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第八十九話 『終焉の刃』

「がぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」


 ラサラの咆哮が倉庫に響き渡る。

 獣のような声――いや、それ以上だ。

 彼女の踏み込みと共に、四本の血線が奔る。


「吼えろ、血脈に宿りし獣神よ――我が怒り、我が誓い、全てを刃と化せ!」


 詩が放たれる。

 そのたびに、倉庫の空気が振動した。

 世界そのものがラサラの戦意に共鳴する。


 その瞳が、かつての絶望から、今この瞬間の“希望”に変わっていく――


 その動きは、人の域を遥かに超えていた。

 容赦ない斬撃が、巨体を持つディノベイダーを切り刻んでいく。

 ディノベイダーも激しく身をよじらせ、何とか反撃の隙を探すが――

 攻撃は当たらない。いや、当てられないと言うべきだろうか。


 火球を吐く暇すらない。

 ただ、切り刻まれ、倉庫の中で血のオブジェと化していく。


 だが――


 ディノベイダーも、黙って斬られ続けるだけではなかった。

 攻撃が届かぬのならば――次なる一手。


 咆哮。

 それは、音そのものを武器とする必殺の一手。


 生き残る――

 それが、原初の防衛本能の如く、その攻撃を選択した。

 

 いや……させられたが正しいのかも知れない。


 ――ぐぉぉぉぉ!!


 倉庫全体が振動し、空気が波打つほどの凄まじい咆哮が響き渡る。

 ラサラもさすがに動きを止めざるを得なかった。


「くっ……」


 小さく、しかし確かに痛みを含んだ声が漏れる。


 他の仲間たちも、耳をふさぎながら身を伏せる。

 圧倒的な音圧が、場の支配権を奪っていく。


 それでも――ラサラは、動こうとした。

 しかし、咆哮の余波が空間に残り、動きが鈍る。


 身体を震わせ、ついに片膝をつくラサラ。


 その瞬間を、ディノベイダーが見逃すはずもない。

 ニヤリと口角を吊り上げ、巨大な尾を振り抜いた――!


「しまっ――!」


 咄嗟に両腕でガードするが、凄まじい一撃は容赦なくラサラを吹き飛ばした。


 ――ガシッ!


 壁に叩きつけられる――はずだった。

 だが、その直前、何かがラサラの身体を受け止めていた。

 そして、ゆっくりと地面へと下ろす。


「ちょっと……ラサラ。護衛に守られてちゃダメじゃない」


 受け止められたラサラは、何が起きたか分からず目を丸くする。


「お……嬢様?」


「そうよっ! わたしよっ!」


「なん……で? 無事なのですかっ!?」


「うん。このスーツのおかげね。これ、すごいのよ。なんか、どんな攻撃も怖くないって感じ。ほんと、そんな感じ」


「おうじょ……うさま。お嬢様。お嬢様ぁぁっ! 良かった……良かった……お嬢様の匂いだ……ううっ」


「……もう、ラサラは……でも安心するのはまだ早いわよ。こいつを何とかしないとね!」


「はいっ! そうですねっ!」


「じゃあ、お嬢様は下がっていてください……」


「いやよ。わたしも戦うわっ!」


「ですがっ、お嬢様では……!」


「大丈夫……すぐに“戦える証拠”を見せるわ。――しゅんちゃ○!」


 ヒュリエがそう叫ぶと、アーマーのギアがけたたましい音を立てて唸りだした!


「ふぅぅ……」


 ヒュリエは剣を構え、息を整える。


 そして――ダッ!


 力強く一歩を踏み出した!

 そうかと思うと、信じられないスピードでディノベイダーに迫る!

 すれ違いざまに一閃!


 ザシュッ!


 深く、鋭く、ディノベイダーの足元を切り裂いた!


 ――ぐあぁぁぁ!!


 ディノベイダーは苦悶の叫びを上げ、顔をしかめる!


 その姿に、場にいた誰もが息を呑んだ。


「「「………っ!」」」


「すごい……でもっ! これならっ!」


 ラサラの剣を握る手に、再び力がこもった。


「分かりました! 私は右、お嬢様は左をお願いしますっ!」


「わかったわっ!」


「では、アズラウィール(栄光あれ)!!」


 ラサラの掛け声とともに戦闘が開始される!


