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第三十三話 『ケーニッヒ・ブッシュボーン』①

 この家に生まれたボクは、兄と違い女の子だった。

 だからなのか、父はボクに興味がない。


 ――それを示す何よりの証拠が、ボクの名前だ。


 『ケーニッヒ』


 これは本来、男の子に付ける名前。

 ボクが女の子だと分かっていたのに、父は名前を変えようとしなかった。


 母は怒った。使用人たちもざわついた。

 でも、結局そのままになった。


 それ以来、父はボクに何も言わない。

 部屋でずっと魔道具を弄っていても、怒られることも、褒められることもない。

 話しかけてくるのは使用人か、やりたくもない勉強を押し付けてくる先生くらいだ。


「女の子なのだから、お淑やかに」


 母も、使用人も、先生も……

 誰もが口を揃えて言ってくる。


 だけど、ボクには無理だった。


 だって、魔道具を弄るのが楽しいんだもん!


 ――それに、ボクには夢があるんだっ!――


 ~~~


 

 小さい頃、父が気まぐれに買ってくれた魔道具にボクは魅了された。


 それはなんてことのない、ただ前進する人形だった。


 だけど、それがボクの目には不思議に見えた。


 そして、どういう仕組みなのかが気になり、破壊してしまった。


 厳密に言うと、分解したら直せなくなっってしまった……


 かなしかった……辛かった……


 何より……悔しかった……


 なぜ、直せなかったのか、考えた。


 考えて考えて、気づいた。


 ボクには直すだけの知識がないと気づかされた。


 だから、ボクは知識を得ようと思った。


 けど、どこで? ナニで? どうやって?


 分からなかった……


 誰かに聞けばいいのか? と思ったが……


 父は忙しく仕事をしていて、ボクのことなどお構いなしだ。


 お付の使用人に至っては「さぁ、わかりかねます」と言われる。


 ふざけんなっ! 使用人ならそれくらい知っておけよっ! 


 と、思ったが他の使用人にも尋ねたが普通は知らないらしい……


 どうにも困った。


 ダメもとで、一番聞きたくない「勉強という名の拷問」をさせられ、先生と呼ばれて、いい気になっている、ボクの一番嫌いな人にも聞いてみた。


 だけど、そのクソ野郎も知らないとぬかしやがったっ!


 しかも――


「そんなことよりも、もっと真面目にわたしの話を聞いて、しっかりと未来を見据えていかないとこれから先、苦労なさいますよ」


 と、したり顔で言い放たれた!


 クソ虫野郎がっ! 余計なお世話だっ! ちゃんと見据えているじゃないかっ!


 魔道具を作ってボクは生きていくんだっ!


 と、そう言いたかったが、ボクは面と向かっていう勇気がなく。


「そうですね。はは……」


 と、情けなく愛想笑いをしたんだ……


 この時の事は、よく覚えている。


 余りにも悔しくて、記憶に残ってしまったんだ……


 そんな時にある使用人が「それなら書庫を探してみたらどうですか?」と言われた。


 そして、ボクは「ハッ!」とした……


 その使用人はよく覚えている。


 たしか「ハッサン」と呼ばれていた。


 そして、書庫に入る許可を父からもらい入ってみたものの……


 あるのは「ブッシュボーン家の系譜」とか「帝国の歴史」とか「故:大魔術師エンブラントの魔術教本」など、ボクが探している本はなかった……


 本棚があるとはいえ、やはり武門の家としての側面が強いのかそんなに多くはない。


 諦めに近い気持ちで最後の棚を探していると『古典魔道具の基礎』という本を見つけたっ!


 ――ドクンッ!


 胸が高鳴ったっ!


 やっと、あの人形を直せるかもしれない! 


 その方法が、もしかしたらここにあるかもしれない!


 早速、ボクは本を開いて見た。


 目次をざっと流し見した後、『魔道具の取り扱いの注意点』などの項目が目に入ったが、そんなものは後回しだ! ボクが欲しいのは、魔道具を作るための道具と、その方法だ!


 手元に置いてあったメモ帳を取り出し、まずは製作に必要な道具を探し始めた。その一行一行を、何度も何度も読み返す。ページをめくるたび、期待と興奮が込み上げてくる。


 だけど――


 読めば読むほど、分からない言葉や説明が並んでいて、だんだん頭が痛くなってきた。


「基本魔方陣の『重ね描き』って……何のこと?」


 眉間にしわを寄せながら、次々とページをめくるが、何も理解できない。書かれている道具の名前や、それを使った方法も、どこか遠い世界のことのように感じられる。


「『三属性干渉の影響を考慮して~』って、三属性って何?」


 ボクはこれまで魔道具に触れたことはあったけれど、こうした基本的な部分の知識は全く足りていない。どうして、こんなに難しいんだ? 


「この図、どこから組み立てるんだ?」


 くやしい……せっかく本があるのに、理解できない……


 思わず机を叩きそうになったが、ぐっとこらえた。


「これじゃ、どうにもならない……」


 ボクは立ち上がって、本を机に放り投げ、頭を抱えた。何が足りないのか? 


 どうしてこんなにも理解できないのか?


 本に書いてあることが理解出来る本が欲しい……


 そう感じられずにはいられなかった……

ケーニッヒ姉さんは、さくっと2話くらいで終わらそうと思ったのですが予想以上に長くなってしまいました。


どうにも、できる限り余計な物は削ったのですが、必要だよな……となり、六話構成になってしまいました……物語の遅延が起きて、すいません。


あと、もうちょっとブラッシュアップ出来ればと思いましたが、作者の限界です。(言い訳(*´∀`*)


まだまだ、拙い作者ですがよろしくお願いします。


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