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第七十話 『ストライカーの解析結果』③

 閉じた紐――端のない環状の構造を持つ理論上の量子だ。


 その性質上、次元の膜――つまり、次元の壁には引っ付かない。

 そして、次元を超越していると考えられている。

 この紐の一種に重力子が含まれる。

 その理論を説明するためには十一次元の概念が必要とされる。

 それは、統一理論を完成させるための鍵とされている。

 つまり、すべての力を一つの理論で説明できるようになると言われている――


「もしこの粒子がそれに該当するなら、空間や時間を繋ぎ、跳躍する可能性がある。つまり、偶然とはいえ、わたしがこの世界に来た理由のひとつかもしれませんね。可能性の話ですが」


「……まて。お前の話、難しすぎて頭が痛くなってきた……」


「そうですね。直感的には理解しがたい話ですから、無理もありません。ですが、もう少しわたしの推測に付き合ってもらえますか?」


「いやだ……って言いたいけど、正直、興味が湧くのが悔しいな。いいよ、この際、全部聞かせてくれ」


「助かります。それでは結論から。この不可解な量子は、わたしのいた世界には存在しなかった。ですが、この世界では何らかの力を発揮している。そして、フィルの兄――つまりアルトメイア様はそれを使えるが、フィルには使えない」


「……まて、それって……」


「そうです。これは、魔術の力の根源ではないかと推測しています」


「ちょっとまて、なんでそうなるんだ? なにか根拠があるのか?」


「解:以前、シミュレーターを作るために魔術を試してもらいましたよね?  その時の解析結果と、今回の結果を比較し、考察しました」


「そして、先ほどの説明で観測された「変な量子」の中に、粒子がまったく現れない波があると説明しましたよね?」


「……ああ、確かそんなこと言ってたな」


「了。その波には粒子が存在しないため、観測することができず、結果として「広範囲に影響を及ぼす特性」を持ちます。そして――もし、魔術の発動がこの波を利用しているのだとすれば……?」


「それが魔術の力の根源だと?」


「了。いわゆる、『場』の概念に近いものと考えられます。この未知の波が、何らかの形で作用する領域――これを仮に『魔力場』と呼びましょう。そして、既存の量子と同じ振る舞いを持つ粒子を『レトロ魔力子』と仮に呼びましょう」


「魔力場……?」


「魔力場は広がる『海』のようなものです。その中で発生する『波』が『レトロ魔力子』の振る舞いです。そして、特定の条件でこの波が共鳴し、魔術が発現するのではないでしょうか?」


 さらにストライカーは語る。


「つまり、物理的には直接観測できないが、確かに何らかの影響を及ぼしている領域。それが魔力場。そして、その場の中で反応する魔力子が、結果として現象を引き起こす。そんな仕組みではないかと考えています。ただ問題は、人間がどうやってこの波を操作しているのか、という点ですね」


「つまり、魔術を使える者は、その魔力場の力を使えるということか?」


「了。そのためには、何かしらの『媒介』が必要になるはずです。私が推測するに、魔術を使える者には特有の『器官』が備わっている可能性があります」


「器官?」


「例えば、それが脳のニューロンと直結しているとしましょう。魔術を行使する際、この器官がスイッチのような役割を果たし、脳内のイメージが物理現象として発現する。フィルの兄との会話から、イメージが大事と聞き及び、予測を立ててみました。そして、詠唱――つまりは言葉にすることで、イメージがよりハッキリとできるのではないか? そう結論づけました。あと、もう一つの仮定もあります」


「それは?」


「その器官で、ある特定の周波数のようなものが関与しているのではないか? そう予測します。考えうる可能性は、このどちらかではないかと推測します」


「なんか……オレはさらに頭が痛くなってきた……脳の許容量を超えそうだ」


「そうですね。とても、直感的には理解出来ないものばかりの話ですしね。では、次で最後にしましょう」


「まだ、あるのかよ……」


「これが最後です。もう少しお付き合いを」


「わ、わかったよ……手短に頼む……」


「了。先ほど魔術を使える人は、体に何らかの「器官」を持っている可能性があると申しましたよね」


「ああ、言っていたな」


「例えば、それが脳のニューロンと直結しているとも、魔術を行使する際、この器官がスイッチのような役割を果たしいると言いましたね。それが、脳内のイメージが物理現象として発現するとも」


「そうだな」


「それで、魔術を行使する時に、発現した現象は、映像的にはそこに存在しているように見えますが、物理的には実在していない可能性があるのです。つまり、量子の「重ね合わせ」の状態が生じているのではないか、と推測します」


「どういうことだ?」


「例えば、魔術で生み出された炎は、目で確認できるが、物理的な影響――つまり、質量や熱を持たず、実際には何のエネルギーも発生していない。ただの『幻』のようにそこに存在しているだけの状態になります」


