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悪役令嬢の中身が私になってしまった。  作者: iBuKi


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第五十五話 休息しようそうしよう。

最近の目まぐるしさ(自業自得)が少しだけひと段落したので、いい加減少し休憩しようと今日は何も予定を入れない事に決めた。


 リティシアの部屋の中で一番大きな窓の前の床にはフカフカのクッションがいくつか並べられており、そこでユキとスノウは日向ぼっこをしていた。



「なぁ、ユキ。あの暑苦しいの引き取ってくれね?」

 真剣な声でユキに話しかけるスノウ。

 スノウの瞳は「もう限界」と訴えている。


 スノウの隣にだらっと寝そべり微睡んでいたユキは、薄目を開けてくあっと欠伸をした。

 そして「暑苦しいのってなに?」と呑気に問い返す。


「はぁ? 暑苦しいのって言ったらアイツしかいないだろう。」

 スノウは己の真面目な話を茶化すなと言わんばかりに少し不機嫌になる。


「ええー? 何そのヒント無しのやつ。僕に分かると思うの?」

「誰に尋ねてもアレだと断定出来る事にヒントは必要ない。」

 だらけた頭を上げ、はい? っという風に首を傾げるユキ。


「例えば、そこにいるリティシアに訊いてもいい。すぐに答えられる筈だからな。」


「なんかめんどくさくなってきたから引き取るの無しってことでいいかな?」


 ユキはまた頭を伏せてうとうととしだす。


「いやいやいや! ちょ、ちょっと待て! オスカーだよ! 暑苦しいっていったらアイツしかいないだろう!」


「そう? 別に僕には普通だけど」

「はぁ!? んな訳あるか! お前、オスカーが話しかけそうになったら寝たフリして無視してんの知ってるからな!」

「そんなことしてないけど」

「嘘つけ! 何度あの暑苦しいのに泣きつかれたと思ってんだ!片手で足りない数だぞ! 暑苦しいのがもっと暑苦しく縋りついて来てこっちは迷惑してるんだからな!」


 はふう…と大きなため息を吐くユキ。

 ユキの心中では「スノウも僕からすると負けないくらい暑苦しいんだけど…暑苦しい同士お似合いなんじゃないの」と呟かれていたりする。


 無言が続くユキにスノウが「なぁ…頼むよ」と下手に出ている。


「んー……考えとく(考えるだけね)」

「おお! 助かる!(これでスノウに押し付けられるな!)」


 オスカーが非常に不憫だなと二匹のやり取りを眺めながらリティシアは思うのだった。


 そんな会話がなされている時、オスカーがくしゃみを連発しながら「風邪かな……不肖オスカーまだまだ鍛錬が足りないのだな! これでは兄弟子としての面目もたたぬ、精進しなければ!」とますます暑苦しい思いを燃やしているのだった。



 そしてリティシアは、仲良く日向ぼっこする二匹を眺めながら、今日のお昼はピクニックにしようかな? と考えていた。



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