表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョンマスターは現地で立ち尽くす  作者: 荒木空
世界(ダンジョン)創世記
8/19

本格的ダンジョン作成開始


 ダンジョンコアさんがポンコツになった。

いや、別に深い意味はないけど、うん……。流石にめんどくさい女の子みたいになったら、あとはもう放っとくしかないよね……。


 ………………。


 さて、じゃあ俺は俺で、今の俺の力だけで出来ることをやって行きますか。



 えっと、今俺が出来ることは魔法スキルそれぞれのレベル1の行使と、宝箱に入れる物の作成、それにモンスターの作成レベル2が使えた筈。これに俺が自力で覚えた投擲術レベル2と格闘術レベル3と短剣術レベル3っと……。

あ、動けなかった2年で【不動Lv.4】って使い道がよくわからないスキルも手に入れたんだっけ。


 これ等を踏まえてダンジョン作成に役に立ちそうなのは……。


 モンスター作成と土属性魔法レベル1ぐらい?あとは宝作成でシャベルとかを出すぐらい?それで穴を掘って、一応それらしい空間を造るぐらい……かな。出来そうなのは。



 ってなると、



「まずは土属性魔法の強化とモンスター作成でのマンパワーかな……。」



 チラッと最後の1匹になるまで戦っているゴブリン達を見る。

戦ってんな……。指示したのは俺だけど、殺し合えって言ったからみんな必死だな……。


 今度は穴を掘ってくれているゴブリンキング達を見る。

……こっちはこっちで一生懸命、土を掘って、その掘った土を外に出すって作業をしてくれてんな……。


 両方とも指示したのは俺だけど、邪魔はしたくない。


 ……………じゃあもう、やることは決まったかな。



「【モンスター作成】」



 俺は新たに100のゴブリンを作る。それで、ソイツ等に命令。



「お前等、ゴブリンキング達の指示の下、穴を掘りまくって。穴の補強はゴブリンキングにやらせるから。

あ、それと、最初にゴブリンキングになったヤツを呼んで来て。やってもらいたい事が有るから俺が呼んでるって」



 俺の命令に従ってゴブリン達が穴へと入って行く。そして中から、最初に召喚したアイツが出て来る。



「来たな」



 ゴブリンキングは俺の前まで来ると、その場で直立不動で敬礼をした状態で止まった。


 ……………さて、呼んだは良いんだけど、どうしようか。正直呼んだ意味は無かったりする。

ただ、なんとなくコイツを呼んで、改めてゴブリンという種族の可能性を確認したかっただけなんだが……。


 本当どうしようか。


 悩んでても仕方ないし、取り敢えずコイツのステータスでも確認してみるか。モンスター作成で創り出したモンスターのステータスを確認出来て良かった良かった。


 さて、



∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞



名前:まだ無い

種族:ゴブリン族

個体:ゴブリンキング


Lv.:80/50


HP:8000/8000

MP:6500/6500

スタミナ:4490/4490

攻撃力:3568

防御力:3409

素早さ:2206

耐久力:3555

知力:2664

運:2771


スキル:【掘削Lv.3】【棍棒術Lv.5】【剣術Lv.5】【弓術Lv.2】【防御術Lv.3】【回避術Lv.3】【盾術Lv.2】【統率術Lv.4】【無属性魔法Lv.3】【火属性魔法Lv.2】【水属性魔法Lv.2】【風属性魔法Lv.2】【土属性魔法Lv.2】


称号:【最初に生まれし者】【主に愛されし者】【崇拝する者】【不屈の忠誠】【越えし者】【頂点を目指す者】



∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞



 ……………………………なぁにこるぇ……?


 ちょっと待て。落ち着け。落ち着くんだ俺。


 自分の頬っぺを引っ張ってみる。

 痛い……。


 ……………なぁにこるぇ…?詳しいステータスについてはまだよくわからないけど、レベルとスキルの量と称号が明らかにおかし過ぎるでしょ!!なんだよこの量!このレベル!この称号!いくらまだこの世界の基準がわかってない俺でもおかしい事ぐらいわかるわ!!


