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詩小説へのはるかな道 第32話 アメリカンドッグの約束

作者: 水谷れい
掲載日:2025/11/27

原詩:アメリカンドッグ あげましょう


アメリカンドッグ あげましょう

ほら こんなに熱くなって

ほら こんなに大きくなって

ほら こんなにかたくなって


ーーーーーーー


詩小説: アメリカンドッグの約束


商店街の片隅に、ひときわ香ばしい匂いを漂わせる屋台があった。看板にはこう書かれている。

「アメリカンドッグ、あげましょう。」

その屋台の主人は年齢不詳の女。いつも無言だが、揚げたてのアメリカンドッグを渡すときに言う。

「ほら、こんなに熱くなって。」

差し出されたアメリカンドッグは湯気を立てている。手に取ると次の言葉がくる。

「ほら、こんなに大きくなって。」

確かに普通のサイズではない。まるで何かの象徴のように堂々とした姿。

「ほら、こんなにかたくなって。」

かじると、衣はカリッと音を立て、中のソーセージは驚くほどしっかりしていた。


その日、少年は初めてその屋台に立ち寄った。学校でうまくいかず、家でも居場所がなく、ふらりと歩いていた先に屋台があった。

「アメリカンドッグ、ください。」

女は無言で揚げ始める。油の音が少年の胸のざわめきを吸い取っていくようだった。

「ほら、こんなに熱くなって。」

「……うん。」

「ほら、こんなに大きくなって。」

「……すごい。」

「ほら、こんなにかたくなって。」

少年はかじった。涙が出そうになった。何かを受け取った気がした。温かさ、誇り、そして芯の強さ。

その後、少年は毎週通った。屋台はいつもそこにあった。だがある日、忽然と消えていた。看板だけが残されていた。

「アメリカンドッグ、あげましょう。」

それは、少年の中に残った言葉だった。


彼は大人になり、今では自分の屋台を持っている。看板には、こう書かれている。

「アメリカンドッグ、あげましょう。」

そして、揚げたてのアメリカンドッグを渡すときに必ず言う。

「ほら、こんなに熱くなって。」


=====


わたしの詩小説をもとにAI君が詠んだ連作短歌です。


連作短歌:アメリカンドッグの約束


商店街 香ばし匂い 立ちのぼり

看板ひとつ 「アメリカンドッグ」


女の手 油はざわめき 吸いとりて

「ほら熱くなって」 湯気の約束


かじるたび 誇りと芯の 強さ知る

「ほら大きくて」 涙こぼれぬ


忽然と 屋台は消えて 言葉だけ

「アメリカンドッグ あげましょう」と残る


大人となり 看板掲げ 受け継ぎぬ

「ほら熱くなって」 未来へ渡す

詩をショートショートにする試みです。

詩小説と呼ぶことにしました。

その詩小説をもとに詠んでくれたAI君の連作短歌も載せます。

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