エピローグ
諸事情により今話で完結です。
詳しくは後書きにて。
取り敢えずヘラスフォダラーは置いておこう。ツッコミたいけど、コイツに関してはツッこんじゃ駄目だ。
他にも、色々ぶっ飛んだ成長というか進化をしている生物が居る。その個体の種族名だけ挙げよう。
フェンリル、レヴィアタン、バハムート、ベヒーモス、サラマンダー、ウンディーネ、シルフ、ノーム、ジャック・オ・ランタン、首狩り兎、エルダーリッチ、サンタクロース、スフィンクス。
その他にも、この10年かそこらでかなりの固有種族へと進化した奴等が一杯居る。
お前等、放置している間に何やったらそんな種族進化するんだよ……。
そしてこれ等全てにヘラスフォダラーが関わっているんだから、最早俺は黙るしかないよね。全部が全部、俺の為らしいし。
うん。黙るしかなかった。ダンジョンコアさんも、同じように黙った。
真のこの世界の運営者は俺とダンジョンコアさんだけど、矢面に立っての運営者はヘラスフォダラーだ。
だってさっき挙げた奴等含めて、全員俺の言うことは嫌々聞くけど、ヘラスフォダラーの言うことは1回で嬉々として聞くんだもんな。もう黙るしかなかった。
ヘラスフォダラーに何をやって強くなったか聞いてから更に100年が経った。
やはり俺の体は変わらない。
記憶についてはダンジョンコアさんと融合して限度が無くなったらしい。これでもう、完全に俺はこの世界で生き続ける事になった。
この世界に自然を作って1億年が経った。
この世界に自然を作って10年経ったあの時に確認した面々は今、世界中に散って各々のダンジョンを作ってそこで生活している。
たまにそこに、ヘラスフォダラーが見回りに行って、色々指導しているらしい。
更に3億年が経った。この頃になり、ヘラスフォダラー曰くようやくダンジョンの領域にしていない場所に生物が生まれた。しかも生まれたのは人型の生物らしい。
人の原型が生まれたのかな?これからヘラスフォダラーには、彼等との交流を任せたいと思う。
更に2億年が経った。この2億年の間に人の原型たる彼等は進化し、まさに人と呼べるほどまでに進化した。文明も築いてるみたいだ。
ヘラスフォダラーに食べ物を与えて、セーフエリアで生活してもらうよう交渉するようにお願いしといた。
更に1000年が経った。ヘラスフォダラーにお願いして移住してもらった彼等はしっかりと発展してくれて、今では日本の縄文時代のような生活を送っている。
これからが楽しみだ。
たまにヘラスフォダラーが見回りに行き、色々助言しているらしい。
更に1000年が経った。文明は完全に現代の地球と同じぐらいにまで育ち、高層ビルなんかも見られるようになったそうだ。国も出来ているらしい。
ヘラスフォダラーがたまにその国同士の会議に参加したりしているらしい。チョロっと聞いたけど、核兵器みたいなのも生まれているのだとか。
更に100年が経った。馬鹿があの吸血鬼の馬鹿と始祖のドラゴンさんに喧嘩を売ったらしい。人類という1つの種が滅べた。
人類が滅びてからまた3億年、再び人が生まれて文明を築いた。今度は魔法を使った文明のようで、ヘラスフォダラーが唯一神として崇められてる。
実際神と近い存在らしいから困る。
更に1000年が経った。どれだけ経っても馬鹿は生まれるらしい。今度はフェンリルやレヴィアタンといった、たった10年でおかしな進化を遂げた奴等に喧嘩を売った馬鹿が現れたらしい。これにより再び人類は滅びた。
それから何度も同じことを繰り返し、人という種族やそれ以外の生物は何度も滅びては生まれ変わるを繰り返した。俺はそれを、何度も見続けた。
途中、魔法文明で勇者召喚や転生とかで同郷と思える奴等がこの世界にやって来たが、それも些細な事だと思えるほど何度も繰り返した。
俺も何度か、その時々の住民に成り済まして世界を旅行した事もあった。
だいたいはスキルとかも有るせいか魔法系の剣と魔法のファンタジーな文明になったな。
そんな事を繰り返し、そうして俺がこの世界にやって来て約1兆年が経とうという頃、俺は遂に、久し振りにあの糞爺神と接触する機会を得た。
というか、向こうから連絡を寄越してきた。
『久し振りだな、モブよ』
「…………もうお前への怒りもどっか行ったわ」
『ハッハッハッ。それを見越してこれまで1度も連絡を取らずに勝手に転生や召喚をしてたよ。どう?良い暇潰しになったでしょ?』
「…………本題は?」
『相変わらずせっかちだな君は。いやね、君、そろそろ1兆年経つじゃん?この世界に来て』
「経つな」
『そうなることを望んで君をこの世界に送ったんだけど、うん。良いね。良い感じに出来上がってる。
ちょっと君、この世界を管理する正真正銘の神にならない?』
「………………はぁ?!!」
どうやら俺は、またもこの神にボロ雑巾のように使われるらしい。
『なるほど、この謎の通信相手がマスターの言っていた糞爺神ですか。確かになんだか腹が立つ人みたいですね』
「マスターご無事ですか!?何やらマスターに不審な通信を送るものが居るようでしたので来ました!!」
『あぁ、ダンジョンコアとその最早何がなんだかわからない彼ね。その2人は君のしたいようにすれば良いよ、部下としてね。
で、私のお願い聞いてくれるよね?』
答えは聞いてないとかいうのがオチだろ、糞爺神。
そこで俺は大きく溜め息を吐く。
そしてヘラスフォダラーに向き合い言う。
「ヘラスフォダラー、俺、どうやらこれからはこの世界の神として正式な神になるらしい。で、お前やダンジョンコアさんを部下にどうだとか言われてるんだけど、お前はどう?」
流石に1兆年近く一緒に居るだけある。ヘラスフォダラーは何か悟ったような表情をしたあと、その場に傅いた。
「マスターの御心のままに」
「ダンジョンコアさんはどう?」
『どうせ私はマスターと一心同体です。聞く必要有りますか?』
ホント、モブな俺には勿体無い奴等だわ。
「って訳だ糞爺神。煮るなり焼くなり好きにしてくれ」
『オッケー。じゃあこれからもよろしくぅ!』
その言葉と共に俺達は光に包まれた。
さて、今度はどんな風にモブのように扱き使われるんだ?
~Fin~
という訳で完結です。えぇ、完全に終わり方が打ち切りですね。自覚は有ります。
というのも、理由が有ります。この作品、世界に自然を造った時点でほぼ完結しています。書きたいものは書き終えていました。
そこにヘラスフォダラーの異質さと、今後の私の作品の世界基盤となるこの作品の世界を描写する。元々そういう考えのもと今作を書いていました。
番外編でモブ君がどんな生活をしていたか詳しくお話にしても良いのですが、それだといつに終われば良いかわからなくなるほど今作が長くなってしまうので、キリ良くここで終わりとさせていただきます。
今後はこの世界を元に、様々な物語が私の作品として展開されていきます。勿論その作品内にはヘラスフォダラーやモブ君が現れる……なんて事もあるでしょう。
改めて言いますが、この作品は私の描く世界の世界基盤となる作品です。このような世界創成が有り、その上に私の作品というそれぞれの時代が描写されます。ですので今作の続きが気になるという方は、私の別作品を読んでいただければと思います。
それでは読者様、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
また私の別作品でお会いしましょう。
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荒木空