10.ヘンテコ探偵
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翌日、探偵社の初出社時間三十分前に、義高は菅野とS駅改札口で待ち合わせをした。午前九時半、彼はいつも朝方までミステリー小説を読んでから寝るので、この時間に現れるか心配だった。のぼり電車が到着し、改札口から大勢の人ごみが目的地を目指して早歩きしていた。この様子を見学していると、義高は二日前のナンパ試験を思い出し意気消沈する。しばらくトラウマになりそうだった。
人ごみから青白い顔をした菅野が力ない足取りで現れた。どうやら睡眠不足らしい。目付きが悪く、それでいて今にも瞼が閉じそうで、友達でなければとてもじゃないが近寄りたくないオーラを発散していた。
「おはよう菅野。大丈夫か?」
「たいしたことない。それじゃ行こう」
スーツ姿のサラリーマンの群れと一緒に歩き出した。菅野は俯き加減だった。
「目が充血しているぞ」
「寝たら起きられないと思ったからな。さっきまで探偵の研究をしていた」
外見こそひどいものの、菅野の声はしっかりしていた。
「その苦労も、今日のためにしてきたことだ。怪しい探偵もどきを捜査しなければならない。こんなことで頭の回転が鈍ることはない。心配するな」
弱っている状態でもハードボイルド気取りとはたいしたものだった。頼もしい限りだけど、菅野の言葉が真実であることを祈るばかりだった。少し歩くと、事務所のある雑居ビルに到着した。階段をのぼる。
「美辞麗句探偵事務所? ますます怪しい」
菅野は看板を見ると声を荒げた。眠気は消えていた。
「ここが例の探偵がいるところ」
「よし、入ろう。もしかしたら犯罪に巻き込まれるかもしれない。気を引き締めろよ、義高」
「おおげさだな」
ドアがキィーと鳴る。中は薄暗かった。今日は電灯が付かなかった。菅野は人がいないことを確認すると、すばやく忍び込み、事務所を調べ始めた。義高はドアを閉め、呆然と菅野の行動を見ていた。
菅野がラックに収納されたCDを見ていた時、ものすごい勢いで右手側のドアが開いた。
「誰だ、こんな時間に」
突然あらわれた金髪の探偵は、菅野の胸倉に掴みかかった。まだ反応しきれていない。
「うわーすいません」
「誰だお前? 朝から人の事務所に不法侵入か。いい度胸しているな。入った場所が悪かったようだな。相手が俺だってことを後悔するだろう」
菅野を掴んだ手に力を入れながら、ケンジはニヤッと笑った。その表情は男が見ても魅力的だ。
「い、いえ、違うんです。俺はただ……」
完全に菅野の腰は抜け、体を支える力を失っていた。辛うじてケンジの手を離そうと試みるが、ビクともしなかった。声は情けないぐらい高かった。
「いいわけはするな。現行犯だ」
ケンジは殴りかかった。長い金髪が靡いた。優雅で無駄な動きがない。義高はその様子を呆然と見ていて止めることを忘れかけていた。
「待ってください」
義高の声で拳は菅野の鼻先数センチで止まった。ケンジは掴んでいた菅野を、ゴミを捨てるように投げつけた。菅野はだらしなく床に倒れこんだ。
「なんだ、お前か」
「はい。彼がいるのはわけがあって」
こうなった事実を簡潔に説明した。ケンジを本物の探偵かを疑っていた事実は、できるだけ遠まわしにごまかした。
「ふーん、要は俺が探偵業を本当にやっているかを見に来たわけか。俺が信用できないってことだな」
声が威圧的なトーンだった。遠まわしに言ったつもりが、ケンジにはすべてお見通しだった。義高は体が硬直した。
「いえ、そういうわけではないんですが」
「まあいい。おまえ一人じゃ役不足だからな。もう一人いたほうが仕事になる。おい、いつまでそうしているんだ」
菅野は声を掛けられて、やっとの思いで立ちあがった。千鳥足の菅野は病人に見えた。
「まったく頼りないな。そういえば、お前の名前はなんだっけ?」
「義高です。それで、彼が菅野」
「そうか。義高も俺の試験にかろうじて合格はしたが、菅野とやらはもっと使えないようだな」
厳しい目だった。大きく穏やかな目と、甘いマスクは完全に消えた。やはり探偵なのかもしれないと義高は思った。ここらへんの変化は普通の人からは伺うことが出来ない。少し前に義高は、菅野から本当に凄い探偵は、普段から切れ長の鋭い目をして頭の回転がよさそうに見える人物より、普段は温厚そうに見えて、いざとなると瞬時に表情を一転させて鋭くさせる人物だと聞いていた。目の当たりにして、ケンジは温厚とは言えないにせよ、すっかり義高はそれを信じ込んでいた。
「俺には調査の知識はあります。きっと役に立ちます」
