第八話 町に着いたらまず冒険者登録
「なんだこのでっかい樹は!?」
エミルフィアに入って一番に菜月が発した言葉は、その叫びだった。
門から覗いた時から分かってはいたが、街並みは定番の中世ヨーロッパ風。石材や煉瓦でほとんどの建物や道路が造られ、木製のものもちらほらあるかな、といった感じである。
町の活気は大いにあり、店や屋台の喧騒が止まることなく響いている。賑わう大通りでは馬車が走り、剣や槍を提げた冒険者達がまるで祭りのようにわいわいがやがやわっはっはと騒ぎながら練り歩いていた。
だが菜月の視線は、そんな初めて見る町並みや賑やかな人々の様子よりも、全ての中心に聳える一本の大樹に奪われていた。
いや、大樹という表現も生温い。
全体の太さは人間の視覚内に収めることが難しい程に太く、何万、何億もの時を使って天を目指したのか、樹木の果ては文字通り無い。陽光を浴び、風に揺れることによって黄金に煌めく七色の葉。いくつにも枝分かれした古木の表面は、世界中の水を溜めこむが如く瑞々しくしなやかだった。
なんという迫力だろうか。力強く美しい姿は、まさに世界樹と呼んで差し支えのないものだった。
菜月の手を引く憂莉もその樹に圧倒されており、透き通ったラズベリー色の目を見開いていた。
「凄い、ですね……」
あまりの迫力と存在感に感嘆の声を漏らしている。
しかしシャルロッテは、立ち止まって世界樹を眺める菜月と憂莉を少し不思議そうに眺め、訊いてきた。
「お、お二人は『天霊樹』を見たことが無いんですか? でもでも、『天霊樹』は世界の端に居ても見られますよね?」
「……は? いや、見たことねぇし、知らねぇ。つか、森からもこの町に来る道中でも見えなかったんだが」
知らないのはこの世界に来たばかりで知識が足りないからなのだが、菜月は一度もこの樹――『天霊樹』を見たことが無かった。
世界の端までどれくらいの距離があるかは知らないが、確かにこれほど大きく高く、さらに地球のように球体ではないのなら、相当離れていても見えるかもしれない。だがそれほどの樹を、あの森で目覚めて周囲を見渡した時には見えなかった。
いくら森の木々が高かったとしても、天をも越すほど高い『天霊樹』が見えないはずが無い。それどころか、周辺に視界を遮るものが少ないセルハマ大森林からエミルフィアへの道中でも、菜月は『天霊樹』に気づかなかった。
しかし、町に入った途端に視認した。
(どういう、事だ?)
訳が分からず顔を顰める菜月。
シャルロッテは先程の菜月の言葉に首を傾げると、
「え、え? ふ、普通に見えてたと思いますけど……あ、いえ、セルハマ大森林はそういう呪いが掛かっているので見えないですけど、も、森を抜けたら見えましたよね?」
セルハマ大森林にそんな特殊効果が掛かっていたことは初耳だった。もしそんな呪いが掛かっていなかったら、シャルロッテは森で迷うことなくエミルフィアに帰ることが出来たことだろう。
しかしそんな情報より、辺り前ですよね、と言ってくるシャルロッテの言葉の方が菜月には問題である。
「……え? ……憂莉は見えてたか?」
困惑しながら菜月が憂莉に振ると、彼女もシャルロッテと同じように首を傾げて答えた。
「はい、見えてましたよ。近くから見て、こんなに迫力があるとは思いませんでしたが」
「うわ、マジかよ。……何で俺だけ見えてなかったんだ?」
これで憂莉も見えていなかったら、他世界からやって来た者には見えないとかいう特殊効果が掛かっていたのだろうと無理やり納得できた……というかしたのだが。しかし、憂莉には見えていたとすると、何故菜月には見えなかったのか全く分からない。別段視力が悪くてぼやけて見えないというわけでもないし、まさか種族限定で見えないという変わった理由でもないだろう。
(……いや、この場合だとその線が濃いか?)
