第八十三話 『出撃準備』
アーマーの着用を勧めるのはいいけど……どう説明するかが問題だな。
オレは、考えている間「ジッ」とヒュリエを見ていた。
「……どうしたの? ジッと見つめて?」
「あ……いや」
時間がないっ!
ええいっ!
「なぁ、ヒュリエ? オレを信じてくれるか?」
「うん、わたしはいつもフィルを信じてるよ」
その一言に、思わず胸が熱くなった。
「……っ!」
なんていうか……
面と向かってそんなことを言われると小っ恥ずかしいな……
だけど……こう、素直な所がオレは好きだ……
って、そうじゃないっ!
信じてくれるなら話は早いっ!
「ストライカー! チスタ! ちょっと来てくれないか?」
オレはその場にいる二人に声をかけた。
そして、人気の少ない倉庫の隅に移動し、そこで小声で説明を始めた。
「チスタには前にも着てもらったから、分かっていると思う」
「……え、また、あれを着るんですか?」
「頼む。回復魔術が使えるチスタに何かあると、助けれるかもしれない命も助からなくなる。だから……」
チスタは少し考える。
だが、すぐにオレの言い分に納得した。
「分かりました。フィル様の言う通りにします」
「ありがとう、チスタ」
そのやり取りにヒュリエは何のことか、わからない。
自分だけ蚊帳の外なのか、少し不満を持ったようにフィルに問いかける。
「なんの話なの? わたしにも分かるように教えてよっ!」
「ああ、教えるから、よく聞いてくれ。今から、ヒュリエに特殊な物を着てもらう」
「特殊なもの……? なにそれっ! 面白そうっ!」
……こういう時は、相変わらず素直に興味を示すよな。
それが、悪い方に引っかからないか、おじさんは心配だよ……
オレはストライカーにアーマーを出してもらう。
インナーをまず二人に手渡す。
そして、チスタは慣れたものだ。
早速、そそくさと物陰に隠れて着替えていた。
ヒュリエはというと。
首をかしげて不思議そうにこちらを見ていた。
「……これ、どうするの?」
「ああ、説明する。まずは今着ている衣服を脱いで、それを着てもらう」
「うん。脱いで着ればいいのねっ!」
そういうと、ヒュリエは早速その場で勢いよく衣服を脱ぎだしたっ!
おおいぃ!
ちょ……おまえ……
男のオレが目の前にいるんだぞっ!
それを……
あわてて声をかけようとした時には、もう全部脱ぎ終わっていた。
うぉぉぉぉぉぉ!!
「………っ!!?」
「どうしたの?」
激しく動揺するオレを他所にあっけらかんとしているヒュリエ。
恥ずかしいとか思わないのかっ! こいつっ!!!
オレが動揺しまくってるよっ!!
視線が……視線が外せないぃぃぃぃ!!
こいつ……
案外育ってるな……
しかも、いい形を……
着痩せするタイプなのか……
しかも動くたびに微妙に揺れて……
「ああ……いいな……」
……って、ちがぁ~~うぅ!
しかも、下のスリットもツルツルで……
おおいいい!!!
何言ってるんだオレはっ!
しかも、体が反応して真っ直ぐに立てないぃぃぃ!!
まずいまずいまずい……
お、落ち着け……
と、とにかく前のストライカーの二重スリットの話を想い出すん……だ……
ヒュリエとチスタの二重スリッ……ゴクリッ
「………」
ななな、何想像しているんだオレはっ!!!
と、とにかく、意識を変えろっ!
今は、大変な時なんだぞっ!
そんなことを考えていると、オレはヒュリエの着替えを最後までみてしまう。
「ねぇ、これでいいの? なんだか、ぶかぶかだけど?」
ああ……もっと、見ていたかった……
……って、ちっがぁ~~~うっ!
「え……ああ、それで首の後ろのボタンを押すんだ」
な、なんとか自分を落ち着かせ、説明をする。
その後、ボタンを押すと「シュッ」と音がして体に密着する。
「わぁ~~。すごいっ! ぴったりになった」
うん、体のラインがハッキリでるほどぴったりだよね……
まずい……さっきの裸を想像してしまう……
「あとは、これを来てくれ」
ジャヴォーダンの森でオレが着ていたアーマーを渡す。
「これ、前にフィルが着ていたもの?」
「そうだ、それを身につけてくれ」
「わかった」
――その後、装備がおわるとチスタのやってきた。
「……じゃあ、ヒュリエはオレとも連絡が取れるから、分からなければ話してくれ」
オレは簡単にそのアーマーの説明をした。
「これ……すごいね。思ったより軽いよ」
「だろ。それに、三十分くらいしか持たないが速度も力も大幅に発揮できる。が、くれぐれも使いどころを間違わないでくれ」
「うん、わかったよ。それで、フィルはどうするの?」
「ああ……ストライカーに乗って、兄さんたちと一緒に外で魔獣を排除してくる」
「フィル様、お気をつけて……アルトメイア様をお願いします」
「もちろん、チスタ」
心配そうに見つめるチスタに、オレは優しく微笑み返す。
一方のヒュリエは、事情が見えない。
そのせいでぽかんとした表情を浮かべていた。
「えっ……? わたしには外に出ないように言って、フィルは戦いに行くのっ!?」
「いや、ストライカーに乗って戦うんだ。生身で戦うわけじゃない」
「え……え? え? どういうこと? チスタは知っていたの?」
と、チスタに顔を向けた。
「あとで話す。今は時間がない。オレを信じてくれ。たのむ」
オレは真面目な顔をして、ヒュリエに伝えた。
すこし、納得がいかない表情をしたが最後は、
「わかった。あとで絶対話してよっ!」
「ああ、約束する」
ヒュリエの視線をしっかりと受け止めながら、オレはそう返した。
そしてオレはストライカーに乗り込んだ。
――行くぞ。必ず、守り抜くために。
このエロ回大丈夫ですかね?
もうちょっと比喩を利かす方が良かったのだろうか?
というより、くどかったかな?
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