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第九十七話 『この杖、触るべからず』

「この本の名前……前に姉さんが言っていた気がする……」


 ここに書かれている名前に覚えがあった。

 もし、姉さんが欲しがっていた本なら、買ってみてもいいかな。


 そう思い金額を確認してみた。


「どれどれ……」


 ――白金貨二枚より、ASK価格応談――


「………」


 た、たけぇぇぇ!


 たしか、金貨一枚が大体前の世界で十万くらいだったかな?

 そして、白金貨は、その十倍に近いから……


 ……無理だな。うん。


「どうしたの?」


 オレが呆気に取られているのを見てヒュリエが声をかけてきた。


「い、いや……なんでもない」


「ふ~ん。じゃあ、次いこっ!」


「え……もういいのか?」


「いいっ! あたりが出なかったから、つまんないっ!」


 そら、出ないって……


「だから、次っ!」


「はいはい……」


 そう言って、店をあとにするのだった。


 ――しばらく、街を練り歩く。


 前に歩いたメインストリートから一本外れた街路。


 そこは、石畳の目地に苔が張りついている。

 それは、長い歳月を感じさせた。


 軒先に干された薬草。

 煤けた看板。

 それが雑然と並び、どこか懐かしい匂いが漂っている。


 狭い通りには馬車も入れない。

 古びた教会や、錬金術師の工房らしき建物。

 それが肩を寄せ合うように建っていた。


 そこには、メイン通りにはない、少しだけ時間が緩やかに流れるような静けさがあった。


 そこで突然扉が開き、何人かの人が出てくる。

 なんとも、口の悪い言葉で話す三、四人ほど。

 革鎧に身を包んだ男。

 大ぶりの剣を肩に担ぎながら不機嫌そうに扉を蹴り開けた。


 その後ろには、弓を背負った女。

 小柄ながら手斧を二本腰に提げた青年が続く。

 彼らの足取りは重く、酒場帰りか依頼帰り。

 どちらかはわからないが口を開けば毒舌と笑い声が交じっていた。


 オレは気になって店の看板をみる。


 『ランカスター領方面冒険者ギルド』――

 

 そう書かれていた。

 『ランカスター領』とは父が収めている領地だ。


 冒険者ギルド――


 かつては街の治安維持。

 や魔獣駆除、盗賊対処。

 さらには農村の悩み事まで――


 地方領主や教会が手に負えない雑多な問題。

 それを「腕っぷしのある者たち」が有志で解決していた。


 それが自然と報酬制になり、やがて拠点を持つ。

 さらに、記録を管理する者が現れ「仕事斡旋所」として成立。


 こうして各地に点在するようになった。

 それが、今の“冒険者ギルド”の始まりだった。


 今で言う、「ハロワ」みたいな感じかな?


 その冒険者ギルドも二種類ある。


 貴族、商人などの依頼を受けるギルド。

 そして、一般の依頼を受けるギルド。


 その二つには大きな差がある。

 貴族などの依頼を受けられる冒険者。

 それは、一定の評価がないと受けることができないことだ。


  ……まぁ、ギルドについてはこんなところかな。


 へぇ、こんなところに「冒険者ギルド」があるのかぁ。


 話には聞いていたが、実際に目にすると、少し感動してしまった。


 その余韻にふけっていると――

 中から「ま、まって」と若い女性の声が聞こえてきた。

 そして、勢いよく扉を開き、急ぎ足で出てくる。


 ――ドンッ!


「うわぁ!」


「キャッ……」


 その勢いで余韻に耽っていたオレに勢いよくぶつかり、どちらも尻餅をついた。


 な、なんだぁ……


「いたた……」


 取り敢えず、何が起こったのかを確認するために周りを見渡した。


 周りと見回すと、目の前に白い何かが見えた。


 もとい……女の子が大股開きで尻餅を付いていた。


 その子は、これがなんとも魔術師ですというような出で立ちだ。


 黒い髪に、ところどころ紫が混ざって光っていた。

 三つ編みに編まれており――まさに魔術師といった風貌だ。


 黒く淵が金色の刺繍が施された三角帽子。

 黒をベースにして、ところどころ赤い布地の衣服とスカート。

 そして、片方だけ黒のニーハイソックのような履物。

 に、足元は、長旅に馴染んだような、少しくたびれた茶色のブーツ。

 後、黒いマント。

 に……オレの近くに……これは……杖か?


 見事な装飾を施されている杖。

 そこの青い、直径十センチメートル程の宝寿のような物が付いていた。


 オレは立ち上がると同時にその子も立ち上がる。


 そして、膝を両手でササッと振り払うと口を開いた。


 身長は155cmくらいか?