先ほどまであんなにケンジのことを疑っていたのに、もう相手に呑まれて疑いも忘れている。義高はやれやれとつぶやいた。
「知識ね、調査の知識って具体的にどんな?」
「古今東西のミステリー小説を読んでいて、勉強し、それで得た知識です」
ケンジはため息を付いた。
「わかった。アドバイスをしよう。探偵というものは知識よりもまず行動力に交渉力が必要なんだ、わかるな?」
「はあ」
発言を否定されて間抜けな返事だった。
「推理よりも情報、犯罪のケースよりも証拠がないと話にならない。それだけは覚えておけ。現場でいかに臨機応変に対応するかを鍛えろ」
「は、はい」
険悪な空気を浄化したのは亜紀だった。半分閉じた目を擦りながら現れた。寝起きだったため、化粧をまったくしていなかったので幼く見えたが、シルクのパジャマ上下と、気だるい雰囲気が艶かしかった。亜紀は大きな欠伸をしながらソファに足を組んで座った。覚めた目で男たちのやり取りを見た。
「また弱いものいじめをしてるの」
「こいつらが勝手に事務所に入ってきたから怒っているだけだ。しかもこんな時間に」
「確かにそうね。こんな時間に起こされたのはむかつく」
亜紀までケンジの見方になってしまったらやっかいになる。
「いや違いますよ、勝手ではなくケンジさんがこの時間に来いと言ったんでしょう」
怒った口調で言ってしまってから義高は後悔した。菅野は信じられないといった目で義高を見た。もう俺はしらねえぞといわんばかりだった。
「うるさい。俺に口ごたえするとはいい度胸だ」
涙目になってきた義高を見て、やっとケンジは声を和らげた。
「第一、義高が紛らわしい奴を連れてきたからいけないんだ」
「すいません」
「この子泣きさそうじゃない。もうしょうがないわね」
亜紀がそういうと菅野は名前を名乗った。亜紀はそれを聞いて適当といった表現が似合う自己紹介し、再び大きな欠伸をした。と思うと、亜紀はシャワーを浴びてくるといって事務所の右にある部屋に入っていった。義高は気持ちがだいぶ落ち着いた。
「あの、質問があるんですが」
義高はどうしても聞いておきたいことがあった。
「なんだ。俺は秘密が多いからあまり答えないが」
「単刀直入に聞きます。いいですね」
「くどいな。じらされると眠くなるタイプなんだ」
ケンジはソファに体を投げ出した。テーブルに置いてあったシガレットケースから煙草を取り出し、火をつけた。
「ケンジさんと亜紀さんて、付き合っているんですか? 前にぼくが訪れた時も同じ部屋から二人共出てきたと思いますし雰囲気もあります」
「子供だな」
義高と菅野は鳩が豆鉄砲を食らったような目になった。
「どうしてですか?」
「同じ部屋で暮らし、同じベットと共にしているだけで恋人同士だと思うことがだ」
「ごく自然だと思うのですが」
「普通の感性ならしょうがないか。だが、俺たちは付き合っているわけでも、体の関係があるわけでもない。ただパートナーとして一緒にいるだけだ」
それを聞いて胸のモヤモヤがなくなった。恋愛経験の浅い義高にとって、ケンジの言っていることは素直に理解できるものではなかったが、付き合っていないという事実が、今後、二人への対応が楽にはなる。
「俺が女をここに連れてくることはない。亜紀もそういうときは外泊してくる。ただそれだけ。お互い恋愛感情もないから、外泊があっても、仕事に影響はない。仮にお前たちが亜紀のような女と仕事上一緒に生活をするとして、変な感情を抱かない自身はあるか?」
義高と菅野はハミングするように、
「そればっかりはわかりません」
と言った。二十歳そこそこの自分達にとって、同じベットに寝ている女性に手を出さずにコントロールできるほうがすごい。
「だから子供なんだ」
どんな発言もあっさり切られるようだった。ケンジは前髪を手のひらでかき上げた。
「こんな時間になってしまった。仕事をしないと」
そういうと、ケンジはプラズマディスプレーが置いてある近くのソファに浅く座った。リモコンをいじって画面を立ち上げた。写ったのは朝のニュース。殺人事件の報道だった。ケンジは長い髪を掻き揚げ、煙草を吸った。
些細の内容は、今日の早朝五時、多摩川のほとりで釣りに来ていた男が死体を発見したらしい。遺体は森明子という二十五歳の女性で、全身をメッタ刺しにされた状態で地面に埋められていてカモフラージュはなく、明らかに掘り起こした地面が、浮き上がっていた状態で、取材を受けた発見者の男は地元民でありその場所で頻繁に釣りをしていたことから、怪しいと思い、発見は早かったそうだ。