 まずはレベル!80/50って何!?普通50/50とかでそれ以上は上がらない物だろ!!称号の【越えし者】ってのが、種族とか的に50までしか上がらないのにそれを大幅に越えて80なんて馬鹿みたいなレベルになってるとしても、意味がわからん!!それでもまぁ、この個体がそれだけ頑張ったんだなと理解出来るし納得も出来る。


 次にスキルの量!いや、これは大量のゴブリンと名の付く同胞を殺してきたコイツだから、その同胞が持っていたであろうスキルの類いやその素質を詰め込んだ結果だと考えればまだ理解出来る。

あまり理解したくないけど、まだ、まだ納得は出来る。


 問題は次の称号の所だよ!!なんだよ【最初に生まれし者】【主に愛されし者】【崇拝する者】【不屈の忠誠】【頂点を目指す者】って!!【最初に生まれし者】は俺が初めて【モンスター作成】で創ったモンスターだからと理解出来る。これは良い。理由も明確だし俺でもわかる論理的な説明がつく称号だ。

でも残りの称号!全部なんか怪しい内容なんだけど!!?


【主に愛されし者】【崇拝する者】【不屈の忠誠】【頂点を目指す者】の4つについては全く以て意味がわからん!!全部(恐らく)俺に関係してるものばっかりじゃん!!

100歩、100歩譲って【主に愛されし者】は理解しよう。少なからず確かに俺は、コイツの事を大切に思ってる。

 【頂点を目指す者】についても理解し納得しよう。だって、生きてて心が有るのなら、1番になりたいと思うのは自然な欲求だもの。


 でも残りの2つは明らかにおかしい!!俺とコイツとの間の何処にこんな称号がつくような事が有ったの!!?恐いわ!!意味がわからな過ぎて、訳がわからな過ぎて恐いわ!!饅頭恐いとか言ってられないレベルで恐いわ!!



 てか、地味に全体的に俺よりステータス高くね?いや、俺も自分のステータスを詳しく把握している訳じゃないけどさ。それでも持ってるスキルの内容が明らかに多くね?レベル高くね?



 …………ちょっと俺の処理能力じゃ追い付けないぞこれ……。



《?》



 ゴブリンキングが俺の方を見て頭をかかげてくる。


 あ、うん、そうだよな。呼ばれたのにいつまで経っても何も言われなければ不思議に思うよな。うん。

ごめんな、俺も必死にお前に何言うか考えたり、お前の事について考えてるからちょっと待ってくれな。


 ……うん。今はコイツの事は置いておこう。今悩んだところで何も解決しなさそうだ。それよりコイツのこの能力で出来る事をお願いしよう。



「よし、じゃあ、いくつか質問するから、イエスなら首を縦に、ノーなら首を横に振ってくれないか?」



 俺の問い掛けにゴブリンキングが頷く。


 ……今思うと、知力がゴブリンにしては高いから、こうやって意思疏通も出来てるのかな?


 いや、今はそんなどうでも良いことは



《サキ、ホド…カ……ラ、ドウ、サ、レマシ、タ、カ、マス、ター?》



 ……………………………シャベッタアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!



「え、おまっ、しゃべっ、えっ?!」


《? ガンバ、ッテ、オ、ボエ、マシ…タ。マ、ダ、ウマク、ハ、シャベ、レマセ、ンガ》



 いやいやいやいやいや、十分凄いから。俺の知識やこれまでの経験から、例えカタコトでも喋れるゴブリンとか居なかったから。ドンだけ凄いんだよお前。


 てか、マジでコイツ、どうなってんの?所謂特殊個体とかいうヤツなの?それなら説明がつくけど、それにしたって凄過ぎでしょ。人間だったら絶対1000年に1人の天才!とかって言われるレベルだろ。


 いや、そんなことよりも。



「話せるなら出来るだけ話して。その方が君の練習にもなるし、俺も命令しやすい」


《リョウカ、イ、シマ、シタ》


「よし、じゃあ質問。お前以外の個体で魔法が使えるヤツって居るか?」


《ハイ、イマス。ワタクシ、ヲ、ノゾイテ、ハチタイノドウホウ、ガ、マホウヲツ、カエマス》


「じゃあお前以外の個体が使える魔法は何?」


《ミナ、イチオウヨンゲ、ンソノマホウ、ハ、スベテノドウホウガ、ツカエマス》



 ……ゴブリン達、マジで有能じゃね?コイツ含めて9体もの個体が魔法も使えるって。いくらゴブリンから進化したとはいえさ。


 というか、喋る毎に、徐々に流暢に喋り始めてない?つっかえる事が徐々に減ってきたぞ。

成長早くね?