 オレよりも少し高い。

 でも、顔は幼い。

 オレより少し上くらいなのだろうか?

 そして、少し眉が太くて濃い?

 そのためか、幼い顔なのだが凛々しく見える。


 後、一番特徴的なのは喉の下の胸上がりに赤い宝石が付いていた。

 これは、ネックレスのようにぶら下げているのではなく、埋め込まれているという感じだった。


「ご、ごめんなさい……怪我はなかったですか?」


「え……はい。大丈夫です」


「ほんとにごめんね。急いでいたから……周りを見てなかったです」


「いえ、気にしないでください。それより……」


 オレは、その子が気づいていないのか、オレは杖を拾って渡そうと手を伸ばした時、


「だ、だめっ! 触ってはいけませんっ!」


 と、その子が大声で手に取らないように促した。


 そこで、オレは前に兄さんが言っていたことを想い出す。


 ――「魔術師の杖には盗難防止として、何かしらの細工……たとえば、持ったものが突然火だるまになるとか、雷のような電撃が走るとか……とにかく、高価な物だから、そういった魔術を施している。だから、無闇に触らないほうがいいそ。フィル」――


 そう言われたことがあった……


 それを、思い出しすんでの所で手が止まった。


 あ、危なかった……

 この子に言われなければ……

 そして、兄さんの言葉を思い出さなければ……

 親切心で、どうなってたか分からないな……


 けど、このことは、この世界では常識らしい。

 だから、魔術師の杖を狙う不届きなものがいないのだそうだ。


 ……たしかに、高価なのだから、それくらいの危機感があっても、おかしくはないかもな。


 ただし、杖からすぐに手を離せば、事なきを得れる。

 もしくは、所有者が解除の呪文を唱えることで手違いの事故は防げる。


 のだが……それでも、危険なことには変わりはない。


 そして、オレが手を止めたのを見て、安堵してからその子は杖を拾い上げた。



「よ、よかった……こどもの溶けるところなんて見たくなかったよ」


「………」


 あ、あの……なに、しれっと怖いこと言ってるんですかね……

 一体、どんなものを仕込んでいるんだ……


「おい、なにやってんだ? 『エニィ』おいていくぞっ!」


 と、少し前に出てきた仲間に呼ばれていた。


「あ……ま、まってください! ごめんね、急いでるから――もう行くね! ほんとにぶつかってごめんなさい。もし、怪我とかあれば、大体このギルドにいるので仰ってください。ではっ! ま、まってぇ」


 と、言いながら、その子は足早に立ち去るのだった。

少し、貨幣が出てきたので、貨幣価値を決めようかと考えています。

それに伴い、宗教形態も考えています。


なぜ、この二つを一度に考えるかについては、


その教会が昔の神の教義を広めようと旅をしていた道程を巡る、巡礼をする信者にかさばる貨幣の代わりに、小切手や手形のような貨幣交換のシステムのようなものを設置しようと国との協議を重ねた。

そして、その利便性のため、その国の商人、貴族なども使用しだす感じにしようかなと思っています。


そして、その神権政治国家の宗教に帝国よりもはるか昔から、神機兵装のグリムヘッドのような機体。

人馬一体型が主神に据えて、それを守護する七体の機体とイスカリオテのユダのような裏切り者の機体の計八体の使徒の機体とかを考えています。


まぁ、その機体の話は後回しで。

ですが、貨幣交換は魔力契約で契約できる形にしようかと。


おおまかな草案はこんな感じになると思いますが、どうでしょうか?


実際、この方式はキリスト教の巡礼者のために、みんな大好きテンプルナイツが経営してました。

それを、落とし込もうかと思っています。


あと、冒険者ギルドを今の設定にしていますが、この設定の方がいいでしょうか?

わかりにくいから、まとめた方がわかりやすいと思う方がいれば、普通の冒険者ギルドに設定しますが、どちらの方がいいでしょうか?


一応、冒険者ギルドは現段階の設定で進めます。


あと……ここの地名『ランカスター領』ですが、記憶が正しければ、説明してなかったと思うのですが……

出てましたっけ? ちょっと不安です……

一度、見直して、まとめておかないといけないですね。


結構、その場の乗りで決めてますので、忘れることも多々あります……(`・ω・´)


そんな、ダメ作者ですが、これからもよろしくお願いします。

それから、意見などがあれば、気軽にお願いします。


また、誤字脱字の報告、感想などもお待ちしております。

そして、面白ければ★、ブックマークなどをポチって頂ければ、目汁流して喜びます。

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