町を歩く人々にも時折『天霊樹』を見上げる者は年齢も男女も関係なくいるので、男には見えないとかでもないだろう。そうなると、残る二人と菜月の違いは種族、そしてスキルになる。種族は三人とも違うのだが、菜月にはもうそれ以外に当てはまりそうな理由は思いつかなかった。
(それらしいスキルは俺にも憂莉にもなかったはずだけど……ううむ、分からん)
シャルロッテのスキルは確認していないので検証のしようもない。
「……ま、今はいっか」
今すぐ原因の解明は不可能という判断に至った菜月は、一時保留しその一言と共に思考を打ち切った。それでいいのかとシャルロッテが訊いてきそうな雰囲気だったが、それより早く憂莉が言葉を挟むことによりその雰囲気は霧散する。
「じゃあ先輩、まずは何しますか? 定番に買い物? それともお洒落なカフェやレストランで食事? 映画がこの世界にあるか分かりませんけど、劇場もいいと思います! そ、それともすぐにホテルでベッドインですか? えと、わたし的にすぐにホテルは……その、恥ずかしいですけど、せ、先輩はどこに行きたいです?」
「おいそれ確実にデートだよな!? あと最後のは十八禁展開だから却下!」
菜月が思考を打ち切った途端に目を輝かせ、キラキラやハートを散らしながら言ういくつもの提案に自身の欲望を混ぜてくる憂莉。菜月は先程までの悩みの余韻が憂莉のはっちゃけ具合で綺麗さっぱり吹き飛んでしまい、感謝して良いのかよく分からないがとりあえずいつも通りツッコミを入れておいた。
それを横で聞いていたシャルロッテは「ほてる? べっどいん?」と彼女の知らない単語に首を傾げていた。
できればそんな単語は知らず、そのまま純粋に育ってほしかったが……遅かったか、と何故か妙に無念そうに菜月は息を吐く。『菜月が傍に居る時の憂莉』と関わった時点で確実にそういう単語を耳に挟んでしまうことになるのだが、原因の片割れである菜月にあまり自覚は無かったりする。
「ともかく、まず先に冒険者登録だ。どうやら身分証にもなるらしいし、今後収入を得るためにはそれが一番手っ取り早いだろうし」
「…………分かりました」
デートが出来なくて不満そうに唇を尖らせる憂莉。その拗ねている姿が可愛くて、女子と触れ合う経験の少なかった菜月は思わず息を呑んでしまった。
それから見惚れてしまい、赤くなった顔を慌てて取り繕い、
「ま、まあ……今度、な」
なんてことを言ってしまう。
すると憂莉は目を見開いて頬を染め、至上の歓喜とでも言うべき表情を浮かべて抱きついてくる。
「約束ですよ! 絶対絶対、最後までシてもらうんですから!」
「ちょ、おま、なんか発音が微妙にちが、」
「絶対ですよ! 初めては柔らかい大きめのベッドで、先輩の顔を見ながらイクって決めてるんですから!」
「これ昼間からやる話題じゃねぇ! なんでお前はそんなにそっち方面の話題に持って行きたがるんだよ!?」
「既成事実は大切ですよ、先輩。あ、先輩は男の子と女の子、最初はどっちがいいですか? 何人欲しいですか? わたしは先輩の望むまま何人でも大丈夫ですよ!」
「あーあーうっせぇもう行くぞ! シャルちゃん、冒険者登録が出来る場所ってどこにあるんだ?」
無理矢理話題を終了させ、本来の目的へ戻す菜月。シャルロッテは「シてもらう? いく? きせいじじつ?」とまたもや彼女の知らない単語を呟き首を傾げていたが、菜月に問われると慌てて答えた。
「えと、えとえと、冒険者協会は、ひ、東区にあったと……思います。えと、で、でもちょっと不安なので、掲示板の地図で確認して探してくでゃ、ください!」
最後に噛んで言い直したが、きちんと言い切った後、シャルロッテは手に下げている、セルハマ大森林で採って来た木の実等が入った籠をいじりながら、少し申し訳なさそうに続けた。
