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三十一話 『エネルギー問題』

 ――「出力が最大でも四割弱までしか上がらない」


 そうストライカーが話し出してきた。


 原因は分からないが、オレは話を聞いてみることにした。


「ご存知の通り、わたしは量子を変換してエネルギーを得ています」


「まてっ! それはご存知じゃないっ! 初めて聞いたぞっ!」


「……え?」


「そんな……バカな……みたいな返答されても困る……さっぱり、理解出来ない……」


「困りました……こんな序盤で躓かれるとは……どう説明すればいいでしょうか?」


「それは、オレが聞きたい……」


「そうですね……まずはエネルギーはわかりますか?」


「そら、一応西暦二千年に生きているヤツで知らない奴はいないだろう」


「それはよかった」


 コイツ……しれっとバカにしてないか?


「では、量子の変換について……」


「そこだっ! なんだ、その量子の変換ってっ!」


「そうですね……一つずつ説明しますね。量子は分かりますか?」


「一応、物質の最小単位? だったかな?」


「了――その通りです。物質の最小単位には、光子や電子、ニュートリノ、そして中性子など、さまざまな種類があります。それらの量子はエネルギーを持っていて、それをわたしのクァンタムコンバーターで変換し、エネルギーとして取り込んでいるのです」


「で、それのどこが不具合があるんだ?」


「解答:それなのですが……どうやら、取り込んだ量子の中には、変換できない種類のものが存在するらしいのです。それらは変換できないため、取り込んだ後、そのまま排出せざるを得なくなります。つまり、変換できるエネルギーを取り込んで、変換できない分も一緒に排出することになります。このプロセスにより、エネルギーロスが発生し、現在の出力は最大でも六割以下にとどまっているのです」


「えっ! それ大丈夫なのか!?」


「解答:当然、大丈夫ではありませんが……今のところ問題はなさそうですね」


「そうか……ならよかった……ん?」


 オレは少し疑問に思ったことがあった。


 車にしろバイクにしろ、EV車にしろ、何かを動かすのには燃料が必要だよな?


 で、その燃料がなくなれば動かなくなるはず。


 しかし、こいつは量子を変換して動かしているということは量子が燃料ってことになるのか?


「なぁ、それってつまりは量子が燃料になるってこと?」


 その質問にストライカーは少し考えた後、


「解答:そのように表現することもできますが、実際にはエネルギーとして変換するだけで、枯渇することはありません」


 と答え、さらに続ける。


「それに枯渇しても問題はありませんし、出力を上げるためには、どうしても足りないエネルギーを補わなくてはいけません。そのため、重力子を使ってディラックの海に干渉し――」


「まてっ! 何を言ってるんだ? さっぱりわからないぞっ!」


「……申し訳ありません。では、簡単に言いますと、エネルギーを補うためには、無限にエネルギーが湧き出る状態を作り出す必要があるのです」


「そんなこと言われても、無限なんてどうやって……」


 それは――


 ※この説明は物語に直接関係がなく、進行を著しく妨げてしまいますので割愛します。

 気になる方は、一応書いたので別に載せておきます。


 興味のある方がいれば、そちらで確認を。


 ここから先は必要な情報だけで進行します。


 では――続きを。



「………つまり、どういうことだ?」


 ストライカーは少し考え込み、そして簡潔に答えた。


「解答:簡単にまとめると、このエネルギーシステムの流れは次のようになります」


 1、重力子の閉じた紐が、空間を波動的に振動し、エネルギーを束縛します。

 2、そして、ディラックの海から負のエネルギーを引き出します。

 3、そのエネルギーをクァンタムコンバーターで変換し、正のエネルギーとして利用可能にします。

 4、最終的にそのエネルギーがジェネレーターで動力に変換され、わたしを動かします。


「つまり、わたしのエネルギーシステムは、これらの複数のメカニズムを使ってエネルギーを生成しているのです」


「うん、何を言っているのか分からない……つまりは?」


「解答:ちょうすごいシステムということです」


「あ、理解」


 なんか、それだけでいいと思いました(まる

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