製作』と『危険区域の警備計画』の分野で」


悠斗は、ジンの新たな役割を定義した。


「あなたは、地図に載らない危険区域の正確な『聴覚マッピング』を行い、それをギルドや商隊に高値で販売する『超感覚地図製作者』として独立する。視覚障害が、逆に市場に存在しない『特殊な情報』を生むのだ」


悠斗は、全員の「障害」を「市場価値のある個性」へと見事に転換させた。これが、【就労移行支援】スキルの真骨頂だった。


「どうだ。これが、俺が作った『就労移行支援計画ワーク・プラン』だ。これは訓練ではない。これは、君たちが社会の一員として、『自分だけの椅子』を得るための道筋だ」


ガルド、リーファ、ジンは、自分たちの身体的な問題が、もはや社会から排除される理由ではないことを理解した。むしろ、それは彼らを唯一無二のプロフェッショナルにする『資格』だった。


「わかった……! やらせてくれ、悠斗!」ガルドが力強く言った。


「私の力で、街の人々を助けたい!」リーファの決意に満ちた瞳が輝く。


ジンは何も言わなかったが、その手は静かに弓を握り、もはや迷いはなかった。


こうして、悠悠自適のメンバーは、それぞれの道を歩み始めた。彼らの新たな「職業」は、街の経済と治安に大きな変化をもたらし、やがて異世界全体を巻き込む大きな流れになっていくのだった。

どもー、作者です!今回は『就労移行支援』回!


これ、絶対やりたかったんですよ!だって、彼らがただの冒険者になるんじゃなくて、「支援で得た能力を活かしてプロとして自立する」って、めちゃくちゃ熱くないですか!?


ガルドはトレーナー、リーファは特殊鑑定士、ジンは超感覚地図製作者。もうこれ、全員最強の専門職です。悠斗くん、本当に元介護福祉士か?ってくらい経営戦略が上手いですね(笑)。まあ、ブラックで培ったサバイバル能力の賜物ってことで。


特に、ジンが『視覚障害を活かして、市場にない情報(超感覚地図)を売る』という展開は、書いてて震えました。障害が最高の『ユニークスキル』になる瞬間!


これで、グループホームという生活の基盤と、経済的な自立の道筋が整いました。次回は、この三人の新しい職業での活躍と、彼らの成功を見て「支援を求めてくる新たな利用者(仲間)」の登場を描きたいですね!


また次話で会いましょう!感想と評価、よろしくお願いします!

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