「えーと、じゃあお前をリーダーに、時間はどれだけ掛かっても良いからその魔法を使える奴等と協力して、掘った穴の中を落盤とかしないように補強していってくれ。


俺が掘るのを止めてくれって言うまで普通のゴブリン達に掘らせて、土属性魔法を使える個体達が補強って感じな。

お前はたまに、俺に定期連絡でどれだけ掘れたか報告してくれ」


《カシコマリマシタ》



 最初のアイツはそう言うと穴の中へと戻っていった。

そして穴の中からアイツの声が聞こえてくる。

早速指示を出してくれたようで、関心関心!


 ……………てか、最後の畏まりましたって、完全につっかえる事無く話してたよな…。

何処まで行くんだよアイツ……。



 ……………考えていても仕方ないか。

 それよりも今は、次に俺が出来る事を考えて実行しよう。


 さて、じゃあ次に出来る事だけど……、正直現状で出来る事って実は無いよね。

 有っても、それは俺自身の強化ぐらいだし。


 あと有るとしたら……何が出来そうだ?

 モンスター作成で新しいモンスターの作成?いやでもそれは、正直どうして良いかわからない。

 じゃあダンジョンコアさんに機嫌を直してもらう?正直その内寂しくなって、向こうから話し掛けて来そうだから焦る必要は無いと思う。

 じゃあ【モンスター作成】と一緒に手に入った【宝作成】でも試してみる?…………これは有りだな。


 …………よしじゃあ、魔法を使うのに平行して、【宝作成】も鍛えるか。



 ……………といっても、正直原理ややり方がわからない。


 ……適当に【宝作成】を意識しながらスキルを使えば何かしら変化は起こるかな?



「【宝作成】」



 俺が宝作成スキルを意識しながらそう言ったが、モンスター作成の時とは違い何も反応がなかった。



「何か条件が有るのか……?それとも単純に俺のレベルが足りない……?」



 考えられる可能性はいくらでも有る。何よりダンジョンコアさんに聞けば一発だと思う。


でも……、



『どうせ私は茶々を入れないと話せないダンジョンコアですよ。別にマスターに気に入られたいが為にあぁいう喋り方をしている訳じゃないですし、別に私の性格という訳でもないんですよ。それなのにマスターはあんな酷い事を言って折角のダンジョンコアとダンジョンマスターとのコミュニケーションを台無しにするような最低野郎なんです。私が気にする必要は本来無い筈なんです。それなのにあのマスターは』



 うん。放っておこう。というか本当にめんどくさい。

あぁいう状態の人って、人間でもダンジョンコアでもめんどくさいものはめんどくさいものだと経験しなくてもわかる。今のダンジョンコアさんに関わるのはめんどくさい。


 ……………って事は、やっぱり俺が一人で考えて、どうにかしないと駄目って事だよな……。



「さて、」



 考えられる可能性全部を試していこうか。



 そこから俺は俺が考えられるだけの方法を試した。

具体的には出す物の大きさを意識したり、どんな物かを意識したりって感じ。


でも結果は芳しくなかった。


 で、今、残された案は2つになった。

 宝を入れる宝箱を用意するのと、これまで試した事全部を試すの2つに。


 これから試そうとしている宝箱を用意して宝作成を使うってのは、これまで試した事で得た情報から考えるとたぶん失敗する。


 これまでに試した方法の中で、いくつかモンスター作成を使った時のような感覚になった時があった。最初、その感覚を覚えた時は何も出なかったから失敗したと思ったんだけど、そのあと何度かそんな体験をした事があった。


