最強会長の異世界無双《異世界(この世)の沙汰も金次第!?》
ちょっと設定を思いついたので書いてみた。
長者番付1位 阿久代 明神 2兆9850億円
「会長!長者番付1位おめでとうございます!」
「ははは!まだまだじゃ!次は世界一を目指さんとな」
部下の煽てる声に少し笑みを浮かべながらグラスのワインを飲み干す。
男の名前は阿久代 明神御年64歳ACDカンパニーの設立者にして会長である。
国内最大の企業で通信から通販業、食料品からゲームソフトまで、身の回りの物にACDカンパニーの物が無い人を探すのが難しいと言われる位の大企業である。
「〜♪〜♪」
「ん?電話・・・神奈か・・・」
薬田神奈旧姓阿久代 神奈、明神の父の兄の娘つまり従兄弟である。
「なんじゃ?」
今までのテンションとはかけ離れた低い声で電話にでる。
「なんじゃ?とはご挨拶ね叔父様、1位おめでとうございます。」
心にも無い事を!
「それだけか?なら切るぞ。」
「・・・あの件考えてくれたかしら?」
やはりそれが狙いか。
「ふん!何度も言っておるじゃろ!親戚だろうがお前には1円たりとも残すつもりは無い!」
しばらくの沈黙の後
「・・・残念だわこれが最後の電話になるのが」
「なんじゃと?」
「さようなら叔父様。あなたのお金は私が有効活用してあげるから安心してね。」
ドンッとボディーガードの赤井に突き飛ばされる。
「な!?」
その直後に破裂音とガラスの割れる音が響く。
「会長!大丈夫ですか!」
「あ、ああ」
狙撃だと?神奈わしを殺す気か!
「会長!窓から離れて下さい!青田!警察に連絡を!」
赤井は部下の青田に指示を出す。
「はい・・・!?電話が通じません!」
「なんだと!?くっ!妨害電波!?」
「ならこれでどうじゃ」
窓からの狙撃を警戒しながら備え付けの端末から警備室に直接連絡をとる。
「・・・通じない?内部まで入り込んでおるのか・・・」
この端末は有線繋がらないという事は物理的に切断されていると言う事だろう。
「会長このままここに居ては危険です。外部と連絡を取るためにも移動しましょう。」
青田の発言に頷きエレベーターを使い1階へと降りる。
「こっちです。」
青田が駐車場へと先導する。
キョロキョロと辺りを見回すが人の気配は無い。
「・・・?」
「赤どうした?」
「いえ・・・用意周到の割にすんなりとここまでこれたような気がして・・・」
「・・・確かに。」
先導している青田が安全を確認し手招きする。
「向こうが何を狙っているかはわからんがとりあえずはここを離れてからじゃ。」
「はっ!」
何とかガレージまで到着した。
「赤井さん俺が先に出て囮になります。赤井さんはそのすきに会長を乗せて外へ。」
「ああ、お前も気をつけろよ。」
シャッターをあけエンジンをかけ出発の準備をする。ふと前の車のバックミラーが目に入った。
(・・・笑ってる?)
はっきりと見えた訳では無いが青田の顔が笑っているように見えた。
「行きます!」
青田に遅れる事数十秒赤井がアクセルを踏み込む。
「まっ!」
待て言おうとしたが間に合わず車が動き出す。
「え!?ギャッ!!」
敵に見つからないようにライトを消していたのが災いして門へと向かう途中何かにぶつかり車が止まる。
「・・・くっ!赤井大丈夫か?」
「は、はい。でもこれは・・・」
「・・・会長外に出てきてもらえますか?」
「やはり・・・お前か」
「青田!おま・・・」
赤井は体が車体に挟まれ身動きがとれない。
明神はベルトのボタンを押すとドアを開け外に出る。
「会長どうですか?あなたの希望通りになった感想は?」
「希望通り?」
「僕の名前をお忘れですか?」
「名前確か青田・・」
「青田 正和だ」
「それがどうした?」
「くっ!お前が俺に何と名付けたか忘れたのか?」
「・・・ん?」
「お前は俺に青田正和と言ったんだよ!」
そう叫びながら拳を振るった。
「「お前裏切りそうだしブルータスでいいだろう」と言われたせいで周りから信用ならないとかさんざん言われ続けたんだぞ!」
言葉を続けながら蹴りが飛んでくる。
「くっ!なるほどな・・・それで神奈についたというわけか。」
「ははは!!地下ある金庫の暗証番号も調べた!後はあんたの腕を持っていけばあんたの金は俺達の物だ!」
「ふん!今は静脈認証じゃからわしが死んでいたら開けられんぞ。」
「なら鍵を開けてから殺ればいい!」
「・・・それも無理じゃ。ちょうど時間じゃな」
ドーンッ!!!と屋敷の方から音がする。
「な、何をした!!?」
「お前らには1円たりともやらん。」
「糞が!!!」
懐からの取り出された拳銃が額に当たる。
そこで意識が遠のいた。
「ここは?」
辺りを見回すとだだっ広い白い空間。
目の前に半透明の板が見える。
「STR+1 500万円+0−?」
STRの他にもDFE、INT、AGL、DEXも同様に500万円と書かれている。
「この単語はどこかで・・・おう!そうかうちのゲーム開発部が持ってきたプレゼンの資料か。」
あーるぴーじーげーむとかいう奴のパラメータに使われておった単語じゃな。
「しかし、一つ500万じゃと?所持金は今は・・・9999億9999万9999円・・・?」
試しに押して見るか
ポチッと押す
「STR+1 500万円+1−・・・ん?所持金が減らない?」
上がらなくなるまで押して見るが所持金が減らない。
「最大値は500か・・・だが全部最大まで上げても減らんな・・・」
「ふむこれで終わりかの・・・?」
「ん?ページが切り替わった?」
技能一覧
剣術 1000万
格闘術 1000万
火魔法 2500万
・
・
剣術に格闘術、魔法?ポチポチと選択しながらリストを進める。
「最後の技能は収納ボックス・・・3000万か」
ポチと押すと所持金が9999億7400万になった。
どうやら表示限界値より下回ったらしい。
『残りの金額はあちらの貨幣に変換されます。』
「あちら?」
その質問に応えるものは無く意識が又遠のいた。
「ここは森?」
辺りを見回すと一面森。
「これがVRという奴か・・・。ほう・・・匂いまで感じる。これは開発部にボーナスをやらんといけないか?」
「ん?何か来る?」
ガサガサと音がすると狼のような生き物が顔を出す。
「ふむ【鑑定】結果はウェアウルフか」
「ガルル・・・」
「武器は無いから・・・」
「【格闘術】か。」
「ガッ!・・・」
飛びかかってきたウェアウルフを躱しながら横っ面を蹴り飛ばす。
「え?終わり?」
ウェアウルフの頭が消し飛び動かなくなる。
「・・・んちゅーとりあるばとるにしてはボリューム不足の上に説明不足じゃな。後で注意せんと。」
明神は知らないここが異世界だと言う事を。そして、自分が所持金(2兆9850億円)分強化された超人で世界最高方の強者だと言う事に。