「えと、その……わ、わたし、家に帰ってご飯食べなきゃいけないんですけど……」
「あ、そういや頼んだのは町までの案内だったか。そういうことなら了解だ。今まであんがとな」
「い、いえ! その、る、ルアーナッチュから助けて頂き、ありがとうございました! 本当に、ほんっとうに、助かりました!」
二人に向かって勢いよく頭を下げたシャルロッテは、どもりながらも必死に礼を告げる。その様子からシャルロッテの感謝が伝わってきて、助けてよかったと菜月は思った。……もっとも、憂莉は感謝されることは不快に思っているわけではないが、やはり助ける必要はなかったと思っているようだが。
そんな憂莉に菜月は苦笑するが、すぐにシャルロッテに向き直り、爽やかな笑みを作って別れを告げる。
「じゃあ、元気でな、シャルちゃん。もう森で迷うなよ」
「さようなら、シャルちゃん」
続けて言った憂莉も、最初シャルロッテに出会った時よりは僅かに彼女に対する表情が和らいでいる――ような、気がした。
それを少し感じ取ったのか、シャルロッテも憂莉に対する表情を和らげ、別れの言葉を返した。
「は、はいっ! さよならです!」
◆ ◆ ◆
シャルロッテと別れ、彼女に言われた通り掲示板等で冒険者協会の場所を探し出した菜月と憂莉は、当初思っていたよりもしょぼい建物の外観に若干気分を下げながら、古びた木製の扉を開け放った。
「これって、たのもー! とか言った方がいいのかね」
「道場じゃないんですから、いらないんじゃないですか? むしろ五月蝿いと叩き出されそうです」
「あー……そうかも」
開けた時とは対極に菜月は静かに扉を閉める。
中に入った菜月と憂莉は、何故か静かな協会の雰囲気に疑問を感じながら、軽く部屋全体を見渡した。
外観は石材メインで出来ていたが、中は木材の目立つ質素な造りとなっていた。柱などの重要な部分は硬くて丈夫な石材を剥き出しのままにしているが、冒険者同士が仲間を組んだり親睦を深めたりする時、または依頼について話し合う時などに使うテーブルとイスは壁や床同様木製を選んでいた。依頼を受ける時に使うのであろう掲示板も木材質であり、技術的問題なのかコルクボードではなかった。
魔力を与えると発光する光明石が所々に置かれて部屋は照らされているが、魔力の質が悪いのか光明石の素材が悪いのか、暗い印象が部屋を支配している。それが原因で騒ぐ冒険者が減って、結果的に静かな雰囲気が漂っているのだろうか。この雰囲気をぶち壊すように「たのもー!」なんて叫んだら、間違いなく叩き出される。
そんなことを考えながら、二人は受付のような所に顔を出す。すると、そこに居た二十代くらいの女性が二人に気づいてにっこりと営業スマイルを浮かべ、あらかじめ決められているのであろう台詞を放ってきた。
「ようこそ、冒険者協会エミルフィア東支部へ! 何かご用でしょうか?」
「えっと、冒険者登録をしたいんだが」
菜月が端的に用件だけ告げると、受付の女性は髪と同じ栗毛の眉を僅かに顰めた。女性は二人の服装や顔を眺めて数秒思考し、しかし何も特別な事は行わず「少々お待ち下さい」と言って、菜月達からは見えない足下の書類の束から紙を二枚取り出し、二人に提示する。
「こちらが協会に登録する申請書、及び契約書となります」
菜月は紙を受け取ると、記されている項目を流し読む。
記入する項目は、氏名(事情がある場合は名前だけでもよい)、種族(事情がある場合は無記名でもよい)、性別、年齢(事情がある場合は無記名でもよい)、出身地(事情がある場合は無記名でもよい)だけ。そして下半分に協会のルールが記載され、それを厳守するという誓いのサインを記す欄があった。
「……ずいぶんと適当じゃね? しかも事情があれば無記名OKが多すぎて、書かせる意味がなくなってないか?」