 その感覚を覚えた時の方法ってのが、宝の大きさや形、どんな物なのか、性質はどのような物なのかとかを意識した時だった。

反応しなかったのは水単体を意識したり、銃を意識したり、食べ物を意識したり、家を意識したりと、ある意味抽象的な物を欲したり意識した時だった。


 って情報を元に、最後にモンスター作成を使った時のような感覚になった方法全てを一度に試せば成功すると考えた。

で、試した結果、確かにそれまでで一番スキルを使った時に近い感覚になった。


 感覚としての結果はこれまでで一番の達成感が有ったけど、実際には失敗。


 それで、なんとか宝作成を使おうと悩みに悩んで考えた方法がこれから行う方法。

この方法を思い付くのに1日、この方法を実行出来るようになるまでに1週間掛かった。



 尚、ダンジョンコアさんはまだめんどくさい。



 で、今から試そうとしているのは、宝箱その物を用意してスキルを使う方法。

成功失敗で言えば、まだ試していない現段階では失敗を予想してる。


 さて、結果はどうなる事やら……。



「【宝作成】」



 宝の入ってる箱を意識しながらスキル名を呟く。


 するとこれまでで1番体から何かが抜けていく感覚を覚えて片膝をつく。


 しかし今回はちゃんとスキルが発動したらしい。

俺の前に俺の想像した箱が目の前に鎮座していた。



「!」



 俺は宝箱に飛び付くように近寄り、その蓋を開ける。



「…………………なんとなくわかってたさ!ちくしょう!!」



 入っていた物。


 【その他:芯と消しゴムと蓋の無いシャープペンシル】


 俺の運はどうなってんの!!?マジで使えないじゃん!!モブですら出さないような個性の塊を出し過ぎなんだよ!!



ο─────────ο



 一頻り心の中でツッコんだ後、これはこれで成功だったと思い直す。

今までは何も出なかったんだ。何か出ただけマシだと思う。思いたい。


 …………出た物は目も当てられない物だけど…。


 その後何回か試してみて次のような【宝作成】のスキルの特徴がわかった。


 特徴1、宝の箱となるものがあれば、どれだけ中身がゴミな物でもスキルは発動して中身が手に入る。

 特徴2、中身だけをイメージしても意味が無い。

 特徴3、箱さえあれば、中身のイメージだけでもスキルは発動するし、1度【宝作成】スキルで使った宝箱は何回も使える。

 特徴4、基本的に【宝作成】スキルで出した物は、宝箱を開ける者の運に左右され中身は一定ではない。

 特徴5、宝箱の中身を確定出来ないのは原則スキルレベルが関係している。

 特徴6、宝箱となる箱、中身を完全に細部までイメージしてスキルを使うとスキルレベルが低いからかそもそも無理なのか、軽く半日は身動きが取れなくなる上、全スキルが使えなくなる。



 こうして【宝作成】スキルの特徴を上げてみると、かなり【宝作成】スキルはじゃじゃ馬らしい。


 まず宝の中身はスキル使用者の俺を含めて完全に開ける者の運次第というのが使い勝手が悪い。

 次に中身を確定させるにはスキルレベルか俺の運が低いからか、かなり燃費も俺との相性も悪い。

 最後に無理をすれば望む物を手に入れることは出来るけど、それも素人目でもわかるほど質は悪いし半日以上ポンコツになる。


 1つ目と2つ目の理由はまだ許容範囲だし、まだ致命的ではないと言えるけど、最後の理由はまだ今は問題が無いみたいだけど、今後俺と敵対する魔物が生まれてから身動きが取れない状態で遭遇すると、絶対死ぬことになる。

 もう死ぬことについては慣れた……とはいえないけど、言えそうなぐらいには死んでる。死んでるけど、流石に死ぬのはやっぱり嫌だから、最後の理由だけはコッチの世界では致命的過ぎる。


 でも、最後の理由を理解した上でも使う価値はある。という事がわかった。


 その理由がコレ。



 【武器:銘 ?

     武器種 ?

     能力 所有者と共に成長し、所有者にとって最も適した姿、能力、スキルを無限に身に付けて行く。

     スキル ?


     攻撃力 +?

     保有MP ?

     耐久力 +?


