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悪役令嬢の中身が私になってしまった。  作者: iBuKi


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第二十三話 スッキリ。

「難しく考えすぎていたなー、もっと気楽に考えればよかった。」


 最初、女神であるティナ様も言ってたじゃないの。


“世界を引っ掻き回して欲しい”って。

 勿論、やりたい放題やれって事ではないとは思う(思いたい)けど、

 刺激を与えて活性させて欲しいって事を言いたかったんじゃないかなって。


 私は大きな力の幸運を喜ぶより、その力を行使した後の行く末ばかりを気にしてた。

 そこは女神様だってちょっと責任がある気がする。

 人のせいにするのは楽だから思ってる部分もある。

 けどさ? あの時そうじゃないんだよって、もっと楽に考えてって世界を元気にして欲しいのって言ってくれてたら、あそこまでビクビクしなかったと思うんだよ。


 ティナ様って、何だか私がイメージしていた神様からはかけ離れた女神様だとすぐ忘れちゃう。

 そんな女神だって思うと、あの時の教会での会話も、面白がって怖い方ばかり煽ってくれてた気がしないでもない。


 とりあえず、力の発覚から怖い人たちに狙われる事ばかりを恐れてたけど、

 ステータス見たら、私、そう簡単にどうにか出来る存在じゃなくない? と気付けたのは良かったと思う。


 そのことを増々実感したのは、ユキとスノウにステータスをひとつひとつ説明した時だった。


 ユキもスノウにもそんな能力知らないってなっちゃって。

 私も一回一回こんな感じだと説明するのも疲れたので、創造魔法を初めて使ってステータスと口にしたら自分の許可がある相手に限りステータスが見れる魔法? を作ったのだ。

 そしたら、ユキとスノウが好きなだけ見れるし、私も楽だから。

 よくよく考えたら「ステータス」と声に出して言葉にしないでも、脳内で言葉にすれば発動できるってするの忘れたわ。


 …今度改良しよう。


 早速創造魔法を使ってみた事で、やっぱり凄いスキル能力だって改めて思って、

 そんな私って簡単にどうにか出来る存在じゃないのに何で怯えてたの? と。


 今は、私に与えられた能力を使ってやりたい事がたくさん思い浮かぶ。

 コインの表裏のように、裏で暗澹としていた気持ちは、表にくるりと変わって明るく前向きになっている。


 私のやりたい事のひとつには、どうやらお金がかかるらしい。

 公爵家令嬢の私には一見お金を多く使えそうなイメージがあるけれど、

 私が動かせるお金はほぼない。

 高価なドレスは公爵家専属の服飾店があるし、身に着ける装身具から小物もお父様たちが行商を呼んで買い付けている。

 私がすることは行商が持って来た品物から選んだり「こういうものはないの?」と訊いて、手元になかったり店にない場合は探して取り寄せ、手元にある場合はそのまま購入する。

 そこは直接のお金のやり取りではなくて、月の最後にまとめて支払うのだそう。

 よって、私の手元にはお金など全くないのだ。


 宝飾品をこっそり街に行き売るのも考えたけど、バレた時が恐ろしいので出来なかった。

 子供でも稼ぐ事が出来ることを考えると、冒険者ギルドに行って稼ぐか、商業ギルドに商品を持ちこんで特許料で稼ぐか。


 うーん。

 まずは冒険者ギルドでギルド登録してどれくらい稼げるか調べよう。

 実は冒険者ギルドも商業ギルドもハーフバースデーを終えた後なら登録できる。

 半成人になった事で、平民は早くも働きに出る子が多いそう。

 勿論小さな子供が出来る見習いからスタートするらしいから賃金は少ないみたいだけど。

 その流れで、冒険者ギルドと商業ギルドも登録してお仕事ができるのだ。

 そういう事をユキが全部説明してくれた。

 聖獣様なのに何で詳しいのかと思っていたら、私の護衛として天界から降りてくるときに、女神様から色々授けて貰った知識らしい。

 それは本当に助かる。

 使用人に訊くとお父様たちに筒抜けだ。

 私が今からしようとしてる事は絶対に反対される。

 だから、使用人に訊かずとも、ユキが詳しく知っていて、非常に助かったのだ。


 ユキとスノウも覚醒する為にはモンスター等を倒して経験を積まないといけないらしいから、冒険者登録してモンスターを討伐するのは大変助かるとのこと。


 常に私の傍に居たいから、ソロで狩りには行けるけど行かずにゴロゴロしていたらしい。それじゃいつまで経っても覚醒しないままだ。


 じゃあ一緒に行けば問題ないということで、一刻も早く冒険者ギルドに行って登録してモンスター狩りをしたい。


 けれど、一人でお出かけは許されないだろうし、使用人と冒険者ギルドなんて、増々いけないし。


 まずは屋敷を誰にもバレる事なく抜け出し、ギルドがある城下町に行ったら、速攻冒険者ギルドへ行きたい。

 作戦をたてなければ。






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