思わず半眼で問うと、受付の女性がにっこりと笑って答えた。
「まぁ冒険者になる人なんて、大抵家が無いか養ってくれる伝手が無いか未来が無い人ですからね。詳しいことなんて書けない人も多いでしょうし」
「酷い言いようだな……」
「事実ですから」
笑顔で言ってのける受付の女性。
それからまた最初に見せた懐疑的な視線を見せ、「失礼ですが」と断ってから質問を投げかけた。
「あなた方はそれほど生活に困るような人の身なりをしていないのですが、本当に冒険者になるおつもりで? 汚いことなど日常茶飯事の、暴力世界ですけど」
どうやら最初に冒険者登録したいと言った時に見せた思案顔は、このことが原因だったらしい。
確かに菜月と憂莉はこの世界の服装、菜月達から見たら古い時代の服よりもハイテクノロジーで造られたポリエステル製の制服を着ているため、この世界の人から見たら「見慣れない服装だけど、いいとこの人っぽそう」という印象があるのだろう。実際片方はいいとこの長女だが、もう片方は一般家庭のただの長男なだけなのであるが。
菜月はやや心配げな受付の女性の様子に苦笑する。すでにその事は考えていたし、森でルアーナッチュを殺した時に覚悟を固めていた。だから「問題ない」と言って見せる。
勝手に生い立ちを推測したのか、「そうですか……」とどこか憐憫を含んだ表情で言う受付の女性の視線を受けながら、菜月は氏名、性別、年齢を偽り無く記す。横に並ぶ憂莉も菜月と同じ項目だけ記し、残りは無記名にした。
(流石に、種族間のパワーバランスが分かってないうちにばらすのはまずいよな。もし吸血鬼種が人間種に忌み嫌われたりしてたら、最悪憂莉が集団リンチに遭うかもしれねぇし)
自身の天魔種も見当が付いていないうちに明かすのは悪手だろう。そういった考えから、元々書けない出身地と同様に無記名としたのだ。
(……そういや、シャルちゃんが半妖精種だって言った時も、結構卑下してたよな)
『――わたしごとき低俗の半妖精種が、あ、貴方様のようなお方に醜悪な顔を向けることなどできません――』
セルハマ大森林でシャルロッテを襲うルアーナッチュを殺した後、彼女がいきなり謝罪を述べた時の会話で言った言葉を思い出す。
その言葉から推測すると、恐らくこの世界では半妖精種という存在は快いものではないのであろう。それがどのくらい忌み嫌われているのかは定かではないが、しかし種族間で差別意識が見られている事は明白であった。
(そのうち、図書館とかで調べておくか)
早々に解決しておくべき問題の一つとして、菜月は心のメモにきちんと記しておく。
と、丁度菜月の思考が終了した時に、受付の女性が最後の記載項目について説明した。
「協会のルールはそちらに記載されているとおりです。これを破った場合、特別な理由がなければ大抵が契約の取り消しか、後でお渡しする冒険者カードの一定期間使用禁止となります。ただまぁそれは絶対厳守のものだけですけど」
「それ、絶対厳守しなくていいやつがあるってことかよ?」
「ええまぁ。そもそも冒険者になる人は九割がた教育を受けていませんし、守れという方が酷な話ですよね。文字読み書きが出来ない人も多いですから、この契約書が読めて理解できるだけでもあなた方は信用に値するんですけど」
ますます冒険者になる理由が不思議だとばかりに眉を顰める受付の女性であったが、特に親しくもない人の生い立ちを訊くなど出来るわけもなく、さらに言えば、何か他人に話せないような事がありそうな人の事情を訊くなど不敬であるため、尋ねることは無かった。というより、厄介事に関わりたくないとも思ったのかもしれないが。
(……しっかし、町の外観から文化レベルは推測できたが、やっぱり全体に教育が行き渡ってるわけじゃないんだな。教育が受けられてんのは貴族や神官の子とかか?)