     備考 1番最初に世界に生まれた生きる武器。初期の形状は見た目がただの鉄棒だが、所有者の魔力や戦闘経験を基に無限に成長し続ける武器。聖剣になるか魔剣になるか、はたまた全く別の物になるのかは神ですらわからない。】


 見るからに性能がぶっ壊れた物が手に入った。明らかに今のスキルレベルや俺のレベルなんかを考慮したとしても、まず手に入れることはほぼ不可能な武器。

何かの偶然が重なったのか、実は影ながらダンジョンコアさんが手助けしてくれていた結果なのか、あの自称糞神かその同類が原因かはわからないけど、こんな強力な物が手に入るなら、半日以上ポンコツになったとしても使う価値はあるように思う。


 そうじゃなくても基本的に【宝作成】スキルで手に入る物は開けた者の運次第。RPGのダンジョンを参考にするならダンジョン内に設置する宝箱としてはかなり便利で良いものだと思う。


 今後【宝作成】スキルのレベルアップでレア度の変更なんかが出来るのなら、それこそ猛威を奮うスキルになりそう。っていうのが使ってみた感想。



 うん。実際、戦力の増強は出来たしかなり良いスキルだと思う。

 なんせ、アイツ。あの最初のステータスがぶっ壊れたゴブリンキング。アイツが引き当てて現在装備している物がもう、最強だと言える代物だから。

 主だけど、普通に嫉妬したしね。



 【武器:銘 無限の(むげんのやいば)

     武器種 刃物

     能力 刃物であるならば、どんな刃物でも、どんな能力を持つ刃物でも、例え神が使う刃物や神を殺せる刃物すらも、好きな刃物に成り所有者のMPが許す限りやりたい放題に使う事が出来る。

     スキル ≪表示することが出来ません≫


     攻撃力 測定不能

     保有MP 所有者のMPの10倍に依存

     耐久力 測定不能


     備考 針の穴を通すような、満天に輝く星の中から1つの小さな星を見つけるような、そんなありとあらゆる全ての可能性の中から望む物を掴みもぎ取り続け、完成されても尚その先を望む存在だけに許された可能性の武器の1つ。この武器の所有者は終わる事の無い無限の道を何処までもこの武器と共に走り続ける。】



 もう、ドン引きするレベルでぶっ壊れた性能で、最初見たときは言葉が出なかったよ。いやもうホントドン引き。

 これを出したのが神とか勇者とか魔王とかならまだ理解は出来た。納得は出来ないけど、「あぁやっぱり特別な存在だからだな」って納得出来た。

でも、コレを持ってるのはゴブリンだぜ?しかも完全なランダム入手の俺がゴミしか出さなかった【宝作成】スキルで作った宝箱1発目。


 いやもう何て言うか、語彙力死ぬレベルでドン引き。

 マジであのゴブリンキング、色々おかしいだろ。実は俺がなんちゃってダンジョンマスターで、アイツが本当のダンジョンマスターだと言われても納得出来るぞ。むしろその可能性しか考えられない。そのぐらいあのゴブリンキングはおかしい。


 それなのに当の本人(?)は、何故か俺に絶対の忠誠と俺を神のように崇めてる。それがわかるほど態度や言葉で示されてる。


 なんかもう、それもまた、俺の語彙力を殺しに来てて色々困る。


 そしてそんなゴブリンキングの言葉がコレ。



 《マスターは我等の母であり父であり創造主。そこに力の優劣は存在しません。有るのは我々をこの世に産んでくださった存在、そのたった1つのシンプルな事実だけで良いのです。


 たったそれだけ。たったそれだけの事実だけで、マスターは我々を使い捨ての消耗品のように使ってくだされば良いのです。

 それが我々【モンスター召喚】で産まれたモンスターの望みです》



 とか言ってくる訳よ。もうホント絶句。一般人の俺にはハッキリ言って身に余る重過ぎるものです。叶うことなら返品をお願いします。って感じ。


 しかもいつの間にか完全に流暢に話せるようになってるし。


 モンスターに名前を付けるとネームドとか呼ばれるモンスターになって、更に強くなるとかいうのを聞いたこと有るけど、もし今、アイツに名前を付けたらどうなるのかがわからなくて、もう、ホント怖いよね。



 ………………でも、もうこの世界に来てそろそろ10年が経ちそうになってる。それだけ経って、元の世界の山田太郎と今ここに居る山田太郎は徐々に別人になって行ってるんだなってのがわかる。

 この世界に慣れたか、この世界に合わせて精神まで作り替えられて行ってるとでもいうのかな?そんな感じで、少なくともアイツに対して実はそんな恐怖心は無いし、何故かアイツの忠誠心が心地良いとすら思えるようになってる。


 いやぁ~、異世界って本当に怖いね。



 話がかなり反れたけど、アイツの無限の刃や俺の成長する武器みたいな物が出るって事がわかったから、周りの安全を確保出来て尚且つ余裕が有る時にはドンドン使って行こうかということにした。



