第2話:「無人島の死闘! 魚人島決戦(フィッシュ・ファイト)」開幕ッ!
サウナでの激闘から数日後——
ひげは大海原に浮かぶ小さな無人島に流れ着いていた。
激闘の末、サウナから出た瞬間の寒暖差で意識を失い、気がつけばこの島に漂着していたのだ。
「……チッ、ヒートショックか、また厄介なことになっちまったな。」
肩に担いだサバはすでに乾燥し、カチカチになっている。
目の前には広がる白い砂浜、青い空、そして——
「おい、また会ったな、ひげ……。」
静かに波打つ海の向こうから、見覚えのある男が現れた。
サウナ歴40年、背中に人生の重みを背負ったおっさん。
彼の肩には、変わらず巨大なマグロ。
だが、その表面は塩と汗が混じり、なんとも言えない磯の香りを放っている。
「おっさん……なんでお前がここに?」
「お前を追ってきたわけじゃねぇ……気がついたら、俺も流れ着いてたんだ。」
どこか神妙な面持ちで、おっさんはマグロを下ろす。
「この島……ヤバいぞ。」
「……どういうことだ?」
おっさんは険しい顔で指をさした。
そこには——無数の魚が立っていた。
そう、まるで人のように二足歩行し、鋭い目つきでこちらを睨みつけている。
「なんだこれは……!?」
「こいつら……この島の支配者だ。」
ひげは目を疑った。カツオ、ブリ、アジ……多種多様な魚たちが立ち並び、その肌はヌメヌメとし、異臭を放っていた。
ひげは歯ぎしりする。
「ふざけんな……生臭ぇったらありゃしねぇ!!」
その時——
「静まれ……。」
重く、威厳ある声が響く。
人々……いや、魚々が道を開く。
そこに立っていたのは、黄金に輝く巨大なタイだった。
「我らが聖なる島に足を踏み入れた者たちよ……試練を受けてもらう!」
タイの目が鋭く光る。
「試練?」
「そうだ……お前たちには“最強の魚”を決める戦いに参加してもらう。」
すると、魚人たちが一斉に雄叫びを上げる。
「ウォォォォォォ!!!!!」
「生臭ぇっ!!!」
ひげは思わず鼻をつまんだ。
汗と潮と魚の生臭さが混ざり合い、まるで一週間洗っていないサウナスーツのような悪臭が島全体に充満する。
おっさんは不敵に笑い、マグロを握りしめた。
「面白ぇ……最強の魚を決める戦いか。」
ひげもサバを構える。
「……仕方ねぇ、やるしかなさそうだな。」
タイが腕……いや、ヒレを上げ、静かに宣言した。
「試練を始める……最初の相手は——」
ズズズ……
地面が揺れる。
波が大きくうねり、浜辺が震える。
「グォォォォォ……!!」
巨大な影が立ちはだかる。
「こ……こいつは……!?」
シーラカンス——
そのゴツゴツした古代魚の肌から、汗とも海水ともつかない液体が滴り落ちる。
生臭い、そして……めちゃくちゃ強そうだ!!!
タイがニヤリと笑う。
「さぁ、魚力を示せ……!!!」
ひげとおっさんは同時に構えた。
「行くぜ、おっさん……!」
「おう!!!」
こうして、汗と魚臭が充満する無人島での激闘が幕を開けた——!!!!




