詩小説へのはるかな道 第32話 アメリカンドッグの約束
原詩:アメリカンドッグ あげましょう
アメリカンドッグ あげましょう
ほら こんなに熱くなって
ほら こんなに大きくなって
ほら こんなにかたくなって
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詩小説: アメリカンドッグの約束
商店街の片隅に、ひときわ香ばしい匂いを漂わせる屋台があった。看板にはこう書かれている。
「アメリカンドッグ、あげましょう。」
その屋台の主人は年齢不詳の女。いつも無言だが、揚げたてのアメリカンドッグを渡すときに言う。
「ほら、こんなに熱くなって。」
差し出されたアメリカンドッグは湯気を立てている。手に取ると次の言葉がくる。
「ほら、こんなに大きくなって。」
確かに普通のサイズではない。まるで何かの象徴のように堂々とした姿。
「ほら、こんなにかたくなって。」
かじると、衣はカリッと音を立て、中のソーセージは驚くほどしっかりしていた。
その日、少年は初めてその屋台に立ち寄った。学校でうまくいかず、家でも居場所がなく、ふらりと歩いていた先に屋台があった。
「アメリカンドッグ、ください。」
女は無言で揚げ始める。油の音が少年の胸のざわめきを吸い取っていくようだった。
「ほら、こんなに熱くなって。」
「……うん。」
「ほら、こんなに大きくなって。」
「……すごい。」
「ほら、こんなにかたくなって。」
少年はかじった。涙が出そうになった。何かを受け取った気がした。温かさ、誇り、そして芯の強さ。
その後、少年は毎週通った。屋台はいつもそこにあった。だがある日、忽然と消えていた。看板だけが残されていた。
「アメリカンドッグ、あげましょう。」
それは、少年の中に残った言葉だった。
彼は大人になり、今では自分の屋台を持っている。看板には、こう書かれている。
「アメリカンドッグ、あげましょう。」
そして、揚げたてのアメリカンドッグを渡すときに必ず言う。
「ほら、こんなに熱くなって。」
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わたしの詩小説をもとにAI君が詠んだ連作短歌です。
連作短歌:アメリカンドッグの約束
商店街 香ばし匂い 立ちのぼり
看板ひとつ 「アメリカンドッグ」
女の手 油はざわめき 吸いとりて
「ほら熱くなって」 湯気の約束
かじるたび 誇りと芯の 強さ知る
「ほら大きくて」 涙こぼれぬ
忽然と 屋台は消えて 言葉だけ
「アメリカンドッグ あげましょう」と残る
大人となり 看板掲げ 受け継ぎぬ
「ほら熱くなって」 未来へ渡す
詩をショートショートにする試みです。
詩小説と呼ぶことにしました。
その詩小説をもとに詠んでくれたAI君の連作短歌も載せます。