「それで?」


「そして、そこで魔術の力の行使を行う。つまりは観測をすることで、『魔力場』内の仮想的な粒子――『レトロ魔力子』が反応し、結果として物理的な影響が発生するのではないかと推測します。そのため、その器官が反応してない時には、「魔力場」の『魔力子』も反応せず、ただ広がるだけの存在になります」


 その後にさらにストライカーは付け足す。


「こう考えると、物語などでよく見られる魔術のエフェクトも説明がつくかもしれませんね。例えば、詠唱と同時に光が走る現象や、炎が突然燃え上がるような演出も、この『魔力子』が反応して局所的にエネルギーが発生した結果だと考えれば、ある程度筋が通るではないでしょうか?」


「うう~ん。言ってることは、なんとなく分かるのだが……それって……」


「そうです。あくまでも個人的な見解ですよ。この推測が合っているかなんて分かりません。もっと、研究しなければ、何も始まりませんよ。ですが……興味深いとは思いませんか?」


「まぁ、そうなんだけどな。オレの手には余るよ……」


「……そうですか。そうですね……たしかに、あまりにも理解しづらく、長くなりましたしね。ここまでにしましょうか」


「そうしてくれると、助かるよ……けど、面白かったと思うよ、たぶん……ただ、理解が追いつかなかっただけだ……すまない」


「了。いえ、わたしも誰かに聞いて欲しくて、語っただけかも知れません。ただ、あの危険な量子だけは覚えておいてください。危険性だけでも、理解していれば滅多なことはしないと思いますので」


「分かった。覚えておくよ」


「……っ! 誰かきますっ!」


 ストライカーはそう言うと、すぐさまに光学迷彩をかけるのだった。


「フィルっ! フィルゥ~。どこにいるの?」


 この声は……


「あっ! こんなところにいたっ!」


「……ヒュリエか……」


「なによっ! わたしじゃ不服なのっ!?」


 そう言うと、プイッと顔を背けてむくれた。


「そうじゃない……それより、なにか用なのか?」


「そうよっ! 今から稽古に付き合ってっ!」


「ええ……さっきまで、あれほどやったのに……」


「いいからっ! いくわよっ!」


 そう言って、無理やりオレは引きずられたのだった……


「……ちょっとだけだぞ……」


「うんっ! ふふふ」


 ヒュリエは楽しそうにラサラの待つ稽古場へと行くのだった。


 ――ストライカー視点。


 良かったですねフィル。

 楽しそうで何よりです。


 それにしても……「魔力場」……ですか……

 推測とは言え、途方もない考え方に至ったものです。


「………」


 ……魔力場は粒子のない量子としての振る舞いをしている。

 そう考えると、まるでダークマターやダークエネルギーのようですね。


 観測できないが影響を与える――


 ダークマター:直接観測できないが、重力的な影響を与える

 魔力場:直接観測できないが、魔術の発動を可能にする


 広がる性質を持つ――


 ダークエネルギー:宇宙の膨張を加速させる性質を持つ

 魔力場:粒子が存在せず、広がる特性を持つ(仮説)


 物理的な作用を生む媒介になっている――


 ダークマター:銀河の運動に影響を与える

 魔力場:魔術の発動に影響を与える(媒介となる)


 観測できないのに影響を及ぼすという点。

 それが、非常によく似た特性を持っていると言えるかもしれません。


 ……もし、『魔力場』も『ダークエネルギー』や『ダークマター』と同じく、粒子を持たない波のような存在だとしたら……?


 それらはただ、力の向き――つまりベクトルが違うだけなのかもしれない。


 ダークマターは重力を通じて物質に影響を与え、ダークエネルギーは宇宙の膨張を加速させる。そして魔力場は、特定の条件下でエネルギーの形を変え、魔術として作用する。そう考えると、それらは共に観測不能でありながら異なる形で作用しているものなのかもしれません。

ちょっと、この4話あたりは長くなりました……


この手の話にすると説明がすごい難しくて、手こずりました。

もう少し分かりやすく出来ればと思いますが、このあたりが限界です。


もっと、細かくすると、もう手がつけれなくなりそうで、こんな感じなんだな~と考えてもらえれば助かります。ただでさえ、理論的に合っているのかどうかも不安ですしね。|緊張|ョ゜Д゜;))))ドキドキ


これでも、分かりにくければ、申し訳ありません。

ですが、これ以上の説明は作者の文章の至らないところです。


そんな感じで、この説明は終わりです。

ここからは、アルトメイアの訓練などと、対戦までの間のヒュリエやチスタ、姉など踏まえ、どこかで大型魔獣の出現の前兆などで、一度グリムヘッドを動かそうかなと思っています。(やるとは言ってない(`・ω・´)


ですが、一度は動かさないとなぁ~

と、思ってますので動くとは思います。


これ……終わりまで書けるのだろうかと思ってしまいますが、お付き合いおねがいします。


また、誤字脱字の報告、感想などもお待ちしております。


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