受付の女性の発した言葉から大体のこの世界の就学率を推測し、菜月は女性に気付かれない程度に顔を顰めた。
初等教育約百パーセント、中等教育も九九パーセント近くの就学率を誇る日本に住んでいた菜月にとっては、教育を受けるのは当たり前だという考えがどこかにあったのだろう。実際、その世界でも国によっては教育が受けられない人もいたのに、自身の周りの人達が受けているということから、そのことから目を逸らしていた。
だから、この世界の事情を少し知り、恵まれない人達を可哀相だと憐れんでしまった。
(……やっぱ、覚悟、足りてねぇのかね)
そんな世界で強く生きるには、やはり冷酷でも現実から目を逸らさず、前を向かなければならない。人の心配より先に自分を気遣わなければ、命を守れない。例えそれが無情な事だとしても。
――もっとも、それがすぐに出来る菜月ではないのだが。
「――先輩」
と、そこで、横からずっと菜月の様子を窺っていた憂莉が、受付の女性には聞こえないくらいの声で呼んだ。憂莉は菜月の考えていたことが分かっていたのか、それ以上思考が落ちていかないよう引き戻してくれる。
それによって沈みかけていた思考を戻した菜月は一度小さく深呼吸すると、「ありがとう」と一言憂莉に礼を述べてから、あまり受付の場を占領するのも悪いので、視線を最後の契約サインが記されていない申請書兼契約書へと移して内容を素早く読んだ。
冒険者協会のルールは以下の五つである。
一つ、協会に逆らったら殺す。ルールは大体協会代表と幹部で決めるから、随時確認しておくように。
一つ、冒険者同士での殺し合いは控えろ。
一つ、年に一回契約の更新があるから、ちゃんと顔を出せ。半年遅れたら死亡したとみなして契約破棄。
一つ、協会を通す依頼の場合は、報酬の一割は協会の物。ただし依頼主本人から直接請ける等の非正規の依頼の場合は、この限りではない。
一つ、厄介事は持ち込むな。責任はご自分でどうぞ。
以上のルールを守る限り、協会はあなたを冒険者協会所属の正規冒険者として認め、援助を惜しまない。
読み終え、菜月は誓約サインを記すと、やや苦笑い気味に零した。
「うわおシビア。つか殺し合いは控えろって、やってもいいってことかよ」
あまりルールとは言えない書き方に、これでは強制力がなくてルールがあってないようなものだと思うのだが、受付の女性はしれっと答えた。
「別に、虐殺とかでなければ問題ないです。そもそも冒険者家業を続けていれば、そういう依頼に会うことも珍しくないですから。ぶっちゃけ冒険者って便利屋ですしね。それによって恨まれることも結構ありますし。まぁ、たまに獲物の取り合いとか、報酬の取り分の問題とか、些細な事で殺し合いに発展する馬鹿もいますけど。勿論そういう時はルール違反になりますが」
「ああ、なるほど」
つまりは、暗殺等も依頼として出てくる時があるということだ。
あまりそういう系統には関わりたくねぇなと思いながら、菜月は必要項目はすべて書き終えた申請書兼契約書を受付の女性に渡す。同じく書き終えた憂莉も渡すと、受け取った受付の女性は「冒険者カードが出来上がるまで少々お待ち下さい」と言って、奥に消えてしまった。
手持無沙汰になってしまった菜月が、さてどうするかと振り向いたところで――突然、友好的とは思えない内容で話し掛けられた。
「おいそこの新入り。ちょっとてめぇのツレ、俺らのパーティーに譲ってくれねぇか?」
あ。これ、冒険者登録した途端に絡まれるっていう、お決まりのやつだ――なんてことをちょっと楽しげに菜月は呟き、さて本当にどうするかと、いかにも雑魚そうな下卑た笑みを浮かべる三人の男を眺めるのであった。
そろそろ番外編を書こうか迷う今日この頃。
そういえば、憂莉のセリフって全年齢範囲で大丈夫なのだろうか。余裕ですかね?
次回も読んで頂けると有り難いです。