 ラサラは先ほどのヒュリエの安堵と怒りを現す。


 暴風(テンペスト)――


 まさにその言葉にふさわしい猛撃をしかけた。


 ヒュリエもまた、自分を吹き飛ばされた恨みを晴らすかのような攻撃をしかけた。


 そんな時!


 ――パキンッ!


「……っ!」


 ヒュリエの剣が折れる!

 アーマーの出力に、剣が耐え切れなかった。

 ディノベイダーの肉を断ち切る。

 その過程で、無理にねじ込んだ刃が筋肉の抵抗に折られたのだ。


 その状況にヒュリエの動きが止まる。

 それを見逃さないディノベイダーはヒュリエに短い腕で斬りかかる!


 ――ガキンッ!


 ヒュリエは腕でその攻撃を受け止めたっ!


「……ほんとにすごい、このアーマー。攻撃を受けても傷一つ……でも、剣が――!」


 そのとき、フィルの言葉が脳裏をよぎった。


「――あと、ナイフの柄尻のボタンを押せば……」


「……これね」


 ヒュリエは腰のナイフを抜き、ボタンを押す。


 ――キィィィィン!


 鋭い高周波音と共に、刃が震え始めた。


「っ……!」


 高周波の音にヒュリエは少し嫌な顔をする。

 が、そのあとすぐに音が聞こえなくなった。

 多少の不快感はあるが、それでもあの高周波の音を聴き続けるよりはマシ。


 そう思いながら、ヒュリエはディノベイダーに斬りかかった!

 

 ――シュバ!


 切り口は浅いが、なんの抵抗もなくディノベイダーの足を切り裂く。


「……っ! あはは……なにこれっ! すごいっ! これならっ!」


 切れ味の鋭さに面白くなったのか、次々と魔獣に斬りかかっていく。


 一方、ラサラも自身のカトラスを握り締め、斬りかかった。


リフダ(踊れ)! アル・アズィム(蒼皇剣)!」


 彼女の声が響く!

 

 と同時に、ラサラの体が一瞬でディノベイダーの周囲を舞うように動き出す。


 まるで戦場の舞踏。

 刃が空間を切り裂く。

 その鋭さとスピード。

 ディノベイダーは反応すらできず、次々と身体に深い傷を受けていった。


 「ぐあぁっ!」


 ディノベイダーは痛みに顔を歪める。

 だが、まだ反撃の隙を探しヒュリエを見据え腕を振り上げた!


 その瞬間、ヒュリエが一歩前に踏み込み右に避ける!

 と同時に、その腕に乗り駆け上がる!


 そして、頭上に達した時。

 ヒュリエはディノベイダーの目を捉え、切り裂いた!


「ラサラッ!」


 叫ぶと同時にヒュリエは着地。


 痛みに激しく悶える魔獣!

 

「すぐ、楽にする! おおおおおおぉぉん!!」


 激しい雄叫びを上げラサラが腹部に剣を突き立てる!

 そして、そのまま上へと力強く飛び上がりながら切り裂いたっ!


「ガァァァァァ……」


 ディノベイダーは力なく二歩、三歩とよろめくとその場に力尽き、倒れ込むのだった。


「「ハァハァ……」」


 二人共、息を整える。

 そして、動かなくなった肉塊を見て、その場に座り込むだった。

ちょっと、長くなりすぎましたがここの戦闘もおわりです。


そして……ストックもおわりました・゜・(ノД`)・゜・

その次の展開が書くのが間に合わない予定ですっ!(`・ω・´)


出来うる限り進める予定ですが、間に合わないかもですね……(´;ω;`)ウッ…


そのときは、一週間くらい投稿がなくなると思います……ごめんなさいm(_)m


こんな作者ですが、よろしくお願いします


ちなみに、次の展開ははぐれロータスメイデンを登場させようかと思ってはいます。

あと、この魔獣をふっかけたのはハースリア家と思われて、それを払拭しようとするキャメルンが少し奔走するみたいなのも書くかもです。


こんなにゆっくり書いてるから、全体が進まないかもです……

が、作者が納得できる形で進めたいと思います。


色々と申し訳ないですが、お付き合いお願いします。m(_)m


誤字脱字の報告、感想などもお待ちしております。

また、面白ければ★、ブックマークなどをポチって頂ければ、目汁流して喜びます。

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