今いる場所からはそれほど遠くなく、テレビモニタに映し出された映像は義高も良く知っている場所だった。遺体の身元は二十五歳、都内の大手メーカーM株式会社に勤めていたOLの森明子。会社側は昨日彼女が無断欠勤をしていた事で実家に連絡。両親も娘と連絡がとれなくなり、警察に捜索願をだした矢先だった。
テレビの映像は彼女の両親が泣き叫ぶ場面と、婚約相手である加藤和夫を写していた。その姿は悲惨で、全国ネットを通じ放送するものではなかった。
「暗い話ばかりで参るな」
違うニュースに切り替わると、ケンジはリモコンをいじって画面を切り替え、GLAYのライブ映像の入ったDVDを見た。途中から再生されていて、近代的なデジタル音、照明効果のなか、ヒサシがソロでギターを弾くパフォーマンスをしていた。
「やっぱりバンドはGLAYに限るな」
ケンジは立ち上がり、部屋の隅に置いてあったギターを持ち、『HOWEVER』のイントロを引いた。コードのみの弾き語りで、彼の声はボーカルのテルにそっくりだった。生で聞くとプロ顔負けの歌声だった。菅野はうっとりとした表情で聞き入っていた。
「今日は捜査一課の根本さんが来るんでしょ?」
シャワーを浴び終わった亜紀は、タオルで髪の毛を拭きながら現れた。身体をバスローブで纏い、肩まで素肌が出ていた。義高達は息を呑んだ。
「根本は俺の力が必要らしいからな」
すごいナルシストだというツッコミを必死で飲み込んだ。ケンジは悪びれもなく自信満々な発言をするので、反応に困る。
「あの?」
義高の問いかけるとケンジは顔を傾けた。
「今日からの仕事ってどんな事があるんですか?」
「今はゆっくりしてな。そのうち捨てたくなるほどの仕事を与えてやるから」
「わかりました。後、ぼくの依頼の件も忘れないでくださいね」
「それは後だ。俺には常人じゃ抱えきれないほどの仕事を抱えているからな」
そのわりには朝から暇そうにしているのではという言葉も飲み込んだ。どうやらケンジと話をするときはいちいち突っ込もうとしないほうがいいらしい。もし反論なんかしようものなら、倍になって返ってくるに違いないし、義高は勝手に自分で決め事を作成した。
「私の給料上げることも忘れないでね」
「聞かなかったことにする」
「なんでよ。今の給料じゃ厳しいの。全然遊べないし、ブランド品だって買えないわ。ライブだって行かなくちゃいけないし」
「無理言うな。不景気なのは少ない頭でもわかるだろ」
「なにが少ない頭よ。失礼ね。明日から飛んじゃおうかな」
飛ぶとは理由もなく無断欠勤するというギャル語である。勝手にしろとケンジはいった。亜紀は顔を背けて拗ねていた。
「まあまあ二人とも、ここは温和にいきましょう」
「菅野は黙っていろ」
「そうよ、君には関係ないわ」
菅野は簡単に反論できなくなって黙った。やれやれと義高は思った。先が思いやられる。
「ちわ、Y警察の根本です」
出入り口から現れたのは、大柄な若い警官だった。浅黒い顔に真っ白な歯が際立っていた。制服を着ていてもわかる鍛え上げられた頑健な体躯、でかくてはっきりした声。どれをとっても義高のイメージする警察という人物像にピッタリだった。
「久しぶりです、ケンジさん」
「来たか。さっそく状況を聞こうか」
「はい、ですがこちらにお客様が」
根本は義高たちに目線を向けた。どうもと小さくあいさつをした。
「違う。今日から俺のところで働くことになった二人だ。まったく役には立たないけどな」
「それはあまりにも……」
菅野はケンジの粗雑な紹介方法に閉口した。
「ここに座ってくれ」
ケンジは菅野を無視して根本を座らせた。どう見てもケンジより根本のほうが年上に見えた。上下関係がうまく掴めない。義高たちが怪訝な表情をして二人のやりとりを見ていた。
「根本は俺より年下だ。変な目で見るな」
「えっ、そうなんですか?」
「あ、申し遅れました、捜査一課の根本孝治です。今年三十になります。まだ新米ですが、殺人、強盗、婦女暴行、放火、誘拐等の、犯罪の中でも重い罪の事件を扱っていますが、元気と体力が取り柄です。よろしくお願いします」
ケンジはいったい何歳なんだという疑問を飲み込んで、
「始めまして。京理義高です」
「ぼくは菅野清です」
「根本君にはお世話になったことがあるの。私、前にストーカーがいて、襲われそうになった時、助けてもらったの。けっこう頼りになるのよ」
「それほどでも」
亜紀の言葉に根本はまんざらでもなさそうだった。日焼けした頬が赤らんだ。
「俺はお世話しっぱなしだからな。いずれは仮を返してもらわないと。なあ根本」
「勘弁してくださいよ」
やはりこの人にかかるとたいがいの人は目下になってしまうのかと思った。こころなしか、さっきより根本の体が小さくなったように思えた。
