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第二十七話 『受け入れた選択』

「ロータスヘッド」も「グリムヘッド」も兄の継承式まで動かないですね(*´∀`*)


どちらかというと、軍事機密系の設定なので如何ともしがたいですね。このあとにアルトメイアを英雄にして家の格を上げようと画策した上に、継承者として指名し、そこで他の貴族とわちゃわちゃになり、アルトメイアがある程度動かせるようになったタイミングで同じ爵位なのに「グリムヘッド・M]を賜っているの僻んだ「グリムヘッド・N]を持っている貴族との対戦を考えています。そこにストライカーをつれたフィルが観戦して、わちゃわちゃする予定ではありますが、まだまだ、そこまでが遠い……ですね(´・ω・)

 ――ガヤガヤ。


 ジャヴォーダンの森付近では、朝から「壊滅の斧騎士団(K.O.A)』の騎士団員が慌ただしく動いていた。


  フィルたちは討伐を終え、屋敷に戻って父に報告するつもりだった。だが、父は貴族との会合でしばらく帰らないらしい。仕方なく、留守を預かる騎士団長『ウェルズ・エクセリオ』に報告をすることになった。


 留守を任されているこの屋敷の騎士団。


 ――『Knights of the Obliterating Axe(ナイツ・オブ・ジ・オブリタレイティング・アックス)』


 ――別名『壊滅の斧騎士団』『K.O.A』と呼ばれる。


 この騎士団は、


 団長 ×1(騎士団の統括者)

 副団長 ×2(団長を補佐し、指揮を執る)

 斧騎士隊(Axe Knights)× 30(精鋭の騎士たち、主力)

 戦術支援隊 × 20(魔法支援、戦術指揮、斥候など)

 盾兵隊 × 15(防御と陣形維持を担当)

 機動隊 × 20(騎馬や素早い戦闘が得意な部隊)

 後方支援部隊 × 12(医療、物資運搬、補給など)


 の構成である。


 そして、その下に下級兵士が三百名ほど引き合えている。


 その三百人は、普段は農作業などを行い、必要に応じて招集される。


 所謂、屯田兵だ。


 騎士団長の『ウェルズ・エクセリオ』は、眼前の光景に目を見開いた。


「これは……」


 「コロッサス・オグマ(伝説的な巨人)」の死骸が道に転がっているのを筆頭に「ルイン・ジャッカル(破滅のジャッカル)」「デスプライト・ボア(死を照らす猪)」に「モータル・リザード(死をもたらすトカゲ)」それに「デスウィーバー(死を絡め取)アラクニス(る蜘蛛)」と

グルーム・ストーカー(死の影を追う者)」が数十体の討伐の跡がある。


 「コロッサス・オグマ」――伝説級の巨人。単独で町を滅ぼしかねない魔物。

 「ルイン・ジャッカル」「デスプライト・ボア」――ジャヴォーダンの森に潜む獰猛な魔獣たち。


 これらをたった一人で討伐……?


「……こんなもの……どう報告すればいいんだ……」


 これが、未だ十才のアルトメイア様一人で倒したことに『ウェルズ・エクセリオ』は驚きは想像を絶するものだった。


 「――壊滅の斧騎士団(KOA)、わが国でも精鋭と名高い騎士団だ。百名の騎士と三百の兵士から成り、魔物討伐を専門とする。だが、その騎士団ですら、これほどの魔物を一度に狩ることなど不可能だ……!」


 これを、たかだか十才そこそこの子がかっ!?


 グルーム・ストーカーの死骸が転がる焼け野原を見れば、強力な魔術を用いたのは理解できる。だが、デスウィーバー・アラクニスの硬い外皮を貫いている傷跡はどういうことだ?


 通常の剣では傷ひとつつかないはず……だが、明らかに内部まで刃物が到達している。これは鍛え抜かれた武器か、魔力を帯びた剣でなければ不可能なはず。


 アルトメイア様が剣を?


 たしかに、フィル様と模擬戦をしていた。しかし、それだけでこれほどの魔物を斬れるものか?


 いや、それよりもコロッサス・オグマだ。


 外皮には焼け跡がある。魔術で攻撃したのは明らかだが、問題はその倒し方だ。内部が破壊されている……どうすればこんなことが?


 ウェルズは頭を抱えた。


「……どうする。これをどう報告すればいい……?」


 誰が信じるというんだ……!


 『ウェルズ・エクセリオ』は頭を悩ませるのだった……



 ――フィルたちが森でこれからのことについて話し合っている。


「では、オレの考えを言います――」


 まず、オレと兄さんがこの魔物たちを倒したと言った場合、どちらを信用しますか?


 そう言うと、オレの予想通り、兄の方を信用するだろう。


 と言うより、兄を信用したいはずだ。


 兄の功績はそのまま家の功績となり、家の名声が上がるはず。


 しかも、それをまだ年端もいかない跡取り息子が成し遂げたとなれば――


 これは非常に、大きなアドバンテージとなるはずだ。


 これから家を背負って立つ身として、他の貴族に先んじて一歩抜け出すチャンスになる。


 父もその魅力には勝てないだろう。


 信じられなくても、この功績の大きさを利用したいはずだ。


 言い分がウソだったとしても、実際に魔物を討伐した事実がある。


 それを利用しない手はない。


 だって、有り得ないことを成し遂げたのだから、父親にとってはその事実だけで信じ込む理由になる。


 だが逆にオレがやったと告げたところで、「嘘をつくな!」と言われて、独居房や鞭打ちなどの刑罰を受けることになるだろう。


 そんな父親だ……


 オレの言うことなんて絶対に信じるわけがない。


 それなら、兄さんの功績にしておいたほうが、何かと物事がスムーズに運ぶのだ。


 オレが兄さんの模擬戦で腹を立てて、ジャヴォーダンの森に行こうとしているのをチスタが見かけて、アルトメイアに報告する。


 すると、さすがに弟の暴挙を見過ごして見殺しにするのは、跡取りとしての立場がなくなる。


 そこで、急を要したため、アルトメイアとチスタがフィルを説得に向かったという筋書きで、それでも追いつかずに、森の中に入った形跡を見つけ、しかたなく搜索に入って魔物を討伐した。


 そういう筋書きだ。


 その事でオレに言及されるのは、どうしてそんな面倒事を起こした。


 と、問われるくらいだ。


 幸い死人も出てないし、街にも被害はない。


 それなら、いくらでもやりようがある。


 それより、全て隠して後になり色々聞かれて、ストライカーの存在までも見つかるのがオレに取っては嫌だった。


 なら初めに、全ての嘘を上手く描いていたほうが、それなりに説得ができる。


 それだけのエサがあるのだから。


 と、オレは兄さん達に伝えると――


「だが、それは……それで、フィルはいいのか? きっと、父に色々言われるぞ」


「いいんです。べつに……後で色々言われるより、一回で済ませた方が楽ですよ……それに……慣れてるんですよ。こういうのは」


 と、オレは笑顔で答えた。


 慣れている。


 そう慣れているんだ。


 これまでは、ただ理不尽を受け入れるだけだった。


 だが、今回は違う。


 自分で望んだのだから。


 ――そう、オレはこういうのには慣れている――


「………」


 ……今回は少し違うな……


 ――理不尽を受け入れる覚悟が出来ているんだ――


「フィル様……」


 オレを見るチスタの眼はどこか尊敬を感じさせる目だった。

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