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第4話:「最終決戦! 汗と魚臭の極地(アルティメット・フィッシュファイト)」開幕ッ!!!!



魚人たちが崇めるその姿は、まさに神話級。

全長10メートルを超える漆黒のマグロ。

その身体は鋼のように硬く、表面からは常に魚油が滴っている。



「グォォォォォ……!!」



雄叫びと同時に、島全体が震えた。

こいつはただの魚じゃねぇ……魚の神だ。



ひげがサバを握りしめる。



「クソ……こいつ、今までの奴らとは格が違うぞ……!」



だが、その時——



「ひげ、俺にやらせろ。」



「……なに?」



おっさんが、ゆっくりと前に出た。

背中からは大量の汗が滴り落ち、まるでサウナの蒸気そのものをまとっているかのようだった。



「こいつは、俺の戦いだ……!!」



おっさんは、静かにマグロを肩に担ぐ。

その目は鋭く、まるで今までと別人のような迫力を放っていた。



ひげが目を見開く。



「おっさん……本気なのか?」



「当たり前だ……俺のマグロは、ただのマグロじゃねぇ……」



おっさんの筋肉が隆起し、汗が滝のように流れる。



「これは40年のサウナ人生で鍛え上げた、熟成マグロだッ!!!」



その言葉に、魚人たちが一斉にどよめく。



「熟成マグロ……!?」



「まさか……伝説の“汗熟成”……!!」



おっさんはニヤリと笑う。



「そうだ。サウナの熱と俺の汗で、こいつは極限まで熟成されている。」



「つまり、最強の武器だッ!!!」



オオマグロ様が低く唸り、巨体を揺らす。

その瞳が、おっさんをロックオンした。

「大鮪流・秘技・海神の一撃ィィィィ!!!!!」



突進——!!



「来やがったな……!!」



おっさんは全身から汗を吹き出し、足を踏みしめる。



「……受け止めてやるよ!!!」



ドゴォォォォン!!!!



マグロ vs マグロの激突!!!



圧倒的なパワーに、地面が砕け、海が大きく波打つ。

だが、おっさんは一歩も引かない。



「おぉぉぉぉぉ!!!!!」



力を込め、マグロを振りかざす!



「マグロ・インパクト!!!!」



熟成されたマグロの先端が、オオマグロ様の顎を直撃!!!



バギィィィィィン!!!!



「グォォォォ……!?」



オオマグロ様の巨体が揺れ、海へと後ずさる。



「……やったのか?」



ひげが息をのむ。

だが、オオマグロ様はすぐに体勢を立て直し——



「……チッ、まだまだ元気ってか。」



おっさんは汗を拭い、ニヤリと笑った。



「ならば……これで決める!!!」



おっさんはマグロを頭上高く掲げる。



その瞬間——



魚人たちが震えた。



「まさか……!!」



「伝説の技……!!!」



おっさんが、全身の汗を一気に解放する!!



「マグロ・オーバーヒート!!!!!」



サウナ歴40年の全てを込めた、究極の一撃!!!



何処からともなく、音楽が流れ始める。



おっさんとマグロが紅く輝き出し、熱を帯びる。



熟成の極限を超え、炎のマグロへと進化する!!!



「喰らえッッッ!!!!!」



ゴォォォォォォ!!!!!!



燃え盛るマグロが、オオマグロ様へと突き刺さる!!!



「グォォォォォォォ!!!!」



巨大な魚神が、炎と共に海へと沈んでいった。




——静寂。




波の音だけが、辺りに響く。



「……ぜぇ……ぜぇ……」



おっさんは汗を拭い、マグロを肩に担ぐ。



「勝ったぜ……。」



ひげは呆然としながら、おっさんを見つめた。



「おっさん……お前、最高にカッコよかったぜ……!」



魚人たちが静かに膝をつき、頭を垂れる。



「……勝者は決まった……。」



タイが静かに言った。



「人間よ……お前たちこそ、真の“魚王”だ。」



その言葉に、島全体がどよめく。




「……終わったのか?」





おっさんはマグロをかつぎ、ひげと共に立ち上がる。



「さて……次はどうする?」



ひげはニヤリと笑い——



「決まってるだろ? サウナだ。」



「……ははっ、そうだな。」



こうして、魚と汗にまみれた最強の戦いは幕を閉じた。



魚が焦げる、香ばしい匂いを残して………






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