「すいません、ケンジさんは今おいくつなのですか?」
菅野は尋ねた。彼が質問しなければ自分が質問していたことだろう。
「三十五だ。そんなことはどうでもいいだろう。それより、根本、はやく例の事件の概要を話せ」
年齢不詳とはこういう時に使用するに違いないと思った。ケンジには年齢さえあったのかと思わされる。整形しているのかもしれない。
根本はさっき見ていたニュースの内容を話し始めた。和やかな空気は一掃した。
「検死官の話では遺体の体温低下、死斑、死後硬直から昨夜の午後十時頃と断定。現場の状況としてはまだ捜査中で、目ぼしい証拠は出ていません。しかも、犯人の指紋は残されていなかったようです」
リアルな事件現場を体感することで、義高は息もしてない程聞き入った。義高の心臓の鼓動が高まっていた。
「現場の状況は俺もこれから行く予定だからよしとしよう。それで、被害者の女性に悪い虫がいたのか?」
「まだわかりませんが、彼女には婚約相手がいまして。彼女の両親や、交友関係を当たったところ、婚約していたことはあまり嬉しく思っていなかったそうです」
「婚約相手は知っていたのか?」
「知らないそうです。被害者の女性は人の心を慮る性格のようでしたので。それに婚約相手はあんなに愛し合っていたのにと泣き叫んでいました。話を聞く余裕はなかったです」
「複雑な話ね、相手の本心もわからず、ずっと婚約相手だった人のことを思って生きていくなんて」
義高は実際自分がそういう境遇になってみたところを想像した。すくなくとも相手が自分の事を余り好きではないことぐらいはわかるのではないか。否、不幸な人間を蔑むことで罪悪感を覚えた。逆にそれだけ好きだった、愛していた相手が被害者なのだ。
「死者に権利はないが私情は禁物だぞ、亜紀」
同情もしたくなると義高は思った。もし自分が結婚を間近に控えた相手がいて急にこの世からいなくなったとしたらどうなってしまうのだろう。
ケンジや根本ぐらいの経験を積んでいれば、こういった状況でも能面で対処できるようになるのだろう。
「被害者に同情し犯人を憎むことは、事件解決の原動力になるが、逆に解決を鈍らせることにもなる。覚えておけ、二人共」
すべてお見通しだった。ちょっとした表情の変化が、彼には手に取るようにわかってしまう。
「新しい情報は随時知らせます」
「そうしてくれ。犯人はまだこの近くに出没している可能性がある。いつ同じような事件が繰り替えされるかわからない」
「はい、では引き続き捜査に戻ります。ぜひ協力の程よろしくお願いします」
「わかった」
根本は立ち上がると、大きな体を真っ直ぐに伸ばし、右手のひらを斜め四十五度にしておでこにつけると、足早に事務所を去っていった。
義高は冷静になると、探偵業務について考えた。菅野は普段から物語上で接しているから免疫があると思うが、義高はいまだに警察が探偵に協力を依頼していることが不思議だった。浮気調査ならいざ知らず殺人事件がからんでいる。第一捜査の内情を自分ら素人に打ち明けてもいいのか。
「ぼやぼやしていないで、仕事だ」
「ですが、何からやっていいか」
「菅野。お前は知識があると言った割には発想がよくないな。事件が近くで起こっているんだぞ。お前らが調べている友達の死を捜査する絶好の機会じゃないか」
「どういう意味ですか?」
義高は問うた。
「馬鹿か、もし今回の事件が起きなかったら、お前たちがそいつの両親にだって接触したくたって出来づらかったはず。俺なら別だが、お前らが行ったところで、話にならずに、しまいには不審者が息子のことを聞きだしてくるからと言って、警察に連絡されてしまうだろう」
「なるほど」
「納得している場合ではない。まず、事件のことを説明し、探偵事務所のアルバイトであることもきちんと言うんだ。それから聞き込みをし、どこまで情報を引き出せるか後はお前らの実力しだいだ。うまくいけば、今回の事件と、お前らの捜査している情報、いっぺんに聞きだせる。まあ、俺は期待していないがな」
「わかりました。やってみます」
きっかけとは思わぬところからわいて来るものだ。
「あら、やる気満々のようね。頼もしいわ。それにしても菅野君はひどく顔色が悪い様だけど、そんなんで大丈夫」
「なんとか」
言われてみれば、菅野の顔色はさっきよりも悪くなっていた。元々健康的とはいえない菅野でも、さすがに心配させられる程だった。
「じゃあ、俺らは早速昇の両親に会ってきます」
管野がそういうと、ケンジ達と携帯の番号を交換し、義高たちは『美辞麗句探偵事務所』を後にした。