 そこからは時間に余裕が有る(有り過ぎる)から、まずは洞窟タイプのダンジョンで色々試してみることにした。



 試し続けること更に1年。アイツを中心にゴブリン達を使って現時点で試せる事を、思い付く限り全部やってみた。


 現時点で出来上がった物は、土で出来た建物。蟻の巣の断のようなダンジョンのような洞穴。あとはちょっとした泉。

全部がダンジョンコアさんと出会った辺りを中心に作った。


 やっぱり1番時間が掛かったのは洞穴。掘れば掘るほど深くは出来たし横になら複雑化出来たけど、それを縦にとなると落盤とかで何体ものゴブリンを亡くしたり、落盤しないようにするための補強なんかをしたりしてたら普通にコレだけの時間が掛かった。


 建物については、まぁ、言ってしまうと最終的にはゴミ置き場みたいになった。

正直、腹は空くけどだからと言って食べなければ死ぬ訳でもないから食べてないんだよね。それで出すものが無いし、【宝作成】で出した物って、基本俺が開けるとゴミが多い訳よ。自然とその保管場所になった。


 泉に関しては、これは完全にその時まで気付かなかったんだけど、この世界……というかこの場所。4年近く居るのに雨が降ったのはつい最近に1日ほど降っただけだったんだよ。

この場所の近くに水辺が無いから遠くから雲が来るのにこれほど時間が掛かったのか、それともそもそも水辺なんてこの世界には存在していなくて、俺やゴブリン達の息の中に含まれた水分が空に上がって降ったのか、理由はわからないけどそれまで全く降らなかったんだ。

 それで慌てて水を貯める場所として作ったのが最終的に泉と呼べるだけの規模になった。


 【宝作成】や【モンスター召喚】に関しては……、一応共にレベル3にはなった。

 【宝作成】のレベル2はある程度の宝箱の中身の設定を決めれるようになって、レベル3は更に詳細にって具合に設定出来るようになった。

レベル2での設定っていうのは、「これぐらいの大きさの物」とか、「こんな形の物」とか、曖昧な条件を1つ加える事が出来るようになった。レベル3は更にもう1つ条件を追加って感じ。


 【モンスター召喚】はレベル2がレベル1で最も召喚した魔物と似た魔物を召喚出来るようになるってものだったけど、レベル3はスキル保持者が肉眼で見た事がある獣を召喚出来るようになるってものだった。

魔物じゃなくて獣ってのが微妙な差だけど、これによって虎や象や犬や猫なんかが召喚出来るようになった。


 可哀想だけど、またこれで召喚した動物達を最後の1匹になるまで戦わせ続けたら、猫又とか犬神とかみたいな妖怪になったりするかもしれないし、そうしたらまた戦力増強が見込めそう。

何故か【モンスター召喚】で召喚した魔物とか動物って、俺に対して牙を剥かないんだよね。



 ……………………で、1年経った訳だけど……。



『………………………』



 ダンジョンコアさんはまだ拗ねてるみたいです。

 というか、意固地になってる…?


 なんか、俺と話したいみたいな、見られてるような圧はダンジョンコアさんからするから、たぶんダンジョンコアさんも俺や【モンスター召喚】で出した奴等と関わりたいんだと思う。

 だけど、拗ねたのは自分だし、自分から俺達に話し掛けたくない……って感じっぽいんだよね。

ダンジョンコアさんは石みたいな物だから血の通う生物じゃないけど、なんだか負けず嫌いっぽいからたぶん俺の予想は当たってると思う。


 そうなると俺から話し掛ければ良いんだけど……、正直必要最低限は出来てるから別にダンジョンコアさんが居なくても問題は無いんだよね。

緊急で差し迫るような問題も無いし、戦闘訓練とかのスキルを訓練なら完全にアイツや【モンスター召喚】で出した動物達と遣り合えば間に合うようになったんだよね。

そうなると、次のレベルアップまで俺の中でのダンジョンコアさんの価値が……、ヒエラルキーが……、低くなるのは仕方の無いこと……だよね?うん。仕方の無いこと。



 そういう理由で放置していたんだけど……、いい加減変化が無くなって来たんだよね。


 次、何が出来るかな?



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