常識に反したポルシェ
これまで酒も女も無関係の人生を送ってきた高崎は、友人の誘いで「外車飲み」なる飲みの場に行くこととなった。
「外車飲み」のリーダーだという「ランボルギー兄」とfacebookを交換した。
ランボルギー兄のfacebookはいかにも陽キャそのもので、愛車であろうランボルギーニとのツーショットや女友達とのドライブ写真で埋め尽くされている。正直、承認欲求の塊のように見えてかなり不快だった。
「…気分悪いな」そう言ってランボルギー兄に文句を言おうと、プリウ須賀は直接会いに行った
ピンポーン、返事がない。俺が無視されているような気がする。
「プリウスは眼中にないってことが、クソが」
苛立った俺はその辺のジジイを轢き殺し、血まみれのプリウスをビッグモーターに売りにいった。査定額は30万円。舐めてるのか。
俺はランボルギー兄を保証人としてローンを組み、ポルシェを買った。
初めて自分の所有物となったポルシェに高揚感を隠せず、さっそくエンジンを起動させた。大きくも貴らかな重低音。押さえられない興奮と共に、とりあえずは自宅へと車を走らせた。
しかし、帰宅最中に警察に止められた。「いや、こんなのダメでしょ」俺は訳がわからないまま指差したところを見ると、ボンネットには「天皇一家は犯罪者」と書かれていた。裁判の結果不敬罪で死刑宣告。妥当である。